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怪談はいちどウソを盛ってしまったらもう「おしまい」という指摘が重い『怪談のシーハナ聞かせてよ。』第32回のこと

『怪談のシーハナ聞かせてよ。』という番組が私に貴重なのは、「実話」「ウソ」を巡る議論がたまに入るから。それも「怪談師」なる、人に怖いハナシをすることを生業とする人の真摯な立場からの、ふと穿った意見が聞けることがあるから面白い。

過去にも「怪談師なのに幽霊を信じていない」というバランス感覚のハナシが出たことがありましたが↓

第32回においては、「実話として採集した怪談に、オチを盛ったり、ツクリをしたくなることはないか?」という狩野英孝さんからの切り込みが発生。

これに対する上間さんの

いちど、ツクリを入れたら、おしまいですよ

というヒトコトが深かった。このあたりのバランス感覚は私も賛成。市井から採集した怪談の面白さって、けっきょくなんだったのか、起承転結が明快でないところの魅力ですからね。

ホスト側がそういうスタンスで企画しているこの番組に呼ばれるゲスト怪談師さんたちはハードル上がっていて大変だろうな、とも思い。

でもぶっちゃけ、この番組に出てくるゲスト怪談師にも、たまーに、「それはツクリが入ってるでしょ?!」とツッコミたくなる人もおります。どの怪談を信じてどの怪談を信じないかも個々人の判断なので、私自身はどのハナシを「ツクリでは?」と見抜いているかは、あえて書きませんがね。

さて、そんな第32回のゲスト怪談師は、大谷雪菜さんと大津広次さん。

収録怪談は、

団地の廃墟
リフレクソロジー
老夫婦
住人

の五本。ちなみに「団地の廃墟」については糸柳さんからあっけなく、「廃墟の団地でインターホンが鳴り出すこと自体はあり得ること」とタネアカシされてしまうあたりが、この番組のスタンスを物語ってます。ツクらないですねー。


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