思考ノート
優しくあれ
困っている人には手を差し伸べろ
そう言われて育ってきた。
親族は正直好きではない。だけど、この言葉だけは、自分の中の大切なものとして刻まれている。
その結果がこれである。
人の信頼を失い、人から避けられ。
他人など気にするな。分かってくれる人はいる。
そんな言葉をかけてくれる「優しい」人がいるかもしれない。
だが、失ったものは取り戻せない。
優しさは狂気だ。
他人を、そして自分を傷つける凶器だ。
他人の幸せに狂喜するよう仕組まれた俺は、他人の幸せにしか、他人の感情にしか自分の幸せを見出せない。
もう疲れた。すべて終わりにしたい。
けれども、俺がいなくなることに悲しみを覚える人がいるかもしれない。
そう考えるとますます終われなくなる。
そんな人などいないはずなのに。
結局、人間は機械でしかないのだ。
そうして俺は、惰性で生きていく。