【ライターの心得】わからないことは徹底的に調べる
ライターとして29年目になる。
前年12月で広告代理店を退社し、しばらく実家に帰っていたが、さてそろそろ仕事しようかと一人暮らしをしているF市へ帰ってきて友人の家に遊びに行ったら(おいおい、仕事じゃないのか)、一日中阪神大震災のニュースをやっていたことを鮮明に覚えている。
つい先日も阪神大震災から29年目とニュースでやっていて、そうそう、私がフリーになった時だったから、私もフリーのライターとして29年になったのかと感慨深かったものである。
話が逸れた。
私がフリーになった頃、まだ携帯電話を所持している人は本当に忙しい一部の人だけで、一般の人は家電と留守電だった。
若い子たちは、ポケベルを持ってたかな?
そのため、調べ物といえば図書館に行き、1日こもって関係する本を探して書き写したりコピーしたりしたものだ。
数年でインターネットが普及し、あっという間に調べ物はインターネットで検索すればほとんどのことが済むようになった。
ただし、インターネット情報には間違ったこともあるため、真偽のほどはきちんと調べる必要がある。
WEBライターの仕事では、得意分野だけでなく、まったく専門外の分野の執筆依頼も来る。
専門外どころか、書いてある単語すら意味がわからんということも少なくない。
もちろん、とことん調べる。
なぜか?
人は、わからないことについては一行も書けないからである。
長年ライターをやってきたおかげで、知っていることは莫大に増えた。
すぐに忘れはするが、一時的にでもしっかり理解していなければ、その分野の記事は書けないからだ。
書いたところで、薄っぺらな何の役にも立たない記事になることだろう。
取材に行って体験して書いたことと、
ネットで調査しただけで書いたことは、格段に違う。
温度差というのだろうか、記事の熱量が違う。
もうこれは、経験上そうだと言うしかない。
ただしWEBライターという性質上「役に立つ情報」を求められることが多く、ライター自身が体験したか、専門家であるかはあまり関係ない。
というより、専門外だろうが体験したことなかろうが、内容の濃い役に立つ記事を書くのがプロのライターというものである。
だからこそ調べるのだ。
調べて理解して、自分の中で納得していなければ、読者の役に立つ記事は書けないと断言できる。
専門外の執筆依頼がくれば、仕事の大半は調べ物。
ChatGPTなどという便利なツールも出てきたので、調べ物もかなり楽になったはず。
最近の執筆依頼は、エビデンスがしっかりしていることを重視する傾向にあるため、出典などに気をつける必要がある点も頭に入れておこう。