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基礎がとても大切だよね、という話を、大学の映画研究会にて。
シナリオ・センターでは、『一億総シナリオライター化』という創設者新井一の理念を形にすべく、2010年から『一億人のシナリオ。』プロジェクトを実施。
早稲田大学の映画研究会にて実施した『シナリオの基礎講座』全2回編の模様を、今回はご紹介します。映画を撮りたい学生に、シナリオの基礎技術がどう響いたか、ご覧頂ければと思います。
■学生映画……あの感じね
学生が作る映画についての、個人的なイメージは、「何がしたいのか、わからない作品ばかり」といった感じです。
と、いうのも、私は日本大学芸術学部に通っていた時、嫌というほど学生映画を観ました。そして、いつも右のような感想を持っていました。
画面から伝わってくるのは、「俺にしか撮れない映像だ」と言わんばかりの自己満足の結晶です。
作り手も、若さゆえに尖っていましたし、観ていた私も、同じように尖っていたのでしょう。なので、学生映画には、後ろ向きなイメージがつきまとっています。
■100名を超すインカレサークル
「シナリオを基礎的な部分から学びたいので、出前授業をしてもらえないか」というご依頼を早稲田大学の映画研究会さんから、7月ごろに頂きました。
正直、「学生映画のサークルか……」とは思いましたが、学生さんたちが映画を、一生懸命作りたいと思っていることや、そのために、シナリオからきちんと学びたいと思ってくれていることに喜びを感じました。私も、もういいおじさんになったのだな、と改めて思います。
サークルの代表を務める松本さんに、「どんなことを知りたいか、サークルの方々に聞いてもらえますか?」とお伝えしたところ、100名以上いるので、個別に整理するのは難しいということに。
まさかサークルに100名以上も在籍しているとは思わなかったので、驚きつつ、みなさんが一番つまずきそうな部分を整理していくことに決めました。
■学生さんたちの解消したい問題とは
学生さんたちの映画の一番の問題点は、やはり「映像はこだわっているけれど、映画として意味がよくわからない」だそうです。
ドラマを映すことよりも、映像を撮ることに重心がいってしまう点については、時代が変わっても、変わらないようです。
当日、個別にみなさんの抱えている問題についても伺いました。
・キャラクターをどこまで深堀していいか、わからない
・キャラクターが都合よく動いちゃう
・キャラクターが類型的
・セリフでテーマや気持ちを言っちゃう
・セリフが説明的になりがち
・テンポの良さの出し方がわからない
・やりたい要素がかみ合わない
・予算の考え方
などなど、それぞれが抱える問題点が上がってきます。
■今どきの若い人たちは……
昨今のニュースなどでイメージする学生像は、あまり積極的ではなく、空気を読んで発言も控えめという印象があります。実際、いくつかの大学で授業をさせてもらうとき、同様のことを感じたりもします。
ですが、映像研究会の方たちは、一様に積極的です。実際に、自分たちで映画作りに挑戦しているからこそ、つまずきを解消したいという思いが強いのかもしれません。こちらも、エンジン全開で学生さんたちの問題解決に臨みます。
■『シナリオの基礎技術』で問題を解決
学生さんたちの抱える問題は、特殊なものばかりでしょうか?私は、話を聞きながら、これならすべて『シナリオの基礎技術』から解決策を提示できるのではないかと思いました。予算の考え方にしても、一見プロデューサーの分野の問題にも感じますが、シナリオがしっかりと書けていれば、そこからどれくらいの予算が必要か、イメージできるからです。
そこで、2日間のカリキュラムでは、一日目に構成の機能について講義をし、いくつかの実践ワークを実施しました。
構成の機能から始めることで、映画全体をどう考えて、シナリオを作っていけばいいのかがわかるからです。また、構成の機能が満たされていない場合、往々にして、独りよがりな作品になります。そのため、映画を通して、何も伝えきれないか、テーマを伝えるために説明するかという、ドツボにはまってしまいます。
構成を通して、全体像を掴むと、登場人物のキャラクターの大切さが理解しやすくなります。なぜなら、構成の構造は同じでも、何万何千通りものドラマがうまれるのは、登場人物のキャラクターが異なるからです。
キャラクターの作り方については、性格を考え、憧れ性と共通性という二面性を考えるところから説明していきます。そして、核となる部分を作ったら、それをもとに、だったら、どんなことをしそうか、これまでどんなことをしてきたいか、などを考えてもらいます。この順番を間違えると、登場人物が多面的になり、観客には、支離滅裂な行動をとる人物に観えてしまいます。
2日間でたった180分の時間なので、かなり駆け足でしたが、構成、キャラクター、セリフ、ト書、映像表現の特性までを講義に、ワークショップを散りばめながら進めていきました。
■基礎は、スタートラインに導いてくれる
基礎というと、どこか軽く見るようなきらいを感じます。
私たちは、日常からものを考え、言葉にし、書くことができます。なので、シナリオを書くために、わざわざ基礎を学ぶ必要があるのか、そもそも学ぶものなのか、という考えさえあるのではないでしょうか。
ですが、正しい基礎のうえにしか、高い建物を建てることはできません。それは、シナリオも同じです。
学生さんたちの未来に続くスタートラインを『シナリオの基礎技術』を使ってしめすことも、シナリオ・センターの大切な役割なのだと思います。
▼当日の詳しい内容はこちら▼
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