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『インディペンデンスデイ』はそもそもリサージェンスしてはいけなかった!w【SF映画レビュー:『インディペンデンスデイ・リサージェンス』(2016)】
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今回の記事は、2016何のSF映画、『インディペンデンスデイ・リサージェンス』についての感想となります。
『インディペンデンスデイ・リサージェンス』とは何かというと、
1996年に大ヒットしたローランド・エメリッヒ監督作品『インディペンデンスデイ』の公式の続編であり、かつ、『インディペンデンスデイ』の悲惨な劣化版です。
もともと1996年の『インディペンデンスデイ』自体、
アメリカ大統領が自ら戦闘機に乗ってUFOと空中戦をやって圧勝したり、
なんとアップル社のノートパソコンからエイリアンのマザーコンピュータに接続したら一発で潜入できたり(互換性問題って一体、、、)、
ツッコミどころが山とあるオバカ映画ではあったのですが、
1990年代最先端の特撮の凄さと、俳優たちの獅子奮迅の盛り上げ演技と、そしてUFOのデザインがなかなかカッコよかったこと、など、
まぐれが重なって、驚くべきことに、今見てもかなり楽しいエンターテイメントSFとして完成されている不思議な事例でしたw。かくいう私も、実はけっこう好きな映画でした。
そして、それから20年。
登場した正式続編が『リサージェンス』。
そしてこちら、呆気に取られるほどの「前作からの劣化」を見せつけられ続ける2時間映画となったわけですが、
この劣化は、しかし、不運が重なったせいもある。
・前作のキャストがかなり集まったのに、肝心カナメのウィルスミスが不参加!あまりに致命的、、、
・そもそも監督のローランドエメリッヒが2010年代は絶不調
・前作は「UFOのデザインがなかなかカッコいい」という美点があったのだが、続編となると、メカデザインの目新しさも、もはや、ない
・そして、私が思うに、これこそが『リサージェンス』最大の問題点なのですが、、、前作1996年といえば湾岸戦争直後であり、「アメリカが人類を代表して宇宙人を倒す」ノリは、オバカ映画とは思いつつも、実は説得力があった。その続編を2010年代に、しかも、オバマ大統領が「アメリカはもはや世界の警察ではない」と宣言し、かつ、トランプ政権が登場したという2016年に公開するセンス、、、最悪すぎるんじゃなかろうかw
ていうか企画段階で誰か止めろよ、、、「こういうアメリカ映画がオバカと言われつつも許される時代じゃなくなったんだぜ」ってw
それにしても、、、つくづく気になるのは、タイトルです。
「リサージェンス」ってのは、かなりマズいタイトルじゃなかろうか?
だってリサージェンスというのは「(一度は駆除したはずの害虫や雑草が)再繁殖する」という意味。
でも、これ、、、誰が「再繁殖」したって言いたいんですかね?
だってこの映画、始まった途端に、「20年前のあの戦いから人類はここまで復興しました!」というナレーションと共に、繁栄している地球の各都市の映像が流れるんですよ。これ、、、「人類が再繁殖した」って意味のリサージェンスじゃないよね?違うよね?でも、このタイトルの映画が始まってオープニングがあの映像だと、めちゃくちゃ「人類がまたウジャウジャ沸いた」というふうに見えちゃうよw。なんか変だw。タイトルがおかしいと思うよ、やはり。
と、かような作品、『インディペンデンスデイ・リサージェンス』。
でもひとつだけ、
狙ってやっているわけじゃないだろうけど、ドキリとする鋭いシーンが、ひとつだけあった。
1996年の前作では、アメリカの核兵器でトドメを刺されたエイリアンたちが、今作で再び地球にやってきて、またしても諸都市を破壊したとき、
なんと、地球側の対策チームが、「エイリアンたちが歓声を上げてやがる!」って声を傍受するシーンがあるんです。いや、、、狙ってやったわけじゃないだろーけど、この「宇宙人たちが歓声を上げてる」ところ、斜めから見ると凄い批判精神を感じません?
「そっか、、、言われてみれば、エイリアン側の立場に立てば、1996年の前作のラストは『アメリカの核兵器で女子供も含めて大虐殺された!』って見方になるよな、、、エイリアンたちはエイリアンたちで『アメリカに死を!』と20年間、恨みを募らせて、復讐の鬼と化してるんだな、、、彼らにも家族や友人はいたろうからな。『20年前に虐殺された家族のカタキだ!』って気持ちで攻めてきたのが今回なら、地球への再攻撃がまんまと成功した時、歓声も上げるよな、、、」と。
でも結局、続編たる本作でも、エイリアン退治にはまた核兵器を使うんですよね。。。こりゃ、20年後にはエイリアンはまた復讐の鬼と化してって地球にやってきちゃうんじゃないか?戦争と報復の応酬が永遠に続くことになるのではないか?などなど、余計なことを考えてしまったのでした、、、。
そういうわけで、オススメ映画とは言えないシロモノなのですが、私が↑このように見たように、
「20年でずいぶん、アメリカも変わり、世界も変わり、そしてたとえフィクション娯楽映画だとしても、我々の『戦争』というものに対する感性も、大きく変わってしまったんだなあ、、、」ということを確認する意味で、前作と本作を見比べてみると、多少面白いかもしれません。そんな見方をされるのは制作側の意図じゃないでしょうけどね。。。