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子どもたちと一緒に考えた『主役』の描き方
昨年の6月から隔週で、子どもたちと一緒に物語作りをしているシナリオ・センターのあらいです。
毎回、おもしろい物語を作るために、どんなことができるようなればいいか、子どもたちと考えて、実際に試しています。
すでに半年かけて、『登場人物のキャラクターを魅力的に描く方法』については、身につけてきました。
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なので、今回みんなでやってみたのは、『登場人物を描き分ける方法』!
登場人物の種類をみんなで整理
映画やドラマ、マンガやアニメを観ていて、さまざまな登場人物がいます。まずは、登場人物の種類をみんなで整理します。
「えっと、主人公がいて、その主人公をピンチにしたりする悪いやつとかもいますよね」
と、子どもたちからいろいろな意見が出てきます。整理すると、4種類。
・主役
・脇役
・チョイ役
・エキストラ
「チョイ役とエキストラの違いわかる?」というと、
「えっと、チョイ役はセリフがあって、エキストラはセリフがない、ですかね」と、大正解の回答。
喫茶店で、ウェイターさんが「いらっしゃいませ」といえばチョイ役。同じ喫茶店で、お店にいる人としてカメラには映るけど、セリフが無ければエキストになります。
登場人物を『描き分ける』必要があるの?
次に、そもそも登場人物を『描き分ける』のはなぜか?
について、みんなで考えます。みんな、「う〜ん」といった表情。
ヒントとして、
「『主役を脇役が喰っちゃう』なんて言い方をしたりするよね」
「みんなも物語を書いていて、気づいたら脇役だと思っていた人物の方がどんどん活躍活躍しちゃうってことない?
でも、それって観てる人はどうなんだろうね」
というと、
「観ている人が、誰が重要な人物で、誰がそうでないのかがわからなくなっちゃうからですか?」
とこれまた、素晴らしい回答。
どう描き分ければいいのだろうか?
では、実際にどう描き分ければいいのか。これまたみんなで考えていきます。
特に、主役と脇役の描き分けの部分を中心に、考えてもらいます。
この部分に関しては、みんなかなり悩んでいました。
・主役は、事件とかのきっかけになる人説
・主役は、感情移入しやすいように平凡な人説
逆に!
・主役は、キャラクターが一番濃い人説
・主役は、いろんな面を見せる人説
・主役は、自分で問題を解決する人説
みんなで意見を出し合っていきます。それもこれも、いい説です。大切なのは、自分の観た作品などから、考えることです。
描き分けるポイントは、こちら。
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主役はラウンドキャラクター。ラウンド型なので、物語の中にいろいろな面が出てきます。
一方で脇役は、セミラウンドキャラクター。半円形なので、主人公との関わりの中だけで出てきます。
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主役は、『公』の顔と『私』の顔、両方を描いていきます。『公』と『私』というと、なんとなく『私』の方は、家とかにいるシーンを描くのかな、と思うかもしれませんが、そういう意味ではありません。
刑事ものなので、『私』の部分があまり描かれないジャンルでも、行きつけのバーや小料理屋のシーンがあったりします。ここが『私』になります。
いろいろな『私』を考えてみる
登場人物のキャラクターを考えていく際に、
「この人物は、一人の時に何をしているのか」
を考えると、人物造形が深まってきます。
でも、いきなり登場人物で考えるのは、むずかしい。なので、子ども達には、友達や家族、先生など身近な人が、『私』の時間でどんな本を読んだり、どんなテレビを見たり、どんな曲を書いたり、誰とどんなことを話したりするのか、ちょっとした時間に想像してみるといいよ、という話をしています。
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そうやって、日ごろからアンテナを張っておくことで、いざ物語を書こうと思った時に、いろいろなアイデアを出すことができます。そうすれば、例えば類型的な人物になりやすい『先生』だとかを登場させる際にも、いいキャラクターを作ることができるのではないかと思います。
ぼくらの世界には、正解があるわけではないから、自分の頭であれこれと『考える』クセを、「物語をおもしろく作れるようになる!」という目的とともに味わってもらえたらな、と思っています。
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シナリオ・センターとはシナリオ・センターは、1970年からシナリオ(脚本)、小説を書きたい方向けに講座をして50年。ジェームス三木さん、内館牧子さん、岡田惠和さんなど700名以上の脚本家、小説家が誕生しています。
祖父の新井一が投げ打った私財で、できあがった教室です。
https://www.scenario.co.jp/
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