北欧のテーブルセッティング DUKAとは
DUKAとはスウェーデン語でテーブルセッティングという意味があります。これが今回の文化イベントのタイトルになりました。スウェーデン大使館でのオープニングでは「DUKA、北欧流シンプルな食卓の楽しみ方」というセミナーを行いました。
北欧は今でこそ人気のあるテーブルウェアがたくさんありますが、今のようなシンプルで使いやすいデザインが出てきたのは1960年ごろのミッドセンチュリー以降です。19世紀以前はアールヌーボや英国風なものが主流であり、北欧らしさというものはありませんでした。北欧文化が発達してきたのは19世紀に入ってからですが、美しいテーブルウェアは貴族や裕福な人たちのためのもので、大人数用の豪華なセットが主流でした。
1930年ごろから「より美しい工芸品を庶民の日常生活へ」という活動が盛んになり、大量生産の美を追求するきっかけになりました。そのころから優秀なアーティストたちの活躍が始まります。
大きな転機になったのは、1955年にスウェーデンのヘルシンボリで開催されたH55です。この展示会でスウェーデンの陶器メーカーであるグスタヴスベリはスティグ・リンドベリの耐熱食器シリーズ「テルマ」とそれに合わせた 「スピーサリブ」を発表し、国際的に高い評価を受けました。
グスタヴスベリは、1969 年に2 つでも買えるお手頃な価格のテーブルウェアを発表しました。今ヴィンテージとして人気の高まっているシリーズが出回ったころで、一般の人々にとって手頃な価格であり、デザインも斬新であったため、大変な人気となりました。
このように、北欧のテーブルセッティングといってもかしこまったものは昔の話で、今ではシンプルなセッティングが主流です。よく見かけるのは食器を重ねるセッティング。色合いを統一すると調和が取れます。テーブルウェアのお店でのディスプレイも参考になります。
by Y