CMからシャレード(間接表現)のうまい使い方を盗んじゃう
シナリオ・センターの新井です。
アメリカンエクスプレスカードのCMを観て、「あ、シャレードがステキですねぇ」と思ったので、取り上げてみたいと思います。
シャレードというのは、映像描写を使って間接的に、人間関係や状況などを伝える表現技術です。
アメリカンエクスプレスカードのTVCM「やっと会えた」編をご覧ください。
久々に会えた家族。お孫さんに初めて会う、おいじちゃんとおばあちゃん。
孫は、おじいちゃんには、ちょっと懐いてない様子です。そこもシャレードで表現しています。
おばあちゃんが抱っこしているのにも関わらず、おじいちゃんが、手を握ろうとすると、お孫さんに手を引っ込められてしまいます。
この描写で、お孫さんとおじいちゃんお距離感が伝わってきます。これが、シャレードです。
で、このCMがうまいのは、最後のシーン。
お孫さんが、おじいちゃんの手を離さなくなります。すっかり、仲の良い関係性が出来上がった様子です。
これも、シャレード。
お孫さんとおじいちゃんとの距離感を、手を握る、握らないというシャレードで表現しています。
何気ない表現ですが、とてもうまいと思います。映画だったら、わざわざセリフにしない部分でしょうか。
ちなみに、たった30秒ですが、構成的にも、
手を握らない
↓
手を握る
へと変化させる部分もうまいですよね。
その変化を、アメリカンエクスプレスカードが作ったんだよ、ということが伝わってきます。
ぼくの書いた書籍『いきなり効果が上がるPR動画の作り方』では、このパターンを、商品間接型と呼んでいます。
商品そのものが前面に出るわけではないけれど、商品のようさが伝わるCMです。
ドラマ仕立てにしたときに、効果を発揮する型と言えます。
こんなふうに、シナリオの技術は、CMやPR動画にも使えます。企業内でも、動画活用の重要性は高まっていると思います。興味のある方はぜひ、いろいろな動画を見て、分析してみてください。
分析のお供に、『いきなり効果が上がるPR動画の作り方』もどうぞ。
本格的に、シナリオの技術を学びたい方は、シナリオ・センターの基礎講座もどうぞ!
シナリオ・センターのあらいでした。
シャレードについて書いたっぽい記事です。覚えてない。
動画にもしています。