RTAinJapanWinter2022でスーパーマリオ3Dワールド+フューリーワールドの解説をした感想等


1 はじめに

 初めまして。SCRB《スカラベ》と申します。標題のとおり、2022年12月28日に RTAinJapanWinter2022(以下、RiJ)において、スーパーマリオ3Dワールド+フューリーワールド(以下、3DW)の解説を担当しました。
 本来こういうものを残すタイプではないのですが、折角なのでその感想等々を書いていこうかなと思います。結構長いんで注意してください。

 最初に断っておきますが、他の方が見て参考になる要素等は皆無です。本当にただの自分語りです。
 また、走者であるしょうゆパフェさんにも記事の内容は確認していただいております。


2 RiJ参加に至るまでのアレコレ

 ぶっちゃけここがメインコンテンツみたいなところがあります。色んな葛藤というか、なんというか…がありました。


① 3DWのRTAについて

 アーカイブ内でも触れておりますが、走者(特に日本人)が少ないです。相対的に見ればそこそこ人数はいるのですが、マリオシリーズ、それも3Dマリオということを考えると信じられないほど少ないです。

 コースクリア型と箱庭探索型という違いはありますが、比較的発売が近いマリオオデッセイと比較してみると、SRC(RTAの記録集積サイト)におけるAny%のリーダーボードに記載されている人数が、オデッセイが約3,500人に対し、3DWは約200人です。(2023年1月上旬時点)


② 限界集落

 私はswitch版が発売するちょっと前に、WiiU版のRTAを始めました。リメイク版の発売が控えているということで、私以外にも何人か3DWのRTAを走っていたのですが、その時点で3DWを主戦場としている(しようとしている)日本人アクティブ走者は、私が把握している限りは私以外いなかったと思います。

 しょうゆパフェさんと知り合ったのもちょうどこのくらいの時期だったと思います。配信に遊びに来てくれて「まあまあ頑張ってるじゃん(意訳)」みたいなコメントをされたような記憶があります。
 こんなこと言ってますが、この時点ではしょうゆパフェさんはRTA走者ではありませんでした。いわゆるTA勢(1ステージあたりのクリアタイムを競ってる人達)というやつですね。

 そしていよいよswitch版の発売日!きっと走者もたくさん増えるだろうとワクワクしていました。

 全員フューリーワールドに行きました。

いや、フューリーも面白いんですけどね

 こうして限界集落が誕生したってハナシ


③ RiJを意識するまで

 意識するまでとありますが、そもそも私はRiJがきっかけでRTAを始めた身です。いつか出られたらいいな、くらいの考えはありました。

 しばらくの間、しょうゆパフェさんのアドバイスを貰いながら練習配信をするSCRBという状況が続いたわけですが、ある時しょうゆパフェさんがRTAを始めました。曰く、きっかけはSCRBの配信とのことです。ワシが育てた。

 アドバイスコメントの的確さ等から上手いんだろうなとは思っていましたが、いきなり当時の世界最上位クラスの記録を叩き出したわけです。

 この辺りから、自分がRiJに出たい!という思いよりも、この人がRiJに出ているところを見たい!そして色々な人に3DWのRTAの面白さを知ってほしい!という思いの方が強くなってきたように思います。ここでボンヤリと走者しょうゆパフェさん、解説SCRBというイメージを描き始めました。

 じゃあ解説できるようにならないとな、それなりに走者としての実力もつけないとな、ということで日本2位はキープしようと必死でした。まあ必死になるまでもなくライバルがいなかったわけですが。


④ 問題

 と、ここで問題というか大きなハードルが発生しまして、しょうゆパフェさんがイベント参加にあまり乗り気ではない、ということでした。
 実際、ゲームは自分でやるより見てる方が好き、とも仰っていましたし、マリオゲームのイベント(失礼な言い方かもしれませんが割と身内向けのもの)以外には参加していなかったと思います。

 ただ、招待制のイベントには参加されていましたので、厳密には興味なくはないけど、自分から積極的に参加していこうという気持ちはあまり無い、というスタンスでしょうか。

 ということもあって、何回か「応募してみない?」と打診してはみたものの、あまり前向きなお返事はいただけなかったという状況でした。


⑤ 方針転換

 当然ながら本人の意向が最優先だと思いますので、じゃあ自分で出ようというシフトチェンジをし、少しでもしょうゆパフェさんに近づけるよう記録を詰める努力をしました。

 色々な意見があると思いますが、私はRiJという日本最大のRTAイベントに応募するからにはそれ相応の実力が無いと話にならないと考えておりました。これは他の人がどうこうということではなく、走者としての矜持のようなものです。
 3DWのRTAは、通常プレイで考えられないようなチャートづくりはほぼありません。実力が足りてないと、通常プレイの延長のように見えてしまうことや、マリオシリーズのRTAはいわゆる「ガチ枠」のように捉えられているような気もしており、中途半端な状態で応募はできないなと、結構悩みどころでもありました。

 ということで私が設定したRiJに応募しても良いかなと思えるラインは以下のとおりです。

  1. ある程度ミスっても95分を安定して切れ、出来れば90~92分くらいのタイムが出せる。

  2. クッパジャンプ(ラストステージの高難易度テクニック)が通しプレイの中で比較的安定して決められる。

 具体的なタイムを出されてもピンと来ない方も多いかもしれませんが、世界1桁ランカーの記録と同じくらいのタイムですね。正直これでもしょうゆパフェさんの足元にも及んでいないのですが。

