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コンテナプロジェクト「テクスチャーが空気をつくる」
コンテナプロジェクトの名前が発表されました!
「こんこん」って名前なんです。不思議な名前でしょう。そうでしょう。
ロゴの話や、この名前誕生の話も次の機会にプロセスを公開していこうと思います。
サイトもできましたよ〜内覧会も開始してるので興味ある方はぜひ。
さて、今日は「テクスチャー」についてお話しようと思います!
テクスチャーってなに?って人のために簡単に引用します。
テクスチャー(texture)とは、材料の表面の視覚的な色や明るさの均質さ、触覚的な比力の強弱を感じる凹凸といった部分的変化を、全体的にとらえた特徴、材質感覚、効果を指す。
引用:wikipedia
急にマニアックな話になったな!と思う方も多いかもしれません。
しかし、空間においてテクスチャーは非常に重要。例えば全面コンクリートの部屋ではソリッドな印象になり、全面木材の部屋では暖かく柔らかい印象になります。森にいくと落ち着くのはテクスチャを認識してるからかもしれないと勝手に思ってるくらい。
ロゴやサイン計画と同様に空間のマテリアルとなる素材の表情が、テクスチャです。面積でいくと実は中にいる人に与える影響って大きいものがあると僕は思っています。
そして、コンコンでは「中古コンテナ」と「長屋」がマテリアルとして存在します。どれも長い年月使われた傷物。しかし、僕らはそこに愛着を感じていると同時に、それこそがこの空間の空気を生み出すとすら考えています。
どんな空気を作っていきたいか、それはテクスチャーの選択とも言えるんじゃないかと思っています。
今日はコンコンのテクスチャーをいろいろご紹介。
中古コンテナに惚れ込んだ理由が伝われば幸いです。
例えば、コンテナにはこんなステッカーやメモ書きが残されています。
海を渡って色々な貨物を運んできたコンテナ。いろんな言語で傷跡が残っています。落書きとかではなく意味と機能があるもの。その足跡があります。
新品のコンテナにはもちろんこれはありません。コンテナとしての役目を終えて次は入居者たちの住処になる。この表情は全てのコンテナでバラバラ。
これは中国かな。バリバリいかしている。どの重さまで詰めて内容積はいくらかが記載されていた面影。
これは車のナンバーみたいなものですね。基本的に長体フォントが使われる傾向があります。波打った平面だからか。
もちろん海や陸を運ばれるので自然と痛んでいきます。しかしコンテナはとても頑丈。耐久性すごいなと驚かされます。このコンテナは何歳なんだろう。
全てのコンテナにはこういうナンバープレートが記載されています。
いろんな国を横断するのでそれぞれの国の重さでのスペックが記載されています。
過酷な環境を大移動してきたコンテナはいろんな傷があります。
それがまた良い。新品にはない風合いがそこにはあります。
数字三兄弟。数字の意味としては役目を終えましたがコンテナを彩る個性として生まれ変わります。
コンコンには長屋が三軒あります。1枚目はかつての生活の痕跡。この壁紙は美しいのでそのまま残しています。昔は新品の壁紙だったのだろうけど、おそらく今が一番美しい気がします。
2枚目は土壁が朽ちてるところです。ここもそのまま残します。
綺麗な状態を望む人も多いと思うのですが、かつてのことをなかったことにするよりは、そのままの状態を受け継ぐことの方が正しいと判断しました。
3枚目は階段の跡。昔の階段って恐ろしく急ですよね。
ストライプが可愛いので現状維持。
4枚目は朽ち果てたポスト。どのくらい前に使われていたのだろう。
POSTとギリギリ読めるくらい。こういうのも新しくするのは簡単だけど、この状態を作ることは2度とできない。
時間が生み出す痕跡は、とても美しくじっくり見ないと見落とすのだけれど、擦り傷やサビの表情がとても豊かです。遊びに来た人は探してみてね。
すごい前なのか、つい最近なのか書かこれたサイン。
なんの意味があるのかは読み解けない。これも消さずにそのまま残す。
長く愛されるために
結構初期から「中古コンテナがいい」とメンバー一同当たり前のようにいっていた。新品の選択肢もあったか記憶が曖昧だが、みんなで港に買い付けにいき子供のようにきゃっきゃした。誰も傷があるとか、そういうところをマイナスではなく「個性」と捉えていたように思う。
とても個人的な話だが、私が一人暮らしを始める時、祖父が古いラーメン丼をそっと渡してきた。なんと祖父が同じように一人暮らししたときに東京の下町でかったラーメン丼だとそこで教えてもらった。実家ではそれでいつもラーメンを食べていた。
祖父は一昨年他界し、私が今も大事に使っている。
息子が一人暮らしするときには、それを引き継ごうとしている。
なんら高級品でもない、ただのラーメン丼をだ。
ただ人はそういったバトンをとても大切にする。私と同じようにそんな大事なものが誰もにあるだろうと思う。このコンコンもそういう存在になって欲しいと思っている。
今、第1期のメンバーが続々と入居を決めている。
中には大きく育って旅立つ人たちもいるだろう。
一人暮らしの部屋を出るときの物悲しさを次の世代に引き継ぐ喜びに変えていけないかと思っている。中古のコンテナを眺めている時に、かつて何かを運んできたコンテナたちの物語を想像していた。ただの物流だけれど、おそらく私より多くの世界を見てきているのだなと思った。
どこの国の誰かもわからないところから、私たちに買い付けられた中古コンテナは海から遠い京都の土地に鎮座している。今度は入居する人たちの可能性を育む巣として、成長した未来まで運ぶコンテナとして頑張ってもらう。
そんな場所には、やはり新品のコンテナではなく、ベテランのコンテナがお似合いじゃないだろうか。そんなもの言わぬコンテナたちの魅力を今日はお伝えしました。
コンコンのコンテナには何匹かのワニがいます。
きたら一緒に探してみてね。なかなかいい表情をしています。
今日はちょっとマニアックなテクスチャーのお話でした。
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![松倉早星(Nue inc・Ku-ko inc代表)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/100323393/profile_08c75bbd3432b63772209161c7312c0b.jpg?width=600&crop=1:1,smart)