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手放すことに抵抗を感じる!?『保有効果』
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一度所有したモノや環境に(高い)価値を感じて、それを手放すことに抵抗を感じるようになる『保有効果』。発生する要因やマーケティングシーンでの活用例などについて解説しています。
■『保有効果』とは?
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『保有効果』とは、一度所有したモノや環境に愛着や(高い)価値を感じて、それを手放すことに抵抗を感じるようになる心理事象のことです。
『授かり効果』や『エンダウメント効果』とも呼ばれています。
この『保有効果』は、「手に入れたモノよりも失うモノの方を重視する」という『プロスペクト理論』の一つとされています。
◆保有効果の由来
この『保有効果』は、1970年代初めに、当時ロチェスター大学の大学院生であった経済学者のリチャード・H・セイラー氏によって提唱されました。
◆保有効果を実証した実験
行動経済学者のダニエル・カーネマン氏による実験が有名です。
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実験の参加者である大学生を2つのグループに分け、片方のグループの大学生たちにだけに6ドル相当のマグカップをプレゼントしました。
マグカップをプレゼントされなかったグループの大学生には、同じカップを見せて「いくらなら買うか?」、プレゼントされた学生には「自身がプレゼントされたカップをいくらなら手放すか?」と質問しました。
その結果、マグカップをプレゼントされなかったグループは2.87ドル、プレゼントされたグループは7.12ドルと、2倍以上の差が生じる結果となりました。
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この理由について、マグカップをプレゼントされた大学生たちは、一旦自分のモノになったことで、そのマグカップの「価値が高まった」ように感じたため、手放すのに抵抗を示したと推測されました。
一方、マグカップをプレゼントされなかったグループは「持っていない」という現在の状況を変えないよう「これぐらいの価格なら必要ない」と思い込むためにマグカップ自体の価値を低く見積もったと推測されました。
この実験結果によって、一度でも自分の所有物となったモノは、所有していない状態と比較すると感じる価値は2倍以上となり、手放すことに抵抗を感じるという心理効果が生じることが明らかになりました。
■なぜ発生するのか?
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所有していない場合と比較して、所有しているモノなどに対して価値がある・高いと感じることが要因とされていますが、以下のような心理効果が生じることで発生するとされています。
◆①ザイオンス効果
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保有効果が発生する要因として、「自身が長期間、所有しているモノに対して愛着を感じる」ことが考えられます。
この「長期間所有する」→日常的に何度も使っている(接している)モノに対して、愛着を感じ親近感を持つようになる心理事象は『ザイオンス効果』と呼ばれています。
◆②フォールス・コンセンサス効果
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自身の意見や考え、行動は常に多数派と同じで正常であり、他人も自身と同じ思考や行動をすると見なす『フォールス・コンセンサス効果』。
自分が長年愛用しているモノであれば、他人も所有していれば同じように愛用するはずだ、と考えることで、保有効果が生じて手放すことに抵抗を感じやすくなります。
◆③損失回避バイアス(損失回避の法則)
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人間は何かを失うことを極端に嫌う傾向があるため、利得と損失を比較すると、損失の方を重大に感じやすく、損失を回避しようと意思決定や行動をする心理傾向があります。
これを『損失回避バイアス(損失回避の法則)』と呼びます。
なお、『コンコルド効果』や『フレーミング効果』も、損失回避バイアスによって発生する心理事象とされています。
◆④現状維持バイアス
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何かを変化させることで、現状がより良くなる可能性があるとしても、損失の可能性を考慮して、現状を保持しようとする『現状維持バイアス』。
所有しているモノに価値を感じているため損失してしまうことを恐れる、つまり現状を維持し続けたいという心理事象が、特に保有効果が発生する要因と考えられます。
↓
この続きでは、『保有効果』のマーケティングでの活用例と
活用する際の3つの注意点などについて解説しています。
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株式会社SBSマーケティング コンテンツマーケターより。