『禁断の惑星』(1956)はオモシロさ満載な絶対的古典SFホラーの傑作!ところでこれ『ウルトラマン』ネロンガの元ネタですよね!?
私のSFホラー好きのベースとなっているのは
1980年代のハリウッドSFなのですが、
「SF映画の歴史を勉強しよう」と思い立った日に見るべき「古典的名作」となると、
やはり1950年代に集まってますよね!
ある意味でクリエイターも観客も「無垢」だった、この時代の古典的名作を、
「なにかひとつ見たい」
ということであれば、
私としては『禁断の惑星』(1956)を是非オススメしたいです!
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オススメする理由は、単純です。
今見てもじゅうぶんに面白い作品だからです!
テンポがよく、見せ場も多く、
特撮も感心するクオリティ、
そして最後までなかなか実体を見せない、
透明怪獣との戦い、というアイデアが秀逸ですわな!
何も見えないのに、
唸り声と、
足音だけがして、、、
やがて、地面に、メリメリ、メリメリと、足跡🐾だけが浮かび、
「そこだ!撃て!」
と光線で攻撃した時だけ、
怪獣の姿が火花の中にシルエットとして見える!
ネタバレは避けますが、
その怪獣の正体の意外さも、そしてその意外な「倒し方」も、一種の悲劇的なドンデン返しになっている!脚本も実によく練られていた。
ロボットの「ロビー君」を筆頭とする、古めかしいデザインのSFガジェット達も、今見ると「レトロSFデザイン」に見えて、むしろ斬新な気がするしw
そんなわけで、
『禁断の惑星』は、まるでSFホラーの教科書のように、王道を押さえた「いかにも50年代SF」の傑作といえます!
私としては是非に強くオススメしたい次第!
ただし、
そうはいっても、これは半世紀以上も昔の作品。
ツッコミどころは色々ありまして。
仲間が死んでいっても特に感情の湧かない、各キャラクターの描写のうすっぺらさは、どうしても鼻につくし。
とりわけ、女性キャラクターの描き方の、驚くべき「浅さ」は、さすがに現代の目でみると違和感バリバリな点ではあります、、、
まあ、簡単に申し上げますと、
この『禁断の惑星』には、
女性キャラはそもそも、一人しか出てきません。
そんな彼女は、典型的なハリウッドブロンド美人。しかもわざわざ丈の短さがもはや露骨すぎて恥ずかしくなる「未来のピッチリスーツ」を着て登場。
しかも彼女は、設定として、「禁断の惑星」ことアルテア4で生まれ育ったため、自分の父親以外の「男性」なるものを見たことがない、というキャラクターなのですが、
そんなブロンド美女が、地球から来た調査団の男たちと会話をしている中で、
「ねえ?地球には、『キス』って文化があるんでしょ?どんな文化なの?私に、『キス』を、やってみて下さらないかしら?」
等々の発言で無垢に迫ってきて、
男性キャラたちを「いやあ、まいったなあ、デレデレー❤️」とさせ続ける、、、まあ、ぶっちゃけ、今時の異世界ファンタジーアニメにすらもはや出てこないような露骨さの、「男性に実に都合のよすぎる」キャラクター、、、
さすがに現代の目から見たら、NG感だらけですわな、、、
ここはもう、気になって仕方ない、、、
だが、こんな、1950年代SF映画における女性キャラのうすっぺらさを見ておくことも、SFの勉強としては、とても大事な体験と思います。
「あーー、なるほど、、、1950年代のSF映画って、こんなふうに女性を描写してる、完全に男たち向けのサブカルだったのね?そりゃ、当時の教養層からは、『SFなんかをみてるとバカになる』とさんざん呆れられてたわけだ、、、」
という気づきは、SF好きとしては、苦い味の認識になりますが、
もともと昔のSF映画というのは、こういう「いかがわしさも満載」コンテンツだったという点は、理解しておいて損はない。
そういうことを理解する上でも、
『禁断の惑星』は実にオススメしたい、
いろんな意味で勉強素材として最高な傑作なのでした!
ところで!
最後に、すごく細かすぎて、よほどなSF好きにしか伝わらないだろう指摘をしておきますが、
この映画に出てくる「透明怪獣」の特撮での見せ方(「声と足音だけがする」「地面に、足跡🐾だけが、メリ、メリ、とできていく」「時折、シルエットだけが一瞬見えてまた消える」)って、
これ、きっと、『ウルトラマン』の「透明怪獣ネロンガ」のモトネタですよね!!私には、そうとしか、見えん!!
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