ミニシアターが好きだったころ、モテなくなかった?という話
日本の映画文化、ピンチ!だから映画好きのみんなで、「ちょっとした支援」をしていこうと、「ミニシアター・エイド基金」が立ち上がりましたね!絶賛、応援していきましょう!!
ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金
個人的には、つい最近は『さらば青春の光』を下高井戸シネマで満喫しました。
そして、今のところぼくの中で一番ヒットした映画が、『ヘヴィ・トリップ』!『パラサイト 半地下の家族』よりも、楽しんでしまった……というと失礼だけど、とにかく楽しい映画なわけです。
と、そんな感じで、2020年もミニシアターにはお世話になっていたわけです。
でも、よくよく考えたらミニシアターというか、ぼくら世代では『単館系』と言っていた映画館に通っていた大学時代、全然、モテなかったんですよね。
そう、ミニシアター×自意識過剰な20代は、全然モテない!
僕のイメージでは、1996年に『トレインスポッティング』から火がついたミニシアター。その2年後の1998年に大学に入学。しかも、芸術大学。まわりはちょっと気取った映画を観てたりするわけ。
「ゴダール、いいよね。『勝手にしやがれ』くらい観てないとね」とか、フェデリコ・フェリーニがどうとか、ジュゼッペ・トルナトーレがどうとかこうとか。
で、ぼくもかぶれるわけです。そういうのに。で、むかうは、ミニシアター!
もう、題名も思い出せないような、小難しい作品を観てみたり……たぶん、楽しくなかったと思います、その時は。観たというアリバイ作りに行ってた気がするし。
なので、ミニシアター=背伸びしていたあの頃、をちょっと思い出しちゃう。で、そんな背伸びしている男に、女の子が興味を持つわけもなく……まぁ20代前後はモテなかったですねぇ。といって、それ以外がモテたわけでもないけれど。
ミニシアターだから出会えた、今も大好きな作品
「自分の好きそうな映画を素直に見よう!」そう決めてからのミニシアターライフは、楽しかったし、映画とのステキな出会いをたくさんもらえました。
たとえば、ぼくの大好きな映画のひとつに『リトル・ダンサー』があります。ぼくは、なぜかイングランド北部の炭鉱を舞台にした映画が好きで、『フル・モンティ』とか、『シーズンチケット』とかもそう。
しかも『リトル・ダンサー』は、T・レックスやザ・ジャムが挿入歌で使われたりと、ぼくのモッズ気取りココロをくすぐりまくるわけです。
ちなみに、「T・レックスってブギーじゃん?」という方、甘い!T・レックスは、トニー・ボレットだったか、そんな名前でモッズとしてめちゃめちゃ有名。あと、意外なところではデヴィッド・ボウイもそう。
その後は、セドリック・クラピッシュ監督の『スパニッシュ・アパートメント』からの青春三部作にはまり、30代に入ってからは、ケン・ローチ監督の『エリックを探して』が大好きに(思えばこれもイングランド北部!)その流れで『天使の分け前』を奥さんと結婚前に観に行ったり……
結婚指輪を購入するときに、販売員さんに「結婚指輪に、文字入れられますけど、どうします?」と言われ、二人とも「いや、別に……」と特に気は進まなかったのに、「せっかくだから……」と言われ、ならばということで入れたのが、『Angels' Share』。自分たちにつながるみんなに、いいことをおすそわけできたらいいね、という想いを込めて。はずかしい……
って、ことで、ミニシアターはぼくの人生にとって、もはや欠かせないもの。背伸びした自分も、好きなものをみつけた自分も、ミニシアターとともにあったなぁ~と。
劇場に入って、何となしに客層を眺めている自分、観終わったときに、まわりのリアクションを盗み見ている自分……劇場だからこそ、生まれる感情。早くまた映画館に行きたいものです。
いい気分を、みんなと分け合いに!