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よりよく生きる その3

今はコーチとして独立し、コーチを職業としている私が最初にコーチングと出会ったのは、課長職に昇格して最初の研修でした。

ところが、最初のコーチングとの出会いは、残念ながらあまり心に響くものではありませんでした。

私が務めていた会社は、かなり福利厚生がしっかりとしていて、自前の研修所を兼ねた宿泊施設を持っていました。

コーチング研修は、その宿泊施設を使って丸々二日間で行われました。

それだけがっつり学んだにも関わらず自分に響かなかった理由が何かと言えば、私が受け取ったメッセージがこうだったからです。

指示命令型のマネジメントを、コーチング型マネジメントに変えなければならない。

これは、明らかに間違ったメッセージです。

正しくは、指示命令型のマネジメントとコーチング型のマネジメントを場面、相手、タイミング等により適切に使い分けることが大事なのです。

講師の方がどんなメッセージを発しようとしていたのかはわかりませんが、その当時の私は前述のように受け取ってしまったのです。

その結果、今の自分を全否定されたかのように感じてしまっていました。

コーチング型のマネジメントが大事なのはわかる。

だけど、今のやり方を全否定され、たかだか二日間学んだだけのコーチングをどう実践していけば良いのか?

コーチング研修が終わって数日間そんな感じで悶々とした日々を過ごし、いつの間にか自分の頭の中からコーチングの文字は消えていきました。

今となっては、講師の方が伝えようとしたメッセージがどういうものだったのかは知る由もありません。

でも、こういう誤ったメッセージを受け取ってしまった原因は、その当時の自分のあり方にもあったと思います。

とにかく自分なりの正しさに凝り固まっていて、自分がやっていることを否定されることに極端に反応してしまっていました。

全否定されるわけがないのに、勝手にそう受け取っていたのです。

結局そういうのは、自分で自分を受け入れていない、すなわち自分が一番自分のことを否定しているから起こること。

そんなことに気づけるようになるのも、まだまだ、まだまだ先のことでした。


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ちしき
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