コロナ禍の海外出張 ~日本帰国編~
※本編は「コロナ禍の海外出張〜日本出国編〜」の続編です。
前編とCESレポートの通り、二名ともスムーズに米国に入国出来てCESの出展も無事終えられました。その後いくつか予定があり6日間強制隔離が必要となるカルフォルニア州(2022年1月13日時点)に立ち寄った後、帰路についたので本編は現地の国内移動 ~ 帰国までの手続き ~ 帰国後隔離までのプロセスについてまとめていく。
「隔離生活」も含む予定であったが、本編だけで思った以上にボリュームがあるため、全三編でまとめることにした。
【出張期間】※再掲
2022年 1月初旬
【出張行程】※再掲
羽田 ⇒ サンフランシスコ(トランジット) ⇒ ラスベガス
ラスベガス ⇒ サンフランシスコ
サンフランシスコ ⇒ ロサンゼルス(トランジット) ⇒ 羽田
【現地の国内移動】
僕らのアメリカ国内での足は2種類
① 州内ではレンタカー
② 州を跨ぐ時は空路
① レンタカー
便利というだけでなく接触を最小限にしたいという意図もあった
ホテルではValet Parkingといってホテルのスタッフが駐車を行うため、車を出した後はこまめにハンドル等の消毒を行った
山形は運転免許を持たないため全て飯野が運転することになる(笑)が、後述する空路での恐怖感を踏まえるとなるべく非接触で移動可能なレンタカーという選択肢は正しかったと思う
② 空路
州を跨ぐ手段として利用しない訳にもいかずユナイテッド航空を利用したが、どの便も満席で狭い空間に詰め込まれた(急遽搭乗の際に手荷物を預け荷物に強制的に変更される程にパンパンだった)
日本と同様に国内線は陰性証明不要であるため、アメリカの爆発的な感染者数を考えると流石に緊張する
とはいえ対策可能な選択肢も少ないのだが、多少予算がかかっても1列2席で前後も多少余裕のある上位シーティングを手配しエコノミーを避ける方が精神衛生上も良さそうに感じた
【帰国までの手続き】
外務省指定の帰国時PCR検査と陰性証明書
※恐らくこれが最も重要な手続き
陰性証明書をただ提出すれば良い訳ではなく、日本国政府が細かく指定する検査方法やフォーマットに従ったものである必要がある(https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page25_001994.html)
日本とアメリカでは主流となっている検査方法が異なり(日本は鼻拭い、アメリカは唾液が主流の模様)、多くの医療機関で日本が求めるフォーマットに対応できるものの、こちらから検査方法や陰性証明書の記載方法などを具体的且つ正確に伝えなければならない
このフォーマットを間違えると冗談ではなく帰国便に乗ることが出来ないようだ(実際に帰国便の搭乗口で陰性証明書を見せたが日本政府が指定する方式でなかったため乗れなかったという話も聞いた)
最善策は「日本帰国のPCR検査対応に慣れている医療機関」を選択して事前に予約すること
ご参考までに、サンフランシスコから帰国する際に我々はMountain ViewにあるKobayashi Medical Clinic(http://www.kobayashi-naika.com/)で検査を行ったが、日本人の方が検査から証明書発行まで対応してくださり、検査結果も20分で受け取れて大変スムーズに検査が行えたので大変助った
証明書の電子データもその場でメールで送っていただけてとても親切で丁寧なクリニックでおすすめです
余談だが、我々の投資先は日本のスタートアップをCESに連れていく某プログラムで出展したのだが、帰国時のPCRについては事前に一切の案内がなく、多くのスタートアップが帰国直前に未手配でパニックという状況だった(その一方で、事務局側は旅行会社でしっかり手配済)
厚労省の質問票
詳細は厚労省のウェブサイト内に掲載されているが、PCまたはスマートフォンから回答でき、完了すると最終画面でQRコードが出てくるのでこれを帰国時に見せられるよう保存しておく必要がある(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00251.html)
iPhoneの場合、「スマートフォンのホーム画面にサイトを保存せよ」と案内されたが二名ともどうやっても出来なかったため諦めてPC等で行い、QRコードはスクリーンショットやPC画面の写真撮影で保存
厚労省の誓約書
ざっくり言うと「出発72時間前に取得した帰国時の陰性提示に嘘がないこと」、「ワクチン接種証明の提示などに嘘がないこと」、「滞在国と隔離の申請に嘘がないこと」、「指定された期間の帰国後の移動や行動を遵守すること」といった内容の誓約書(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00249.html)
事前に印刷して準備をしていたが機内で配布されるので不要だと思われる
我々は「12月3日更新版」と記載があったので、恐らくバージョンも頻繁に変わるようなので注意
検疫所の検疫法第12条の規定に基づく質問
機内で配布される質問用紙で最終的に回収される
基本的には滞在していた国やエリアの確認が趣旨と思われる
日本で空港に着いた際に行うPCR検査の結果待ち番号や陰性結果の記載などがされる
