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アサーティブに伝えるということ その2

伝えるということは、自問するということ

たとえば、普段はしっかりしている友人や同僚が、最近、どこか元気がなく、ミスや遅刻が増えてきている。そんな様子を見ると、「しっかりしてほしい」と言いたくなるかもしれません。

「最近、どうしたの?ちゃんとしてくれないと困るよ」

こんなふうに声をかけてしまったとしたら、こちらの伝えたい思いは相手に届くでしょうか?もしかすると、そこには「ちゃんとできていない」というメッセージが含まれてしまい、相手をさらに追い詰めることになるかもしれません。でも、もしその友人や同僚が、自分だけで抱えきれないような悩みを話せずにいたらどうでしょう?

私たちは、ときに自分の視点で「こうに違いない」と思い込み、それをあたかも事実のように伝えてしまうことがあります。しかし、それが実際の事実と異なれば、相手には正しく伝わらないかもしれません。

こうした「思い込み」は、次のように生まれていきます。

[客観的な事実]
以前は遅刻やミスがなかった彼が、最近では何度かそれを繰り返している。

[信念]
「社会人なら、自己管理をしっかりして責任を果たすべきだ」

[客観的事実]+[信念]=[主観的な認識]
「彼がミスや遅刻をするのは、自己管理が甘いからだ」

主観には良し悪しはありませんが、人それぞれ異なります。そして、その異なる「主観」を相手と事実として共有することは、実はとても難しいのです。

ある行動を見て「彼は○○だ」と感じたとき、その判断が本当に相手と共有できる事実かどうか、一度自分に問いかけてみましょう。

客観的な事実と、自分の感じ方を分けること。

これを意識するだけで、誤解や行き違いを減らすことができます。

相手の行動に対して違和感や不満が生じたときは、その感情から少し距離を置いて、「今、目の前で何が起きているのか?」と冷静に見つめ直してみてください。そして、「なぜ自分はこう感じるのか?」と問いかけてみましょう。

こうして、目の前の事実と自分の感情を分けて考えられるようになると、必要以上に感情的になることなく「相手には別の事情があるのかもしれない」という視点を持ちながら対応できるようになります。

事実の受け取り方は、人それぞれの思考のクセによっても変わります。

自分が他の人とは異なる思考パターンを持っていることを理解するだけで、少しだけ客観的な視点が生まれてきます。

だからこそ、自分の思考のクセを知り、自分に問いかけることがとても大切なのです。


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