課題、そこから自由に①
演劇の世界にいると必ず「課題」ってものがある
個人レッスンなら「個人の課題」だけがあるに等しいけれど、演劇が集団芸術である限りは、課題は多岐に渡り煩雑に存在する。
研究所ではいくつかに分けて「課題」自体を考えることにしている。
先ず『発想の課題』
究極はこれが一番大事だと思っている
どんな風に考えることが可能かをなるべく多くの型から考える作業
つまり
自分はどんな風に生まれて育ったか?
自分はどんな風に暮らしているか?
多数派と少数派について
カルチャーショックや価値観の違い
こういったものを学び、認識し、まずは自分というものを捉えられているか
それによって「役」という他人をどんな風に感じることが可能か
発想というのは大きな課題の一つなのである
次に『技術の課題』
技術というのは10回やったら9回は出来ることをさす
技術というのは想像したことを実現できることをさす
この二つが技術の課題である
そのため
言われてることが出来ないうちは考えてることは出来ない
という結論にたどり着く
ここには客観的な見解が存在する
演技というのはあくまでも「他人から観た姿の集約」である
自分の中でいかに整合性が高くても正当な理由が存在しても
他人から観た時にどうであるかは別のものであることが多いのである
だからこそ、技術というのは客観性の集約である
ここまで二つを鑑みても
発想とは自己認識の集約と他者を理解することにあり
技術とは客観性の集約と正確性の体現であると言える
この二つの観点から、演劇には教育が必要不可欠であり
教育によって少なくとも発想と技術を養うことは可能であると考える
また、この二つをもって基礎と呼び、これに纏わる必要な訓練に
1.台本の解析
2.作者の理解
3.発音発声
4.重心移動
5.表現力
があり、これらは戯曲と演出家、そして共演者を通して学び、身に着くものである
レッスン並びにワークショップなどではこの5点に対して話し合い、アプローチし、多くの人の演技から学び、自分の演技を考える場としている
②へと続く
*不定期なので次回は一週間後あたりに
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