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違いを尊重することで築く、真の信頼関係

「“ただ”は要りません!」

この言葉が私の胸に強く響いたのは、アサーティブ・コミュニケーションのトレーナー研修中でした。お互いに相手の良い点をフィードバックし合うエクササイズの最中、私は「〇〇が良かったと思います。ただ…」と無意識に言葉を続けてしまいました。その時、講師が「“ただ”は要りません!」と鋭く指摘したのです。

その瞬間、私ははっとしました。良い部分を褒めているつもりでも、つい「でも」「ただ」と言い添えて、批判や改善点を探してしまう。これは、私の思考パターンそのものでした。何かしら相手の欠点を見つけようとするこの姿勢が、相手とのコミュニケーションに無意識に影響を与えていたのです。

この気づきは、私にとって大きな教訓になりました。日常の会話やフィードバックの中で、「ただ」を使ってしまうことで、相手にどれだけ否定的な印象を与え、自分自身をも制限していたのか。それに気づいてからは、もっと素直に、相手の良さをそのまま受け入れられるように意識するようになりました。

この研修で学んだもう一つのことは、私が持つ視点や価値観が他の人たちと違うということです。私はつい批判的に見てしまうのに対し、他の参加者は相手の良い部分を心から認め、フィードバックをしていたのです。自分が常に持っている視点がすべてではないと気づいたことは、大きな発見でした。

アサーティブ・コミュニケーションの本質は、お互いに異なる価値観を尊重し合うことにあります。人はそれぞれ異なる背景や考え方を持っていますが、その違いを否定するのではなく、受け入れ、尊重すること。これが、豊かな人間関係を築くための土台になります。

例えば、相手の良いところをそのまま受け入れて褒めるだけで、相手の自信やモチベーションが大きく高まります。批判的な視点を少し脇に置いて、純粋に相手の良さを見つめることで、互いに深い信頼関係を築くことができます。この「違いを受け入れる力」が、アサーティブ・コミュニケーションの大切な要素です。

この学びは、私のストレングスファインダー®の実践にも大きな影響を与えました。ストレングスファインダー®を通して、自分自身の強みを理解し、それをどう活かすかを知ることは、自己成長に繋がります。ですが、その前提として、まず自分の思考パターンや価値観に気づき、他者との違いを認め合うことが重要です。その気づきがあって初めて、他者の強みを心から尊重し、協力し合うことができるのです。

その後、私は社内講師として600名以上の方々と向き合い、アサーティブ・コミュニケーションや自己理解を深めるための研修を行ってきました。異なる価値観を持つ参加者たちと一緒に学び合いながら、人との違いを尊重することがいかに人間関係を豊かにし、成長に繋がるかを実感しました。多くの参加者がこの気づきを得て、自分自身や他者との関係を新たな視点で見つめ直し、ポジティブな変化を経験しています。

いただいたサポートは、「学習欲」を満たすことに使い、「最上志向」でより良いアウトプットにつなげます!