庭師と医者の違い1
SBSK自然分娩推進協会では、ご希望の方にメルマガを配信しています。
今回は、メルマガ13号(2021.7.28)の配信内容です。
7月末下旬からオリンピックが始まりました。日本選手の活躍が気になりながら、それとは別に私は「企業型確定拠出年金」についての電子書籍をかきあげていましたので、メルマガ13号がおくれました。お詫び致します。あと自作の表紙作りが終わればAmazonにアップロードです。この本は退職年金の話で、お産とは無関係ですが、電子書籍の出版は「SBSK自然分娩推進協会」の事業の一つです。もし皆さんの中で自著を電子出版希望の方はご相談下さい。お手伝いさせて頂きます。
庭師と医者の違い1
医学の歴史は治療法の変遷の歴史です。新治療法が発見され普及し、その後治療効果より大きな副作用が判明すると、その治療法は否定されることになります。しかしよほどのことがなければ、その治療法の否定が公開されることはありません。それどころか医師の自由裁量によって、その治療は長く続けられることもあります。正しい情報を患者に知らなければ、インフォームド・コンセントも意味を持ちません。
今回は健康への向き合い方の違いについて、庭師を例に出して考えてみます。
庭師は庭の植物を育て、水分、養分、湿度、日照、気候、など必要なものが満たされているかどうかを確かめ、その植物が日々健康的であるよう見守ります。
植物の基本的な要求に従うこの見守りは植物の健康学と言ってもいいと思います。新たな健康要素が加わることはあっても、これまでの自然な状態の見守りが否定されることはありません。
対して医者は、病気の原因を突き止めることに腐心します。
そのためヒトの基本的要求は制限され、ときには障害を残しても原因除去に邁進します。この時問題が生じます。それは原因と結果を逆に捉えることが少なくないことです。
健康学から見ると病気の症状は、身体の自己防衛反応です。
発熱、下痢、咳・くしゃみ、多くの高血圧、これらは病気の原因ではなく、他の原因から健康を取り戻すための結果の反応です。発熱はウイルスを駆除するために、下痢は毒物を除去するために、咳やくしゃみも氣道から異物や喀痰を排出するための反応ですから、それらを薬で抑えても返って病気の快復は逆に遅れます。防衛反応を応援してやるのが健康学のスタンスです。
また高血圧も、本態性高血圧が原因で様々な病気をひきおこすと考えるのか、身体が血圧の上昇を必要としている結果だと考えるか、で対応は全く異なります。後者の場合単純に降圧剤を投与することは危険です。さらに治療薬はアドレナリンのレベルを下げて心身の活動レベルを抑制したり、中にはうつ、疲労感、眠気、勃起不全をきたす場合もあるからです。
人生の質を低下させる治療には、これを為すべき為さざるべきか、真摯な情報提供が必要で、これこそカンジャサマノケンリのため自己決定権が尊重されるべきです。
この庭師と医者の視点の違いを、助産婦と産科医に置きかえてみるとどうなるでしょうか。
次回のメルマガ14号に続きます。
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