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チョコレートケーキを頬張る

夜の景色に胸がいたい。人がいっぱいだ。若いのから老いたのから、薄着に厚着、大荷物小荷物オスメス関係なしにうじゃうじゃいる。あー。胸がいたい。病むとはまさにこうだ、という痛みが胸を駆けている。

チョコレートケーキを〆にと食べている。私は誰より美しく、品のない食べ方ができる。それはそれは品がないけどどこか美しいのだ。多分。


乱暴にクッションを窓辺に投げたいような気分だけどここはスタバだから私のクッションはないし、あっても投げたらやべえ。くそぅ。だからといってそれを目的にさっさと帰るのも癪だ。ああ……。


Q.大層な理想なんてないから、どうにかまともな人になれないでしょうか。
A.働かず夕飯前にチョコレートケーキを食べるような女には一生無理なことですね。


わかってる誰よりも、自分のどうしようもなさは誰より自分がわかってる。それ自体に酔ってもいる。救える命も救えないね。


チョコレートケーキ美味しい。普通のチョコレートケーキで食べてて安心する。
そういうベターな安定した存在になれたら良かったのに、私をケーキに例えるならもっと奇抜で、なんか季節限定でしか売られなさそうな不安定なものだろうな。好奇心から買うような。たとえ、あら案外美味しいわね、となっても次に行ったときまた買うかと言われたら……というような。


でも私自身そういうケーキとかグミとか、変なお菓子が好きだから。自分がそれに似たようなものでも本気の嫌悪感はない。


悪いことではないよ、現状で生きていけてるんだし。
でも正しい在り方ではないんじゃないかな。
中学でなんとなく不登校になった頃から、私の人生の通信簿のメッセージ欄はそんな感じ。


今日は電車で帰ってみようかな。なんだか自分と向き合うと具合悪くなるわね。

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