よりよく生きる その9
日本コーチ協会・熊本支部で活動していたときは、基本的に月一で勉強会を開催していました。
そのときの経験が未だに活かされていると思います。
何というか、イベントを開催すること自体への心理的ハードルがほぼないのです。
コーチフォーラムにしても初回ほどの規模ではなかったものの、運営責任者として引き継いで何回か開催したこともあり、比較的大きなイベント運営も経験しました。
その当時から自分が大切にしていたのは、イベントに参加してくださる方たちの居心地の良さ。
そういう視点で細やかな配慮をしながらイベントを運営し、参加された方が喜んでくれる姿を見るのが自分の喜びでもありました。
支部長時代に、そうやってたくさんのイベント運営に携われたことが今のセミナー、ワークショップ運営にも確実に生きています。
ここでも、社外のコミュニティに属して活動していたことが自分にとっては本当に大きな良い影響を与えていたのだと実感できます。
何かしら閉塞感を感じている人がいたら、それまでと違う人たちと接して、活動の場を広げていくことを強くお勧めします。
一方で、自分の特質ゆえの葛藤もありました。
ストレングス・ファインダーの資質で言うと「責任感」上位の私は、何事も誠実にきちんとやることを大切にしています。
端的に言うと生真面目な性格です。
そういう私からすると、年間の活動を通して団体としての採算がきちんと成り立つということも“当たり前に”大事なことだと思っていました。
もっと言うと、採算の成り立たないイベントなんて意味がないとすら思っていました。
もちろん、これはこれで正しいのだけれど、その気持ちがあまりにも強く出てしまっていたように思います。
元々発想が豊かな方ではなく、面白いことをやるというよりも、為になることをやる、その方が参加者も確実に確保出来る、というような思考だったように思います。
他のメンバーはそれぞれに別の価値感を持っています。
私ほど、“きちんとやる”ことにこだわらない人も当然います。
再びストレングス・ファインダーの資質で言うと「調和性」を上位に持つ私は、独断で物事を進めることをしません。
言い換えると、他の人の意見も尊重し、全体として合意をとりながら進めるということを大切にしています。
それゆえに、メンバーから自分と異なる意見が出てきたときに、特に自分の意見と折り合わないものが出てきたときに、自分の内側で大きな葛藤を抱えてしまうのです。
自分の意見は、ある意味「こうあるべき」というべき論になっていることが多いです。
それでも、一方で他者の意見も尊重すべきだし、対立することなく合意を得たいという思いも強く持っていました。
結局何が起こっていたかと言えば、自分の意見を押しつけたいくせに押しつけてはいけないという相反する思考が同時に自分の中に存在すること常に常に大きな葛藤を抱えていたのです。
自分の本音の部分としては、自分の“正しい”意見にそのまま皆が同調してくれることを求めていたということになるのですが、当然そんなの叶わないし、その当時の自分はそうやって冷静に自分を客観視することも出来ていませんでした。
その結果、段々と活動そのものが楽しくなくなってきて、イベントの打ち合わせをするたびに苦しくなっていきました。
総じて言えば、もっと緩く、楽しくやりたいという他のメンバーとのすれ違いを感じるようになっていきました。
今では何となくわかるんですけどね。
ワクワク感を大切にしながら楽しくやるということと、物事に誠実に向き合い着実に成果を出すということは両立しうるものだと。
いや、むしろ自分たちがワクワクしながら楽しくやっていくことを第一に考えるからこそ、活動の良いサイクルが回るのだということを。
残念ながらそこに気づけなかった私は、最終的に支部の活動から離れる決断をしました。