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映画『LEON』の出だし10分の魅力を、800字でまとめてみた
言わずと知れたリュック・ベッソン監督の名作『LEON』。特にすごいのが、出だしの10分。ここだけで「もうこの映画、絶対おもしろいだろう」と観客に思わせちゃいますもんね。
ポイントは、主要人物の登場のさせ方にあり!ですね。
①最初の2,3分で、天地人の紹介完了!
まずは冒頭の2,3分。天(時代)、地(舞台となる場所)、人(登場人物)をさらっと、でもかっこよく紹介。
海辺?の空撮からはじまり、大都市の全景が映り、カメラは街中へ。そしてリトル・イタリーと書かれた通りに入り、とあるお店の中へ。
もうこれだけで、天地が完成。
で、人。
主役のレオンは、牛乳を飲む口元、サングラス越しの眼しか画面に映らない。そう、じらす。主人公は、のれん越しにちらっと見える感じ。これが観客の「主人公、どんなやつ!?」って欲求を刺激してきます。
②いきなり一流の殺し屋ぶり
ギャングたちをガンガンとやっつけちゃうレオン。でも、まだレオンの姿は見えない。レオンの顔が見えるのは、ギャングの親玉の首筋にナイフを後ろから突きつけるときだけ。ここまで、主人公の登場をひっぱるリュック・ベッソン。
さっきまで、のれん越しにチラチラ見えていたレオンが、クールに登場。まさに主人公は『のれんを分けてさっと出る』のお手本のよう。
③のれんを分けてさっと出まくる主要人物
『LEON』の主要人物の一人が、ナタリーポートマン演じるマチルダ。彼女の登場は、階段の手すりに足を投げ出して、タバコを吸っているシーンから。
何気ない登場シーンだけど、足元からゆっくりカメラが上がってくることで、ゆっくりのれんが開く感じ。
「どんな子なの?」という好奇心が芽生えます。
さらにさらに、もう一人の主要人物といえば、ゲーリー・オールドマン演じるスタン。彼の登場なんて、後ろ姿から。
で、スタンの同僚が「音楽聴いてるときに、邪魔するな」「こいつに、嘘は通じない」と、ヤクをちょろまかした売人を説得。
「スタンってやつ、やばすぎだろう」と、まんまと『聞いたか坊主セリフ』×『のれんわけ』に魅了され、振り向くスタンを待ちかねてしまう……振り向いたら振り向いたで、やばさ全開のゲーリー・オールドマン。
「何、この話?どうなっていくの?」って、気持ちにさせる約10分。(はい、ここまでで800字くらい)
▼『のれんを分けてサッと出る』については、動画も作っておりますよ!
主要人物の出し方にこだわりあり!
『LEON』は、主要人物とそれ以外の人物の登場のさせ方だけ見比べても面白い。それくらい、リュック・ベッソン監督は主要人物の出し方にこだわってますよね。
観客であるぼくらは、いけずな感じを待っているのかもしれません。
個人的には、スパイク・リー監督の映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』のサル役のダニー・アイエロがリトル・イタリーの中にあるイタリア料理屋の店主をやっているっていうのが、新たな発見でツボでした!
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