アサーティブに伝えるということ その7
伝えるということは、心を開くということ
私たちの毎日は、輝いている瞬間もあれば、ひっそりと陰に佇むときもあります。どちらも自分の一部であり、良い悪いではなく、それぞれに意味のあるもの。自分の光と陰を受け入れることこそが、心を開いて「伝える」ことの第一歩なのかもしれません。
誰かに本当の気持ちを伝えたいとき、どうしても言葉が出てこないことってありますよね。「こう思われたらどうしよう」「相手がどう感じるかな」と考えすぎて、自分の気持ちを心の中に閉じ込めてしまうこともあるでしょう。そうして伝えない選択をするたびに、少しずつ自分の心が窮屈になっていくように感じることはありませんか?
でも、「伝える」というのは、ただの情報のやりとりではなく、相手に心を開くこと。ときには、弱さもさらけ出す勇気が必要です。「失敗しちゃった」「うまくできなかった」と言うのは怖いかもしれませんが、自分の光も陰もそのまま見せることが、相手との信頼を築く一歩なのです。
たとえば、上司に「自分には少し難しいです」と言えないとき、心の中で「どうして自分はこんなに頼りないんだろう」と自己嫌悪してしまうこともありますよね。友人に悩みを打ち明けたいのに、「相手に迷惑かけるかも」と言えずに一人で抱え込んでしまう。
そんなとき、思い切って自分の本音を口にすると、意外なほどに受け入れてもらえることがあるものです。「あなただけじゃないよ」「わかるよ」と言ってもらえたとき、ホッとする気持ちや安心感が、心にふっと灯るのが感じられるかもしれません。
心を開いて本音を伝えると、不思議と相手も心を開いてくれます。完璧に見える人よりも、「できないこともあるんだ」と素直に話してくれる人にこそ、私たちは親しみを感じ、共感できるもの。そんな人には、私たちも安心して「実は私も…」と心をさらけ出せるのです。
私自身も、少しずつ心を開く練習をしています。初めは「こんなこと言ったらどう思われるだろう?」と不安でいっぱいでしたが、思い切って「これが今の自分なんだ」と伝えてみると、意外なほどに相手が受け止めてくれることを知りました。そして、その一歩が少しずつ自分の自信や安心感につながり、「また伝えてみよう」という気持ちが生まれています。
だから、伝えることの根底には、相手に自分の本当の姿を見せる「心のあり方」が必要だと感じます。心を閉ざしたままでは、どんなに言葉を重ねても、伝わるものは薄れてしまいます。心を開き、言葉だけでなく、そこにある感情や思いをまっすぐ伝えることで、相手も心を開き、共感と信頼が少しずつ育まれていくのです。
「伝える」という行為には、自分を受け入れる勇気が必要です。そして、それは少しずつで構いません。無理せず、焦らず、少しずつ自分の思いを言葉にしてみることが、豊かなコミュニケーションへの一歩につながっていくのだと思います。
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