【雑記】悪の組織、その名は
水泳の池江璃花子選手へのバッシングが妙な方向へ行っている。
「オリンピック辞退して」や「中止に賛同して欲しい」といった要求を毅然とはねのけたことで、ある界隈が発狂しバッシングに至っているという事態は伝え聞いていた。
もともとの要求が一方的で馬鹿馬鹿しいことは明らかで、まともに相手にしてもらえると思っている方がどうかしているのだが、コロナ禍への恐怖か身勝手な正義に浮かされてか、匿名顕名の別なくいまだバッシングを続ける人がいる。
ついには池江璃花子選手が電通と関わりがあることと結び付け、政府のために働いているのだという陰謀論じみた非難が展開されている。
すこし前まで悲劇から復帰したヒロインだった池江璃花子選手が、一転して電通の回し者、政府の支持者扱いされてるのは、あまりにぶっ飛び過んだ展開でクラクラしてしまう。
この展開で思い出されるのは「100日後に死ぬワニ」であろう。
2020年初頭から始まったマンガの投稿はあれよあれよと社会現象化したが、最後は着地に失敗して予想外のバッシングを招いてしまった。
この時も「ワニは著者のきくちゆうき氏が電通と組んで仕掛けたマーケティングの産物で、最初からヒットは約束されていた」などの陰謀論じみた説がまことしやかに語られたのを覚えている。
池江選手、きくち氏の件は、批判者が自分にとって都合のよい情報を組み合わせて作った陰謀論でしかないが、ひとたび構築された「真実」を崩すのは難しい。本人や周囲の人がいくら否定しても無意味だ。
結局、批判者にあるのは行きどころのない感情で、それを受け止められるのは世界と直につながる「大いなる何か」しかないのだろう。悪の組織は批判すべき対象を求める人たちによって作られ、「真実」の証とされるのだ。
フリーメーソン、三百人委員会、ディープステート……電通は世界を裏で操る邪悪な組織のあらたなメンバーとして加わった。
これが「真実」。
信じるかどうかはあなた次第だ。