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『パラサイト 半地下の家族』と『ヘヴィ・トリップ』。教養と趣向のはざまで惑う
米アカデミー賞にもノミネートされている話題の映画『パラサイト 半地下の家族』。もうね、誰がどう観ても面白い映画なわけです。
なにより、観た後に語りたくなるもの。
でも……僕にとっては、星4つ。★★★★☆
で、『ヘヴィ・トリップ』が文句なしの星5つ。★★★★★
『ヘヴィ・トリップ』は最高に面白い映画!でも、正直言って、ポップコーンを片手に観るのが似合うタイプの映画。
だって主人公は、気が弱すぎるヘヴィメタルバンドのボーカルで、緊張すると吐いちゃうんだもん。
でも、『パラサイト 半地下の家族』よりも個人的には高評価なわけです。
そこで思うわけです。「ほんとに、これでいいのだろうか、ぼくの感性」と。曲がりなりにも、脚本家養成学校で働くものとして、この星の付け方は正しいのかって。
シナリオ・センターは、1970年に優秀なシナリオライター・脚本家、プロデューサー、ディレクターの養成を目的に、新井一が創立。
ジェームス三木さん、内館牧子さん、岡田惠和さんなど600名以上の脚本家、小説家を輩出するの学校です。2020年で50周年!
URL:https://www.scenario.co.jp/
星5、星4の違い
映画を観たあとは、
・何を観たいかをわすれないため
・観たときに何を感じたいのかをわすれないため
・脚本的に気になったことをわすれないため
星と簡単なコメントをつけています。
ぼくが使っているアプリはこちら。余計な機能がなくていいです。
で、この作業をここ2年くらいやっているんですが、そこで気づいた星4つと5つの差。
【星4つの場合】
「あぁ~面白かった」×「脚本も最高!」
【星5つの場合】
「あぁ~面白かった」×「脚本も最高!」×「好き!!」
つまり、もう星5つのときは、自分の好みがめちゃめちゃ出るわけです。なので、星5つをつけるときは、迷わない。
星4つの時は、星5つにしようか、ちょっと迷う。そういう時は、4にすることにしています。
つまり、『パラサイト 半地下の家族』は、
「あぁ~面白かった」×「脚本も最高!」だけど、好きかどうかでいうと、ちょっと違うかもという感じ。
一方で、『ヘヴィ・トリップ』は、
「あぁ~面白かった」×「脚本も最高!」×「好き!!」。
もうこの映画の世界感から、何から何まで大好き。バカバカしいところまで、好き!!そんな感じ。
なんなら、「好き!!」の分、脚本に多少の粗があっても、気にならない。
「好き!!」は、理屈を超える
願うことなら、『ヘヴィ・トリップ』よりも『パラサイト 半地下の家族』に星5つを迷うことなく入れたかった。でも、ぼくは『ヘヴィ・トリップ』に軍配を上げたわけです。
理性的でありたい自分が、感情に飲み込まれていく。そんな感じ。
こういうときに思いだすのが、ウディ・アレンの『スコルピオンの恋まじない』
「頭は、体の一部だ。頭で考えるからダメなんだ。血で感じろ。血は体全部にめぐってるんだから」
みたなセリフ。(記憶を頼りに書いたからだいぶ違いかも)
では、『好き』とは何か。自分の『好き』を分解して考えてみることは、自分を知るためにいいのかも。
『好き』って強い。
『ヘヴィ・トリップ』
『パラサイト 半地下の家族』
そういやどちらも地下室っていう共通点がある。
『パラサイト 半地下の家族』については、脚本のセオリーを一つやらないことで、めちゃくちゃドラマに深みがでているのではないかと、ぼくは思いました。ここら辺、すごく語りたいけど、ネタバレしちゃうので、ある程度映画の公開が落ち着いたらいつか書きたいなぁと思っております。
『マリッジ・ストーリー』について書いたNoteはこちら。お暇なときに、ぜひ。
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