印旛地域の紹介
今回は千葉県北部にある印旛(いんば)地域についてご紹介します。
印旛地域とは、千葉県北部に位置する地域で、佐倉市、成田市、印西市、四街道(よつかいどう)市、八街(やちまた)市、白井市、富里市、酒々井(しすい)町、栄町の7市2町で構成されています。
まえがき
旧印旛郡であった7市と印旛郡の酒々井町及び栄町で構成されているため、印旛地域と呼ばれています。
印旛沼を中心とした自然豊かな一面がある一方で、西部は千葉ニュータウン、東部は成田空港と県内でも国際的な需要が目立っています。
西部の印西や白井は東葛地域に近いため、県庁所在地がある千葉市よりも、東京寄りといった感じです。一方で佐倉や四街道、八街などは千葉に近いため、千葉のベッドタウンの要素があります。
佐倉市
人口は約16万人と印旛地域及び北総地域の中では最大
印旛地域及び北総地域における行政の中心地で、県の機関が集中。
歴史を感じさせるものが多く、古くは佐倉城を拠点とした城下町として発展し、市の至る所に歴史的な建造物が多い。
日本初の私立病院である佐倉順天堂が設立された地でもあり、東日本における西洋医学(蘭学)の町としても名高い。
市内で最も人口が多い地区であるユーカリが丘は、山万株式会社によって開発及び管理されているニュータウンで、開発が始まってから半世紀に渡り発展し続けている。
市の北部は手賀沼が広がる自然豊かなエリアで、人気の観光スポットである佐倉ふるさと広場は、オランダ風車と印旛沼を背景に、春はチューリップ畑、夏はひまわり畑、秋はコスモス畑が一面に咲き誇る。
成田市
北総地域における商業の中心地であり、企業や宿泊施設が集中
京成の「京」は東京、「成」は成田を指す。
日本最大級の国際線旅客数を誇る成田国際空港の所在地として名高く、国際観光モデル都市として機能している。
成田山新勝寺は門前町として発展し、現在においても関東屈指の参詣者数だけでなく、初詣の参拝者数日本一を誇る。
成田空港や成田駅、ニュータウンを除くと田畑が広がるのどかな風情が感じられる。
2006年に香取郡下総町、大栄町を編入し、現在に至る。
下総(しもふさ)地区(旧下総町)
市の北東部に位置しており、合併前は香取郡。
観光牧場かつ体験型スポットとして知られる、成田ゆめ牧場の所在地
レンコンが特産品
大栄(たいえい)地区(旧大栄町)
市の東部に位置しており、合併前は香取郡。
成田空港に近い他、東関東自動車道や圏央道を結ぶ大栄JCTがあるなど、交通面での条件も良好
「大栄愛娘」というブランドのサツマイモが特産品
印西市
流山と並び県内でも人口増加が著しい。
千葉ニュータウンの拠点都市であり、千葉ニュータウン中央駅近辺には商業施設や企業のデータセンターが集中
旧市街地である木下(きおろし)地区は、市の行政の中心であり、古くは利根川水運の宿場町として発展
2010年に印旛郡印旛村、本埜村を編入し、現在に至る(千葉県における平成の大合併で最も新しく誕生)。
印旛地区(旧印旛村)
市の南東部に位置しており、北東部は北印旛沼、南西部は西印旛沼に面している。
北総線の終点である印旛日本医大駅を中心とした千葉ニュータウンである「いには野地区」では宅地化が進行。また、印旛日本医大駅の駅名の由来である日本医科大学北総病院は県北西部地域の基幹病院であり、ドクターヘリの基地病院としても知られる。
ナウマン像発掘の地として名高い。
本埜(もとの)地区(旧本埜村)
市の北東部に位置しており、北印旛沼に面して水田が広がる。
白鳥の郷に毎年1000羽の白鳥が越冬のために渡来
農村としての側面が強かったが、印西牧の原駅北側にある「滝野地区」では宅地化が進行し、農村と都市のそれぞれの側面を持つ。
四街道(よつかいどう)市
地名の由来は、現在における千葉市、船橋市、成田市、東金市の方面へ東西南北に街道が交わることから名付けられたと伝わる。
過去に千葉市との合併案があったことがあり、千葉市及び葛南地域とともに「ベイエリア」として区分されることもある。
かつては軍都、現在は千葉市のベッドタウンとして発展
有名な催しものに「和良比はだか祭り」がある。
八街(やちまた)市
落花生の生産量日本一を誇る「ピーナッツの町」として名高い。
市の中央部は市街地を形成し、周辺は平地が多く近郊農業が盛んな畑作地域が広がる
八街の名前の由来は徳川幕府の放牧地であった小金牧・佐倉牧の開墾着手が8番目であったことに由来
白井市
船橋、印西と共に千葉ニュータウンに属す。
梨の生産高は県内一
日本で唯一の常設そろばん博物館である「白井そろばん博物館」がある。
富里市
スイカの生産高と出荷高は全国2位である他、スイカロードレースや皇室献上品のスイカなど、スイカの名産地として名高い。
県内の市の中で唯一、鉄道が通っていない。
明治には御料牧場が設置され、「競走馬のふるさと」としても知られている。
酒々井(しすい)町
地名の由来は親孝行息子の井戸から酒が湧いたという酒の井戸の伝説
酒々井プレミアム・アウトレットが開業して以降、成田空港からのアクセスが良好なため、訪日観光客で賑わう。
印旛郡成立当初から遡ると、他の自治体との合併を行っていない。
栄町
町の中心地は、東部の安食(あじき)地区で、市役所及びJRの安食駅があることから市街地となっている。
歴史にゆかりがあるスポットが多く、一番の見所は江戸の町並みが再現されている房総のむらで、ロケ地としても使用されている。
西部の布鎌(ふかま)地区は利根川、長門川と将監(しょうげん)川に囲まれ、印西市埜原と共に水塚のある集落景観として「ちば文化的景観」に登録されている。