安房地域の紹介
今回は千葉県南部にある安房(あわ)地域についてご紹介します。
安房地域とは、千葉県の南部に位置する地域で、館山市、鴨川市、南房総市、鋸南町の3市1町で構成されています。
まえがき
旧安房郡であった3市と安房郡の鋸南町で構成されているため、安房地域と呼ばれています。
房総半島の南端に位置し、三方を海で囲まれた地形が特徴です。温暖な気候と豊かな自然が特徴で、海岸部はリゾート地として多くの観光客が訪れます。また、道の駅が集中しており、4市全てに所在しています。
一方で内陸部は県内でも標高が高いエリアであり、その麓は平野が広がります。
漁業は多彩な魚介類が漁獲され、漁法も多種多様。農業では畜産や花の生産が盛んです。
館山市
安房地域における行政・経済・産業・文化の中心都市
観光都市としても名高く、館山駅から館山湾方面へと走る南国情緒が漂う夕映え通り、房総半島の最西端に位置する洲埼(すのさき)灯台などがある。歴史を感じさせるスポットとしては、安房国最古の古社である安房神社や地城下町として発展した館山城などがある。
館山湾から望む景色は景勝地として、恋人の聖地や日本百景、関東の富士見百景などに選定されている。
花卉栽培と漁業が盛んで、房総フラワーラインや道の駅「道の駅南房パラダイス」「道の駅グリーンファーム館山」や“渚の駅”たてやまなどは館山は観光スポットだけではなく産業を彷彿させる一面もある。
名物である房州鮨は、通常よりも大ぶりなのが特徴で、ネタは地元のネタを中心に厳選
鴨川市
2005年に鴨川市と安房郡天津小湊(あまつこみなと)町の新設合併により誕生し、現在に至る。
鴨川地区(旧鴨川町)
1971年に江見町及び長狭町と新設合併
市の中央部に位置し、市役所の所在地である。
人気スポットである鴨川シーワールドや鴨川温泉郷を主としたリゾート地として名高い。
安房鴨川駅は内房線と外房線が接続する駅であり、両路線は当駅を経由して直通運転を実施。
江見地区(旧江見町)
1971年に鴨川町及び長狭町と新設合併
市の南部に位置し、花畑の広がる海岸沿いの地区。道の駅鴨川オーシャンパークや太海フラワー磯釣りセンターなどの観光スポットが所在
長狭地区(旧長狭町)
1971年に鴨川町及び江見町と新設合併
市の西部に位置し、山に囲まれ、平野が広がる農村。稲作が盛んで、大山千枚田は「日本の棚田百選」に選定されている。
天津小湊地区(旧天津小湊町)
市の東部に位置し、地区の北部は山林地帯、南部は沿岸部
古くは日蓮ゆかりの誕生寺(小湊地区)・清澄寺(天津地区)の門前町として発展
マダイの群生地と知られる鯛の浦があり、遊泳するマダイは国の特別天然記念物に指定されている。
南房総市
2006年に安房郡の富浦町、富山(とみやま)町、三芳村、千倉町、白浜町、丸山町、和田町の新設合併により誕生し、現在に至る。合併したことにより、館山を三方で囲むような地形となった。
市内にある道の駅は8個あり、日本最多を誇る。また7地区に必ず1つ所在(富浦地区は2つ)
千倉、白浜、丸山、和田の4地区は朝夷(あさい)地区という通称がある。
富浦地区(旧富浦町)
市の西部に位置。西は海に面し、三方は山に囲まれた地形
市役所は旧富浦町役場を使用。
ビワの産地として知られ、生産日本一を誇る。また、アイリスの生産も日本一を誇る。
自然公園などの観光スポットが多く、市内に2つある道の駅「道の駅とみうら 枇杷倶楽部」「道の駅おおつの里 花倶楽部」、岡本桟橋(原岡桟橋)、大房(たいぶさ)岬などがある。
富山(とみやま)地区(旧富山町)
市の北西部に位置し、海水浴場で人気の岩井海岸、「南総里見八犬伝」の舞台かつ地名の由来となった富山(とみさん)、伊予ヶ岳、御殿山の3つの山を有する。
主な農業は果樹栽培、酪農、畜産。和牛はかつて千葉県内一を誇っており、道の駅富楽里とみやまではブランド牛「安房伏姫和牛」を使った料理が販売されている。
三芳地区(旧三芳村)
市の中央部に位置し、7地区の中では海に面しておらず、田園風景が広がる。なお、合併前は千葉県で最も人口が少ない市町村であった。
純農村で、温州みかんの栽培や酪農が盛んであり、地区の産業におけるシンボルが道の駅三芳村 鄙(ひな)の里
千倉地区(旧千倉町)
市の南部に位置し、合併以前から7地区の中では人口が最も多く、白浜、丸山、和田も含めた朝夷地区の中心地
かつては朝夷地区4町を管轄する警察署が置かれていた(現在は館山警察署千倉幹部交番へと改称)。
主な産業は花卉栽培と漁業。温暖な気候で常春の地であり、花卉栽培の中でも切り花の露地栽培が盛ん。様々な花が冬から秋にかけて開花。漁業も
観光スポットとしては、道の駅ちくら・潮騒王国や、料理の神様を祭る高家(たかべ)神社、南国情緒あふれる千倉海岸などがある。
白浜地区(旧白浜町)
市及び千葉県の最南端の地区。県最南端の野島埼に立つ灯台は白浜のシンボルであり、道の駅の名前にも使われている(「道の駅白浜野島崎」)。
キンセンカの生産量は日本一
御宿と並び日本三大海女地帯の一つで、サザエ・アワビ漁が盛ん。
丸山地区(旧丸山町)
市の東部に位置し、日本酪農発祥の地として名高い。
道の駅ローズマリー公園は、地中海と同じ緯度に位置するたことから、丸山町時代に構想された「風車とローズマリーの里」づくりから誕生
和田地区(旧和田町)
市の東部に位置しており、花卉栽培と捕鯨漁業が盛ん。
関東で唯一の捕鯨基地を有する。道の駅和田浦WA・O!では鯨を利用した加工品が販売され、鯨肉の料理屋も地区には多く存在
鋸南町
日本三大水仙群生地の一つであり、町内の各所で水仙が栽培され、冬に咲き乱れる。代表的な名所は北部の保田地区の「江月水仙ロード」と南東部の佐久間地区の「をくづれ水仙郷」「佐久間ダム湖親水公園」
町名は鋸山の南に位置していることが由来。鋸山は古くから房州石の産地であり、山の大半が境内である日本寺(にほんじ)の大仏は日本最大級。
保田地区には2つの道の駅「道の駅きょなん」「道の駅保田小学校」がある。
南西部の勝山地区には町役場や源頼朝上陸地の碑がある。