私が無線イヤホンから有線イヤホンに変えた理由

外に出る機会が圧倒的に減った日常を迎えてから、もはや一年以上が経過している。GWという羽根の伸ばすには絶好の機会でさえも、外出を控えるべきという暗黙のプレッシャーを感じながら日々を生きている。

そんな中、私は最近Airpods proから有線イヤホン(Hi-Unitピエール中野モデル"有線ピヤホン2"こと「HSE-A2000PN」)に変えた。Airpods proはワイヤレスイヤホンという利便性と機動性を兼ね備え、Apple Watchと組み合わせればまるで魔法のような音楽体験を得られていた。そう、外に出なくて良くなるまでは。

通勤を余儀なくされていた私は、とにかく音楽を聞いて気分をあげながら仕事に向かっていた。故にそれほど音質にこだわることはなく、コードが絡まるといった煩わしさから解放され、簡単にデバイスと接続できる手軽さを重視していた。それが家にいて動かないのにワイヤレスである必要性を感じなくなり、今まで以上に音楽と向き合う、聞き入る、ということを重視するようになってきた。それほど音楽に対する知識はないのだが、Airpods proでは聞こえなかった音が、有線に変えたら聞こえるようになったというから不思議なものである。用いるデバイスによって音楽体験が異なるというのは、作曲をしている人が本当に伝えないものがあるとしてそれが伝わらない苦しさは計り知れないのではないだろうか。

イヤホンに限らず、物理的に何かと確かに繋がっているという有線の安心感に、改めて気がついたように思う。目に見えない何かに怯える日常より、目に見える形で確かに繋がっているという安堵を、心のどこかで求めていたのかもしれない。

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