「成功は自分のおかげ、失敗は周りのせい」!?『自己奉仕バイアス』
■『自己奉仕バイアス』とは?
『自己奉仕バイアス』とは、成功した場合の要因は自分に、逆に失敗した場合の要因は他人など外部にあると思い込む心理的傾向のことです。
「セルフ・サービング・バイアス」とも呼ばれています。
何かがうまくいった時には「自分のおかげ」と考え、失敗した時には「〇〇が悪い」というように他に責任を押し付ける・責任逃れするというもの。
つまり「成功は自分のおかげ、失敗は周りのせい」とするバイアス(※1)と言えます。
成功は自分の手柄にするのに失敗の責任は取らない人間の「自己保身」的な傾向をあらわしています。
この心理的傾向は、欧米では顕著に見られますが、アジアでは逆の傾向が見られるという報告もあります。
成功の要因を自分とするバイアスを「自己高揚バイアス」と呼び、失敗の要因を他人などにするバイアスを「自己保護バイアス」と呼ばれています。
『自己奉仕バイアス』に陥ってしまう例としてわかりやすいのが、学校のテスト結果です。
テストの点数が良かった時は「自分の努力のおかげ」「自分は頭が良い」と自分を褒め、点数が悪かった時は「先生の教え方が悪かったから」「勉強する時間が取れなかったから」と原因を先生や勉強時間を不足させた外部環境に責任を押し付けるというケース。
※1:バイアス(bias)=日本語だと「先入観」「偏り」「偏向」という意味です。人間はさまざまなことを記憶し知識にする・経験値を得ていくと、それが「先入観」になっていきます。
その先入観に影響を受けることで偏った見方をするようになり、物事をありのままに捉えることができなくなってしまいます。複数のバイアスがあり、それぞれが独立したものではなく互いに干渉し合っています。
■なぜ発生するのか?
『自己奉仕バイアス』が発生する背景には「自尊心(プライド)を保ちたい」「自身の気持ちをポジティブにしたい」「他人からの見られ方をコントロールしたい」という心理があるとされています。
こういった心理は人間にとって根源的であるため、『自己奉仕バイアス』から抜け出すことは容易ではありません。
また、自己奉仕バイアスは、直感や過去の経験に基づく先入観によって物事の判断が非合理的になる『認知バイアス』の一つです。
『認知バイアス』には、自身にとって都合の良い情報だけを無意識に集めてしまう『確証バイアス』(※2)もあり、特に『確証バイアス』は自己奉仕バイアスと関連性が高いバイアスです。
自己奉仕バイアスを正当化するために『確証バイアス』が働くことで客観的な判断ができなくなるというわけです。
■自己奉仕バイアスの発生例・陥りやすい状況
上述の「学校のテスト結果」以外にも、『自己奉仕バイアス』が発生しやすい・陥りやすいケースがあります。
◆自動車事故
自動車事故に遭った時、もしくは回避した時も、『自己奉仕バイアス』が起こり得ます。
◆営業・商談シーン
営業・商談が成功・失敗した際も、陥りやすい傾向が見られます。
◆上司と部下の関係性
会社組織内の上司と部下の関係にも、『自己奉仕バイアス』が起こりやすい例と言えます。
◆企業内の人事評価
人事評価は、評価が明確・曖昧、公平・不公平など、難しさのあるシーンと言えます。
そんな中で、「人事評価が低い場合」においては特に、評価する側(上司)とされる側(部下)の間で認識が一致しないケースが起こり得ます。
■メリットとデメリット
『自己奉仕バイアス』はデメリットしかないと思われがちですが、実はメリットも存在するバイアスです。
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