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のぞみちゃんの冒険2

 わたしの名前は高橋のぞみ。十四歳の中学二年生です。
 秋分の日も近くなった日曜日、わたしは小さな山の上にある緑に囲まれた中学校へと向かっています。
 中学校の通学路は細いながらも舗装されていますが、わたしが歩いているのは裏道と呼ばれている雑木林の中の細道です。登下校でこの道を通るのは禁止されているのでいつもひとけがありません。
 白い半袖ブラウスに紺色の薄手のベストとプリーツスカート。夏用の制服を身に着けたわたしの足元を爽やかな風が吹き抜けていきます。風は脚を伝ってスカートの中まで入り込み、下着を着けていない下腹部を撫でていきました。
 
 拾った写真集に影響を受けて、学校の体育館で淫らな行為に耽ってしまったわたしは、それ以来すっかり露出の魅力に囚われてしまいました。
 わたしに大きな影響を与えた写真集のモデルは、わたしと同じ名前を持つ十四歳の少女でした。モデルの少女は胸がほとんど膨らんでおらず、下の毛も生えていない未熟な体つきはわたしの体つきによく似ていました。
(親や友達に裸を見られるのだって恥ずかしいのに、この子の裸はたくさんの人たちに見られているんだわ…)
 わたしと同じくらい幼い女の子がヌードのモデルをしているという事実は、わたしの心に大きな衝撃を与えました。
 裸体が芸術の題材として用いられるのは知っています。でも、拾った写真集はそのような目的で作られたようには思えませんでした。学校や屋外で撮られている写真は、どれも少女が秘密の一人遊びをしているように見えました。
 そして、写真集を見ながら自分を慰めるようになったわたしは、日曜日の早朝に中学校の体育館に忍び込み、写真集を真似て恥ずかしい一人遊びに耽ってしまったのでした。
 
 わたしは写真集の巻末に載っていた広告を見て、モデルの少女が十三歳のときに作られた写真集もあると知りました。その写真集をどうしても見たくなり、夏休みの間にあちこちの古本屋さんを巡ってその写真集を探しました。見つけた写真集はエッチな本が並んでいる棚に収められていました。買うのはとても勇気がいりましたが、お店の人からは何も言われませんでした。買った写真集に一通り目を通した後は、恥ずかしい思いをしてでも買って良かったと思いました。
 十三歳の写真集の中で興味を惹かれたのは、屋外で撮られた写真でした。
 制服のような衣装を身に纏った少女は、緑の中を通る道端でプリーツスカートを捲り上げていました。少女は下着を着けておらず、無毛の谷間をさらけ出していました。
 その姿だけでも十分にいやらしいのに、辺りをうかがっているような少女の仕草が淫らさに拍車をかけていました。
 露出性癖を持った少女が下着を着けずに出かけていき、ひとけの無い道でこっそりと恥ずかしい部分を晒して楽しんでいる。
 そんなイメージがわたしの頭の中に浮かび上がると、写真集の少女と同じ姿になってみたいという欲望が沸き起こりました。
 そうしてわたしはこの裏道を訪れているのです。
 はたから見たらごく普通の女子中学生に見えるのでしょうが、わたしは下着を着けていません。それだけでもわたしの胸は激しく高鳴って、お腹の奥底から熱い物が込み上げてきます。
 未舗装の裏道を進んでいくと、やがて学校の裏門が見えてきました。わたしはその場で足を止めると、道端を背にして左右をうかがいました。
 思っていた通り辺りに人のけはいはありません。聞こえて来るのは風で揺れる葉擦れの音だけです。
 何度も頭を左右に振り向けながら、わたしはスカートの中程をつまんでゆっくりとたくし上げていきました。
 写真集の少女の姿が頭に浮かび上がります。でも、浮かんでいるイメージはわたし自身の姿です。あのいやらしい写真と同じポーズをしていると思うだけで息が激しく乱れてきました。
「た、高橋のぞみは… ノーパンで出歩いて興奮する変態です… 本当にはいていないんです、見てください…」
 むき出しになった肌を撫でていくヒンヤリとした風が、下半身が露わになっているのを自覚させます。でも、スカートを持ち上げただけだと、自分からは恥ずかしい部分は見えません。
 震えているわたしの手は、無意識のうちにホックを外してスカートを足元に落としていました。頭を下に向けると、今度は生まれたままの下半身が見えました。
「ああ… わたし… お外で… お外で恥ずかしいところを丸出しにしちゃっている…」
 前から見られても、後ろから見られても恥ずかしい姿になっているというのに、もっと恥ずかしい姿になりたい、ここで生まれたままの姿になりたい。そんな思いが頭の中に渦巻き始めました
 客観的に見るのなら、スカートを捲り上げて下着を着けていない下半身を晒している姿の方がいやらしいと思うのですが、こうして自分で露出をしているときは、一枚でも多く着ている服を脱ぎたくなってしまうのです。
 スカートを脱いでしまっているのだから、股間もお尻も晒してしまっているのだから、もう上を脱いだって変わらない。そんな思いに囚われて、わたしはベストも脱ぎ捨てました。
 不意にだれかが通りすがる危険性があるとわかっていても、脱ぎ始めてしまうと途中では止められないのです。わたしは焦るような手つきでブラウスのボタンを外していきました。
 体育館の中で裸になったときも不安で胸が押し潰されそうでしたが、青空の下で裸になる不安と怖さは比べものになりません。
 わたしの手足が震えています。震えた口の中で歯がぶつかって音を立てています。それなのに、わたしは服を着直しもせず、履物以外は何も身に着けていない姿で中学校の校門に向けて足を踏み出しました。
 これは罰なんだわ。わたしは体育館の中で裸になっているのを知られてしまい、服を着ずに登校しなければいけない罰を与えられたんだわ。
 頭の中にそんなストーリーが浮かびました。裸なのに、外に出るための靴を履いているのが、外で裸になっているのをより実感させます。
 気付けばわたしは屋外露出の悦びを心の底から感じていました。このスリルも、この興奮も、この快感も。全てが何物にも代えがたいと思いました。
 中学校の裏門の前を通る道まであと数歩の所で、わたしは脚を止めました。そこで一度後ろを振り返ってから、わたしは深呼吸を一つつきました。
「高橋のぞみ、中学二年生です。わたしは露出狂の変態女子中学生です… こうして、素っ裸でお外を歩いて興奮しているいやらしい女の子です… これから、ここでオナニーをします… お外で、素っ裸になってオナニーをしたかったんです…」
 淫らな言葉を口にしたわたしは、言葉の通りオナニーをしながら歩き始めました。いくまでは足を止めていけないと自分に言いきかせながら、中学校の裏門へと向かっていきました。

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