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出来ないことが多すぎる、不便な作曲家。

こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスの作曲家です。

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さて、

僕の弱点は、パソコンの前にいないと作曲できないことです。メロディーがふと浮かんだ時にメモ帳を取り出してササっと描いた五線に音符を書くみたいなことが出来ないのです。打ち合わせの時に音が鳴ることが多くて、それをメモる方法がなくて、そのアイデアを捨てないといけないのがもったいないです。

作曲家の多くは、楽器がなくても頭の中になった音をメモっておけるらしいです。メモらなくても、頭の中で7割くらい作って、そのあとDAWでそれを再現する、みたいなこともできるそうです。僕はどれもできないので、僕の作曲はDAWにソフトシンセを立ち上げて一音鳴らしてみるところからスタートになります。忙しいのにアチコチ移動があってゆっくりDAWの前に座れない時なんかは特に譜面や頭にメモできる能力が欲しくなります。(あ、スマホの作曲アプリ使えばいいのか…)

こないだすごく珍しいことがありました。朝、目が覚めた瞬間に、その日書かないといけない曲のイントロが頭の中に鳴ったのです。たぶんそれはコードネームにすると凄く簡単なんだろうけど、僕にはコードネームもコード進行もわかりませんでした。例えば、スリーコードの曲を聴いてた時に、たぶんスリーコードなんだけど、その進行が「C F G」なのか、「G F C」なのかもわからないくらいな僕の能力です。CからFに行ったのか、Gに行ったのか、そもそもCから始まったのかいつも混乱して一人で恥ずかしくなりガッカリします。

話戻します。

起きた瞬間、その日書かないといけない曲のイントロが浮かびました。たぶんすごく簡単なコード進行だったのですが、一番最初のコードネームすらわからなかったので急いでDAWを立ち上げました。ピアノの音が欲しいのでKeyscapeを立ち上げて頭の中のコードの構成音を一音一音探していきます。最初のコードが見つかったので、そのあと続きました。そして忘れないように打ち込んでおきました。たぶん4小節だけだったと思います。起きた瞬間、コードネームが浮べば、頭に記憶できれば絶対に便利ですよね。その機能が僕には備わっていません。残念な作曲家です。

朝の用事を済ませて、メモったコード譜を元に30分くらいで一曲仕上げました。頭だけでも決まってると作業は早いです。ドラム以外は全てミュージシャンに演奏お願いすることに。打ち込まなくていいってすごくラクですね、、、そして完パケて納品しました。

その曲は、今放送中のドラマ『下山メシ』の中で流れてます。サントラに入れるとしたら「下山メシのテーマ」って名付けるであろう曲です。一番最後に書いた、ふくだももこ監督から唯一リクエストがあった曲です。今聞き直してみたら、なんてことないコード進行の曲です。「こんなのもわからないの?」みたいな。

こんな感じで、他の人よりは時間かかるかもしれないけど、出来ないなら自分が出来る方法を選んでやっていくしかないなーといつも思います。他の人からするとめんどくさそうだけど、僕はこのやり方でずっとやってるので「普通」です。人に指摘されて、僕の普通って他の人にとっては普通じゃないんだなって気付くことも多いです(悪い意味で)。

ということで、この曲のリファレンスは「ばらの花」「若者のすべて」でした。ぜひドラマを見て、どんな曲になったのか答え合わせしてみてください!NetflixかTVerで視聴可能です。


(おまけ)

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