ドキドキ文芸部は、ホラーゲームではない――ドキドキ文芸部プラス!発売に寄せて
こんばんは。お久しぶりです。東です。
今日は(も)ドキドキ文芸部の話をします。
前回は20,000字にのぼるクソ長文プレイレポでしたが、今回は10月7日にNintendo Switch/PS4/PS5で発売される、日本語対応+新要素モリモリ追加の完全版、「ドキドキ文芸部プラス!」の話をします。
というか、「ドキドキ文芸部、よく聞くタイトルだからやってみたいけど、ホラーは苦手だからなあ……」と思い、購入を躊躇っている方に、ピンポイントに照準を定めてこの記事を書きます。
お前のことだぞ。
それではよろしくお願いします。レッツゴー
ドキドキ文芸部とはどういうゲームか
「ドキドキ文芸部!」は、Team Salvatoによって2017年に公開されたPCノベルゲームです。
Win/Macどちらにも対応しており、無料でプレイできる(サントラがついている有料版もあります)にもかかわらず、その圧倒的なクオリティとゲームの作り込みに、インターネット上で大反響を呼びました。作中の印象的な演出である「Just Monika.」は、もはやネットミームになりつつあります。
今回は、据え置き版に先立って発売された、Steam版の「ドキドキ文芸部プラス!」の説明文を引用してみたいと思います。
ナンバー1サイコホラーゲームへようこそ!詩と恋愛が織りなす恐怖の世界へようこそ!好きな子のために詩を作り、最高のエンディングを迎えるためにあらゆる困難を乗り越えよう。DDLCが最高に愛されているサイコホラーゲームのひとつとされている理由を、ゲームを遊んで体験しよう!主人公のあなたは、出会いを求めていやいやながら文芸部に入部することに。詩を書き、選択肢を選んでゆくことで好きな子の気を引くことになるのですが、同時に恋愛の裏に潜む恐怖が明らかになり始めます。あなたははたして、恋愛シミュレーションの仕組みに気づき、最高のエンディングを迎えられるでしょうか?衝撃的なストーリーのDDLC本編に、たくさんの新要素とコンテンツが追加された、ドキドキ文芸部プラス!をお楽しみください!
ドキドキ文芸部プラス!のポイント:
ボリュームある新規コンテンツとして収録された、友情と文芸を描いた6話のサイドストーリー。
新規CG、壁紙、これまで公開してこなかったコンセプトスケッチなどなど、アンロックして集める100点以上の画像を収録。
収録曲は合計26曲。そのうち、13曲が新規収録。参加アーティストはNikki Kaelar、さらにゲストとしてJason HayesとAzuria Sky。
ゲーム内で楽しめるDDLCミュージックプレイヤー。カスタムプレイリストでお気に入りの曲を聞いてくつろぐ楽しみ方や、一曲をリピートさせて雰囲気に浸る楽しみ方も。
映像面では高忠実度のアップグレードを行い、すべてのアートワークが今作ではフルHD(1080p)で表現されます。
(引用元:https://store.steampowered.com/app/1388880/Doki_Doki_Literature_Club_Plus/?l=japanese )
サイコホラーって言っちゃってるんだ。私はサイコホラーじゃないと思いますけど、まあその話はおいおいします。
要は、男子高校生になって文芸部に入部し、そこに所属している四人の女の子――モニカ、サヨリ、ユリ、ナツキ――と交流しよう、というゲームです。
舞台が文芸部なので、文芸、特に「詩」がこのゲームでは非常に大事な要素の一つになっています。女の子たちがどういうものが好きなのかとか、どういう性格なのかと言ったことを、部活動の一環である詩の作成を通じて知っていくことになります。
この女の子たちも、ひとりひとりすごく個性的で、自分をしっかり持っています。なので、彼女たちとおしゃべりをしているだけでも、十分このゲームの魅力を感じられると思います。というか、このゲームの主眼はそれだと思います。
たとえば、主人公の幼馴染であるサヨリは、明るく無邪気に振る舞い周囲の雰囲気を明るくしてくれる子であると同時に、他人の幸せを心から望める優しい子です。
また、ユリは、物静かで聡明、人と関わるより一人で読書をしている方が好きといったキャラクターですが、実はその性格は、他人と関わることへの恐怖やトラウマの裏返しであることを、仲良くなるにつれて教えてくれます。
部内最年少であるナツキは、典型的なツンデレキャラで、主人公に対しても当たりが強いですが、お菓子作りや漫画が好きなことや、家庭の事情によって苦労している様子が、関わっていくにつれてわかってきます。
そしてもちろんモニカ!主人公が入部する文芸部の部長で、容姿端麗・文武両道の、高嶺の花的存在です。ゲーム中で彼女の好感度を上げることはできないのですが……?