帰国後の空港内で頻度高く提示を求められるのですぐ出せるよう常に準備をしておくと良い
「MySOS」アプリのインストール
COCOA推奨だが、「MySOS」はインストールが必須となっている
「隔離中待機場所の登録」・「健康状態の報告」・「隔離中の現在地確認」が目的のアプリだ
帰国後に現地スタッフと本アプリが自身のスマートフォンで機能するかの設定確認プロセスがあり、スムーズに手続き出来るよう搭乗口でインストールをすすめられる(トイレ中にアナウンスで呼び出され焦った)
使い方については隔離生活の中で解説予定だが、実際事前にインストールだけしておいた方が日本に到着後スムーズに手続きできる
【入国~隔離まで】
到着から隔離施設までの流れ
記憶を呼び覚ますと全体の大まかな流れとしてはこんな感じだった(誤差はご容赦ください)
4:50AM着陸
順路に沿って移動を開始(意外と国際線乗り継ぎの人たちと交わる動線で驚いた)
最初のスポットで必要資料が揃っているか確認(そして6日間隔離対象者ということで目印の緑札をつけさせられラベリングされる)
次のスポットで入国者健康センターからメールが届くかスタッフと確認
続いて、唾液によるPCR検査と検体提出(「検疫所の検疫法第12条の規定に基づく質問」の紙に待機室での呼び出し番号を貼られる)
その次は、「MySOS」アプリの確認(スマートフォンの設定画面を開くよう指示され、ひとつひとつ職員と設定を確認していく)
「検疫所宿泊施設 登録票」なる資料を渡され、待機室に移動(「検疫所宿泊施設 登録票」の項目を記入しながら呼び出し番号がアナウンスされるまで待機) ←到着からここまで約1時間
番号が呼ばれ、PCR検査の結果が告知され、隔離施設に移動するために一箇所に集められる ←待機室で呼ばれるまで約1時間
人数が揃ったら5人単位に分けられスタッフ誘導のもと移動(入国 ⇒ バゲッジクレーム ⇒ 税関 ⇒ バス)
8:00AM出発:「ホテルB行 ミステリーバスツアー」で隔離施設まで移送(行先は一切告げられない)
結果、日本到着からバス出発までの合計所要時間は約3時間
事前情報では「8時間かかる」と言われていたり、一足早く帰国していた投資先チームからも「5時間程度かかった」と情報が入っていたので、我々の3時間はかなり幸運だった(お蔭で午後1時からの仕事にも間に合った!)
確証は全くないものの、推察してみると
「早朝便で到着便が少ないこと」
「年末年始ラッシュ後の少し落ち着いたタイミングだったこと」
が要因だったのではないかと思う。
もしかしたらだが「早朝到着便」というのは攻略法かも?
入国~隔離までのTips
待機室以降は隔離施設の部屋に入るまでスタッフが張り付いているので全く個人行動が出来ないと思った方が良い
待機室までの順路、或いは待機室のどこかに自販機があるので、そこで飲み物や菓子類を調達しておいた方が良い(むしろ必須)
アマゾンやUberEatsなどデリバリーサービス利用の可否は施設によって異なるようで且つ施設に到着するまでわからない
また、デリバリーサービスが利用できても配達員が直接部屋に届けてくれるわけではなく、「隔離施設の事務所で預かる ⇒ 隔離施設のスタッフが運ぶ」というプロセスになっているので、施設によっては商品が昼間に届いても翌朝にしか部屋に運んでくれないという制約もあるようだ(我々のところは比較的融通がきいて助かった)
前述の通り隔離施設に着くまで行先が示されないため、デリバリーサービスの注文ができるのは施設到着後となる
翌朝にしか届けてくれないという施設の場合、当日配達に間に合わなければ「到着日にアマゾンを頼んでも、早くても二日後の午前中にしか配達されない」ことになってしまう
因みに、我々は一足先に帰国した投資先からこの事情を聞いていたので、ロサンゼルスの空港で飲み物や菓子類を結構買い込んでいた(大正解!)
税関を通った後はスタッフに連れられバスまで連行されるが、その間は自由行動出来ない
「両替したい」という要望が出たが却下されていた
「Wifiを返却したい」という要望はたまたま動線に返却ポストがあったため、ポストに投函するだけであればOKと許可が出た
このように状況に応じての対応となりそうで基本的にはNGの方が多いとは思うものの、一応ダメ元でも聞いてみる価値はありそうだ
【まとめ】
現地での国内線はケチらずグレードの高いシーティングを選択する
現地を出国時のPCR検査は日本の事情がわかっているクリニックを事前に調べ、帰国スケジュールから逆算し予約を入れておこう(※必須)
帰国後少しでも短時間で手続きが済むよう必要書類やMySOSアプリは事前に準備しよう
出発空港の出国後ゲート付近の店舗、または到着空港の待機室までにある自販機で、隔離直後の飲み物や軽食は十分に確保しておこう
いかがでしたでしょうか。
我々は日本に到着してから比較的短時間で空港を出られましたが、それでも多くの手続きと長時間の待機で、隔離施設に着いた頃には疲労困憊でした。
現在、隔離生活2日目(到着は0日とのカウント)ですが事前の準備でかなり変わるという実感をしてますのでこれらの情報が少しでも役立てば幸いです。
隔離生活については最終編となる「コロナ禍の海外出張 ~6日隔離生活編~」でご報告したいと思います。
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