よりよく生きる その8
大々的に開催されたコーチフォーラムは、日本コーチ協会・熊本支部の設立イベントでもありました。
そこから私も支部の活動をメンバーとしてお手伝いすることになりました。
途中から支部長を拝命し、6~7年ほどコーチングの普及活動に携わったのも、今コーチとして活動していることに直接つながっています。
ある意味会社を“辞められた”のも、こうして会社の外にコミュニティを持っていたのが大きかったのだと思っています。
端的に言えば、外の世界を知っているのといないのとでは全然違うのだと。
特に、コーチングのコミュニティは、多様性を受け入れる文化が当たり前に存在しているのが大きかったように思います。
その人がどういうことをやっていて、どういう人であろうが、それをそのまま受け入れる土壌があります。
自己否定の強い自分だったからこそ、居心地がよく感じていたんだろうと思います。
人って、自分をどう見ているか、自分をどういう存在だと認識しているかが他者にも投影されるものです。
だから、自己否定の強い人は、その裏返しで他者をも否定しがちです。
そりゃあ、生きづらいはずだよなと思います。
でも、その当時は、自分で自分を否定しているということ、いや、より正確に言えば自分のありのままを受け入れられていないことが生きづらさの原因だということにすら気づいていませんでした。
コーチングのコミュニティに所属し、コーチングを学んでいく過程で、そのままの自分という存在を周囲の人に受け入れてもらったことで、「こんな自分でもいいんだなぁ」とちょっとだけ自分のことを受け入れられるようになりました。
自分では当たり前に出来ることを当たり前にやるだけで、承認してもらうことで、よりポジティブに自分を受け入れられるようになりました。
アイディアマンではないので、企画を考えるのは苦手だけれど、企画を実行するためのアレンジは得意でした。
エンジニアとしてIT系に強いことを活かしてHPの構築もやりました。
そういう自分が得意なことを活かして貢献して承認、感謝されるというのは、正直会社というコミュニティではなかなか得られないことでした。
その意味で、コーチングのコミュニティにいる自分は、より自分らしく、ありのままでいられたように思います。
流れに乗っかる形で意図せずして関わることになったコミュニティではありましたが、その意味で自分の人生には大きな大きな影響があったと思います。
とは言え、長年きつく握りしめてきた「こうあるべき」との思考は、そうそう簡単に手放せるものではなかったし、より良い方向を見出したからこそ、理想と現実のギャップに気づいてしまい、苦しんでいた時期でもあったように思います。