売り込むほど逆効果になってしまう!?『ブーメラン効果』
■『ブーメラン効果』とは?
『ブーメラン効果』とは、投げると元の場所に戻ってくるブーメランの軌道のように、行った行為や物事の結果が自身に返ってくる・逆効果となる心理事象のことです。
『説得の逆効果』とも呼ばれています。
例として、対象の意見や態度を変容させるために説得した際に、説得を受けた側の態度が硬化し身構え、警戒心を強めて反発するという、逆効果となるケースが挙げられます。
また、よく例えに挙げられるのが『北風と太陽』です。
北風と太陽が旅人の上着を脱がす勝負をする。北風が上着を脱がそうと風を強く吹けば吹くほど旅人は脱がされまいとしっかり押さえるが、太陽が暖かく照らすと旅人が自ら上着を脱ぎだすというイソップ寓話の一つ。
◆ブーメラン効果の由来
『ブーメラン効果』は、アメリカの心理学者であるカール・ホブランド氏、アーヴィング・ジャニス氏、ハロルド・ケリー氏らによって1953年に発表された『コミュニケーションと説得』という著作の中で提唱されました。
■ブーメラン効果が発生する要因
ブーメラン効果は、アメリカの心理学者であるジャック・ブレーム氏が1966年に提唱した『心理的リアクタンス』によって発生するとされています。
この『心理的リアクタンス』とは、「抵抗・反発」を意味する「リアクタンス」という言葉を心理学に適用した概念で「人は自由を制限(はく奪・侵害)された際に、それに抗い自由を回復させようとする心理が働く」性質のことを指します。
つまり、対象の意見や態度を変容させようとして説得などの過剰なアプローチをすることに対して、受け手が警戒心や不信感を抱き「思考や態度の自由を制限される」と捉え反発する心理事象と言えます。
■『心理的リアクタンス』を用いた心理効果はほかにも
この心理リアクタンスは、「自由を制限される」という点で、以下の心理事象にも当てはまります。
◆未完成な情報を提示されると続きが気になってしまう!?『ザイガニック効果』
「自由を制限される」=未完成な情報を提示されることで、印象に残りやすくなり、続きを知りたくなる『ザイガニック効果』。
◆購入の決断を後押しする『デッドライン効果』とは!?
「自由を制限される」=目標や締切、期限を設定されることで、やらなければならない・決めなければならないと思わせる心理事象である『デッドライン効果』。
◆購買意欲などを刺激でき、行動を誘導する効果が見込める!?『カリギュラ効果』
「自由を制限される」=禁止や制限をされることで、興味や関心が湧き、衝動に駆られやすくなる『カリギュラ効果』。
◆商品の希少性と高級感によって購買意欲が高まる!?『ヴェブレン効果』
「自由を制限される」=価格・希少性が高い・社会的に価値が認められている商品やサービスであることで、購買ニーズが高まる心理事象である『ヴェブレン効果』。
◆限定的・希少性が高いモノに価値を感じて購買意欲が働く『スノッブ効果』とは!?
「自由を制限される」=簡単に入手できない商品・サービスであることで限定性や希少性という価値を感じやすくなる『スノッブ効果』。
■ブーメラン効果とスリーパー効果との関係性
このブーメラン効果は、『スリーパー効果』を過剰に発揮させようとすると起こりやすい心理事象です。
『スリーパー効果』とは、信頼性の感じない情報源から得た情報であっても、時間の経過とともに情報源に対する信憑性や不信感が薄れ、情報に対する信頼性が高まり意見や態度が変容する心理事象のことです。
例えば、新規開拓や見込み客との商談時、まだ商談相手と信頼関係が築けていない場合、いくら商品やサービスの良さを伝えたとしても、嫌悪感を抱かれる可能性が高まってしまいます。
そんな状況でもセールストークを続けてしまうと『ブーメラン効果』が発揮し、警戒心を強めて心理的な反感を持たれ、反発を招いてしまうこともあるので注意が必要です。
■さまざまな分野で用いられるブーメラン効果(ブーメラン現象)
ブーメラン効果は、心理学だけでなく、さまざまな分野で用いられています。
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