 この条件をクリアできたのが2022年の夏くらいです。「これでようやく人前に出してもいいクオリティになってきたぞ。冬には応募できるかな?」と思ってたところ、

してくれ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 ということで、冬のRiJに応募していただき、採用されました。一発で受かるなんて、それもそれで凄いですけどね。(実は私も別カテで応募していたのですがあっさり落選しました。)


3 RiJの準備

 実は上述のしょうゆパフェさんが参加したという招待制イベントは、走者しょうゆパフェさん・解説SCRBという体制で臨んでおりました。よって応募の際も、2人の都合がつく日程で応募しました。それでまあ当然のように解説依頼が来たというわけです。

SCRBの配信において

し「実はお願いがあるんだけど。」
S「何でしょう。皆目見当もつきませんが、年末の予定は空いています。
というか空けます。」
し「RiJに受かったから解説をお願いしたいんだな。」
S「わかりました。実はもうほとんど台本出来てます。」

 こんな茶番じみた解説依頼だったと記憶してます。

 実際私は、他の方が3DWで他のイベントに参加した時の解説や、海外イベントのJapanese Restreamにおいても3DWの解説を経験していたため、解説用の台本は9割方既に完成している状態でした。あとは細かい部分を修正していくだけになります。


① 台本作成にあたっての方向性

 この辺についてはしょうゆパフェさんと意見は一致しておりまして、

 RiJは普段からRTAを見ていない層、例えばアーカイブだけしか見ない、なんなら3DWを知らない人達もたくさん見ている。だから細々とした解説より、そういった人たちにも楽しんでもらえ、3DWというゲームの魅力を伝えられるようなパフォーマンスをしよう。

 ということでした。よって、普段からRTAを見ている人からしたら少し物足りない情報量であったとは思います。ガチ解説はゲームそのもの、もしくはそのゲームのRTAがかなり認知されていないと、逆に訳が分からなくなるかも、という考えもあった(私はこのゲームはマイナー作品だと思っていた)ので、結果としてこの方向に舵を切って正解だったと思います。結構楽しんでいただけているようでした。
 エゴサっぽいこともしましたが、「このゲーム知らなかったけど面白かった」等の意見もあり、嬉しい限りです。


② 本番を想定した練習

 3回通しの練習をしました。喋るタイミングや、細々とした台本修正を加えるだけでしたので、そんなに大変じゃありませんでした。割とあっさり終わったと思います。変なミスしてケラケラ笑ったり、かなり緩い感じでした。また、この時点で「ミスった時はフォローせずにイジるよ」という方向性は決まっていました。
 ぶっちゃけしょうゆパフェさんのプレイングについては何も心配していませんでしたし、問題は本番時の私の喋りだな、としか思っていませんでした。


4 本番

① 前日の出来事

 もう後はやるだけ、という状況まで持っていけたので、3DWの前日に披露された「進め!キノピオ隊長」を現地に観覧しに行きました。走者のSLDCさんとは知り合いでしたし、3DWとは切っても切れない関係の作品なので、何か参考にできる点があればなあ、と考えていたところです。

 めっちゃ面白い件について

 正直、頭抱えました。
 関連作品ですし、説明の中でも3DWについて触れているので、比較されることは間違いありません。この時点で緊張がMAXまで行きました。

 特に頭を抱えたのは「バーボン!」です。これがかなりウケていました。3DWでもこの発言はありますが、その時点ではバーボンについて台本で何一つ触れておりませんでした。これは参った…ということで急遽「バーボン!」の練習を家で行いました。
 結果についてはアーカイブをご覧ください。


② 当日

 緊張しすぎて食事が喉を通りませんでした。本番直前はのど飴を一袋空け、トイレに10回くらい行き、ずっと落ち着かない状態でしたが、しょうゆパフェさんは普段どおりでした。メンタルおばけですね。

 とは言え始まってみたら始まってみたで、割としっかりやれたような気がします。「ダサいですね」はとっさに出た言葉で、ちょっと言い過ぎかな?とも思いましたが、会場の拍手や笑い声にかなり助けられました。
 本当にありがとうございました。

               (余談)
 本番終了後、改めてしょうゆパフェさんにお疲れ様でした、と連絡したところ、「SCRBさんが横にいてくれると思ったから、RiJに応募する気持ちが固まった。(意訳)」といったお返事をいただき、不覚にも涙しました。

 それはまた、別のお話。


5 その他

① 反省点

  1. 姿勢が悪い(浅く腰掛けすぎ)

  2. もう少し声を張っても良い(音響とのバランスもあるので反省点とは違うかもしれない)


② 感謝

 最後に、解説として隣に座らせてくれた走者のしょうゆパフェさん、RiJ運営・ボランティアの皆様、会場で盛り上げてくれた皆様、配信でご覧いただいた皆様、アーカイブでご覧いただいた皆様に改めて御礼申し上げます。
 とても貴重な時間を過ごさせていただきました。
 本当にありがとうございました。


③ 走者・解説

走者 しょうゆパフェ
Twitter: https://twitter.com/sweetconeice
Twitch: https://www.twitch.tv/shoyuparfait

解説 SCRB
Twitter: https://twitter.com/scarab0209
Twitch: https://www.twitch.tv/scrb_0


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