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拝啓 ポケモンカードゲームとゲームに関わる皆さま

 こんにちは。30代女性ポケカプレーヤーです。お礼を伝えたくてnoteをしたためています。

 私事で恐縮ですが、新卒から働いていた会社を半年ほど休職していました。仕事をするという行為はとても好きです。しかし、ありがたいことではあるのですが本人の希望とは裏腹に、職位がどんどん上がっていき、その度に「働く女性のロールモデル」や「あるべきリーダー像」を求められることが増え、気がつけば、仕事は「好きなことを実現する手段」から「他人からの期待に応えなければならぬもの」にすり替わっていました。さらに自分で自分に「良い上司・良いリーダー・・・」とあるべき像を課していった結果、体調を崩しドクターストップ。しばしの大人の夏休み期間に入りました。

 今でこそ休職期間を「大人の夏休み」と笑って言えますが、当時は「休む=会社での期待に応えられない=存在意義を認めてもらえない」と思っており、足元が崩れた感覚でした。そんな私の休養期間を支えてくれた人やものはたくさんありますが、そのうちの一つがポケモンカードゲームでした。

ポケモンカードゲームがくれたもの

人との出会い・居場所

 ポケモンカード自体は22年に始めていましたが、もっぱら家で家族とやるだけ。お休み中に地元にポケカジムのお店があることを知り、意を決して参加。結果はボロボロでしたがプレイすること自体が楽しくて、気がつけば今ではほぼ毎週行くようになりました。
 通うごとに参加される皆さんとの会話も増え、年齢や性別関係なく好きなものを通じてお話ししたり、シティリーグ前には相談に乗ってもらったり、お互いの健闘を讃えあったり…などなど大切な友人を作ることができたと思っています。
 地元以外も女子限定交流会でご一緒した方と他の大会でもお会いでき親交させていただいたり、SNS上でのつながりも広がりました。

 休職前は、肩書きを見て態度が変わったり揶揄する人を見て残念な気持ちになることもありました(今思えば自意識過剰だと思います)。
 ポケカではなんの肩書きもなくただの「そぼろ」でいられることがとても嬉しかったです。ポケカは傷つくのが怖くて新しい環境に飛び込まず閉じこもっていた私に、社会人になってからもこうして0から新しいコミュニティが作れるんだと気づかせてくれました。

等身大で素直である大切さ

 ポケモンカードでは肩書きも年齢も一切関係ありません。目の前のプレーヤーと真摯に向き合ってバトルするだけ。とってもシンプル。親子ほど年齢の離れた方たちの方が遥かに上手く、ボコボコにされることが当たり前です。これほどまでに「上手にできない」感覚は久しぶりでしたが、なぜだか嫌な気持ちではありませんでした。

 上手くなりたくて、負けることを受け止め、何が良くなかったか反省する。反省を元に一人回しをしてみたり、ジムバトルで初対面の人にフィードバックをもらったり…。
 素直に真摯にこちらが開示をしたり助けを求めれば、相手も真摯に向き合ってくれる。「背伸びして自分を良く見せようとせず、ありのままの状態で目の前のことに向き合うことが大切」という当たり前のことを改めて経験させてもらいました。

本来のフットワークの軽さを思い出させてくれた

 休職前や直後は新しいことをするのがとにかく億劫で、家の中に篭りっぱなしでしたが、ジムバトル参加をきっかけに「もっと強くなりたい・このカードを使ってみたい」と、カードを求め恐る恐るカードショップに足を踏み入れてみたり、面白そうな自主大会や交流会があれば参加してみたりと行動範囲が広がっていきました。
 大会以外にも、愛用しているデッキ管理アプリpnoteのテスターや取説を作らせていただく機会をいただきました。

 動いているうちに「あ、そうそう。私ってこんな感じだったわ」と幽体離脱していた自分が体に戻ってくるような感覚を覚え、そのうちにポケカ以外の用事を作って外に出たり人と会うようになりました。最初の1歩をくれたのは間違いないくポケカです。

好きなことに素直であれる幸せ

 ポケモンは銀・ソード・アルセウス・ヴァイオレットとプレイしていました。ポケカを始めた当時は「30代にもなって…」と若干後ろめたい気持ちがあり、趣味としてあまり周囲には言っていませんでした。
 しかし、自由に好きなものを愛でているプレーヤーやポケモン好きの皆さんの姿を見て「私は自分の中の【あるべき大人像】に縛られているだけだ」と気づけ、堂々と楽しむことができました。そこからはポケモンカードだけではない好きも広がりました。使っているデッキのポケモンに愛着が湧いてグッズを集めたり、好きだなと思う絵柄が同じイラストレーターさんだと気づいて情報を追いかけるようになったり…。追いかけきれないくらいのたくさんの楽しいに囲まれています。

 また、それぞれの楽しみ方が当たり前に許容されている文化が好きです。集めるのもよし、戦うのもよし、デッキのレアリティを上げるのもよし、デッキのタイプも人それぞれ。そこに優劣はなく「それぞれの楽しみ方でいいじゃん!」と尊重し合う環境が心地よいです。

 好きなものを好きと口にできること・お互いの好きを尊重できることはとても幸せだなぁと日々実感しています。

さいごに

 ここまで述べた4つは、これからの人生でも私を支えてくれる経験になると思います。そんな経験ができたのはポケモンカードゲームというシステム・作品が魅力的なのはもちろん、そこに関わる全ての人のおかげです。

 いつも遊んでくれるホームのような安心感の地元ジムの皆さん
 いろんなジムで対戦させていただく方々
 各種SNSで情報発信や交流してくださる方々
 ジムバトルや自主大会の企画を運営してくださる方々
 大会が気持ちよく行われるようサポートしていただくジャッジの方々

本当にありがとうございます。

 大人の夏休みは10月で終了。11月から復職ということで少しだけ自分の環境は変わりますが、これからもポケカを楽しみ、ポケカに教えてもらったことを大切にしたいと思います。職場に戻るのは緊張するけど、デッキとダメカンケースがカバンにあればいつでもポケカの世界に行けると思うと心強いです。

ポケカとみなさんにいただいたご恩を私も誰かにお返しできますように。

2024年10月末日 そぼろ

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