映画考察『IT/それが見えたら、終わり』の革命的なモンスター像について【※ネタバレ】
世の中では低評価レビューが吹き荒れているのに、自分自身は「凄く面白かった!」と思える映画って、ありますよね。
そういう作品をSNSでレビューするときって、燃えますね。
いやでもこれは大事なことだ。
「みんなが面白いと思っている映画をつまらない」と言うよりも、「みんなが駄作だと怒っている映画を『いいところがある!』」とレビューする人でいたい。
普段からそう思っているので、
ぜひ今回は、賛否両論のホラー大作、『IT/それが見えたら、終わり』の、特に第二章(IT/イット The End)の擁護をさせてください!
あの映画の、多くのレビューで「納得できない」と指摘されている点について、私は納得したのだもの。
どこの箇所のことか?
以下はネタバレを少し含みますが、
多くの人が怒っている、殺人ピエロのペニーワイズの「倒し方問題」ですね。
「お前は本当は弱いんだ!弱いんだ!」とビルたちが強く信じると、本当に弱い姿にどんどん縮まっていってしまい、最後には心臓をヒトヒネリで殺せる程度の弱々しい生命体にまで落ちてしまう。
「なんじゃそりゃ?そんなに弱いモンスターだったのか!金返せ!」と怒った人が多かったのも無理ないかもしれない。でも少し待ってほしい。
私は、あの決着に、とても納得しています。
なぜか?
これは、私の個人的な考察なのですが、
つまりITというのは、そもそも地球に来た最初はめちゃくちゃ弱い生命体だったのではないか?
本人にとっても何か不本意な事故(?)で宇宙から地球に落ちてきて、孤独で、怖くて、不安で、パニックになっていた、実にあわれな宇宙生物から地球生活を始めたのではないか?
それが、いつしか地球人の恐怖心につけ込み、さまざまな形態に擬態するというワザを習得して(英語も覚えてw)、人間を襲って食べることができるようになり、生き延びた。それで調子に乗り、暴れていたが、
もともとは、映画の最後に見せた、あの弱々しく情けない姿こそが、本来の「イット」の姿だったのではないか。
そりゃ、あいつは大量に人間を(しかも子供を)殺しているわけだから、退治すべき悪であることは間違いないです。
しかし、実は向こうは向こうで、人間をずっと怖がって生きてきたモノなのかもしれない。
だとすると最後のあの微妙な表情は、「やっと死ねた」という安堵感も含んだ表情だったのかもしれません。
アメリカンホラー映画史上にはいろんな殺人鬼やモンスターが出てきましたが、
「実は向こうは向こうで人間に殺されることを怖がっていて、ハッタリで暴れていた」というのが最後にわかる、なんてのは、革命的なホラーモンスター像ではないでしょうか!キャラクターとしてとても興味深いのです!
、、、という見方をしている私は、『イット』二部作を、それこそ音楽のように繰り返し何度も何度も見て細部まで楽しんでいるのですが、、、どうでしょう、やはり、私は深読みしすぎなんですかね?w
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