見出し画像

「短期的に悲観的かつ長期的に楽観的である」こと。

「経営者にとって一番大事なこと、意識することってなんですか?」

長年、経営者に見られず苦笑いし続けてきた童顔なボクも、さすがに40代にもなると、こんな質問をたまにしてもらうことがあります。

ボクはそんなとき、
「短期的に悲観的かつ長期的に楽観的であること。」
と答えています。

経営に関わっていくうえで、この心構えはかなり大事だと思っています。目の前の問題や課題や不安を具体的に冷静に解決していく短期的な視点、少し悲観的とも言えるくらいにリスクを捕まえながら向き合う姿勢です。そして、その課題や問題の解決を丁寧に打ち返し続ける自信からつながる、遠い未来に対しての底抜けに明るく長期的な視点を持つこと。経営者をやっていくうえで、この2つを兼ね備えている必要があると思っています。

ボクは経営の具体的で細かい長期的な計画を立てません。5ヶ年計画とか10ヶ年計画とか、とても大事なことだとは思うんだけれど、ボクにはそういう長いスパンでの具体的な計画にはあんまり重要性を感じていません。「こうなりたい!」とか「ここを目指したい!」というような、ざっくりとしたビジョンはあるんだけれど、そのビジョンを見据えながら、とても近い行動に向き合い続ける、来た球を打ち返し続ける、そんな感じです。

じゃあ短期的な視点でやることってなにかっていうと、ほんとうに自分の手元にあること、例えば社員がすごく個人的な事情で勤務に支障をきたしているようなトラブルを会社の事情と仕組みに照らし合わせてどう寄り添おうかとか、いま目の前で悩んでいるお客さんのビジネス上の課題をどうやったら技術でデザインで(おいかぜの場合)解決できるかとか、そういうことにフォーカスすることです。あくまで遠い将来にこうなりたいっていうようなビジョンをどこか行動や態度に携えて。

ボクの周りの、ボクがすごいなぁ尊敬できるなぁという経営者は、このタイプの人がほとんどです。「短期的に悲観的かつ長期的に楽観的であること。」を経営者個人で実現している人もいるし、法人組織として役割をつくって実現している人もいる。

ボクは幼いころから目の前のことに悲観的で、将来にも悲観する癖があったんだけど、いつのころからか「短期的に悲観的かつ長期的に楽観的であること。」が自然と身についていました。おそらく経営者になって「先々のことをくよくよ考えても仕方ないから、いまできることをちゃんとやろう」って考え続けて、身体に染みついてしまったのだろうと思います。

でもこの考え方って経営者じゃなくても、人間が生きていくうえで、とても大事な考え方なんじゃないかと、最近思うようになってきました。目の前のことをただ楽しむな!みたいな、自粛論を展開したいわけではなくって「短期的に悲観的かつ長期的に楽観的」にやっていくことが、一番生きやすい。そんな気がしています。

そう。

いま目の前で起きているこの状況、この困難に対して「短期的に悲観的かつ長期的に楽観的」に乗り越えていければと思っている、今日この頃です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?