ちなみに、私の推しはモニカです。Just Monika.(モニカだけ。)
ドキドキ文芸部はホラーゲームなのか
違うってタイトルで言っちゃってるんですけど、ここからはそこについて詳しく書いていこうと思います。
私が先ほど書いたゲーム紹介だと、ホラー要素はほとんど感じられないと思います。それもそのはず、ドキドキ文芸部のホラー演出は、プレイヤーを怖がらせるためにわざと入れられたものではないからです。
普通のホラーゲームであれば、幽霊や怪物が出てきたり、なんか怖い人に追いかけられたり、そういう演出は、プレイヤーないしプレイヤーが操作するキャラ(主人公)に恐怖を与えるのが目的です。
しかし、ドキドキ文芸部のホラー演出は、厳密にいうと恐怖を与えるのが目的ではない上に、本編中の一部にしか登場してきません。最初から最後までぶっ続けでホラー、というわけではない。そう考えると、やはり「ドキドキ文芸部はホラーゲームだ」とは言いづらいなと感じる。プレイヤーが恐怖を感じる演出があることは確かなんですけど。
じゃあ何が目的なんだ、と言われるとですね。
言えないんですねそれが。
すごいネタバレになるから。
ドキドキ文芸部は、アンダーテールに代表されるように、「ネタバレ厳禁」とされるゲームの一つです。だから本当はこの記事も見ない方がいいです。この時点で、「ドキドキ文芸部やってみたいな」とちょっとでも思った方は、いますぐこの記事を閉じてください。
代わりに既に発売されてるSteam版のゲームページを置いておきます。
一応言っておきますと、ドキドキ文芸部に含まれる恐怖演出は、いわゆる「ジャンプスケア」と呼ばれるものです。「ウォーリーを探さないで」みたいなね(昔のインターネット)。画面を見てたら、急に怖い音と演出がバン!!と出てくるタイプのやつですね。
これが苦手な人は、多分食指は動かないと思います。そういう人は、まず無料版を試しにプレイしてみてほしいです。それで無理!ってなったらアンインストールしてくれたらいいので。
ただ、「もう絶対無理、これ以上プレイしたら精神に異常をきたす」ってなるまでは、なんとか耐えてほしい。ホラー演出を乗り越えた先に、このゲームの「真実」があるんです。
「真実」って何?って言われたら、
それは、言えないんですね(ネタバレだから)。
でも、これからもしやってみようという人がいたら、このゲームが提示してくるメッセージを全て見逃さないようにしてください。「これはただの演出だから」といってスルーは決してしないように。そうすればきっと、あなたはより真実に近づけるはずです。
総括すると、このゲームは、ゲームに出てくる四人の女の子たちそれぞれとの、さらに言えばゲームそのものとの「対話」が主眼のゲームだと、私は思います。
ドキドキ文芸部をプレイするのに向いている人
それを踏まえた上で、私が思う「ドキドキ文芸部をプレイするのに向いている人」をあげてみたいと思います。
①他人の考え方を知るのが好きな人
②色んな人と有意義な意見交換をするのが好きな人
③詩や文学が好きな人
④考察が好きな人
⑤プログラムを触ったことがある人
以上5つに少しでも当てはまるな、と思った方は、今すぐドキドキ文芸部をプレイして、このゲームの「真実」を知ってください。
・無料Steam版
・有料Steam版
・Switch版
・PS4版
・PS5版
・PS4/PS5(ダウンロード版)※日本のストアではまだダウンロード版は公開されていないようです(多分)(9月24日現在)
私はすでに無料版をプレイしているので、PS4版を買ったら無料版との違いを楽しみたいと思います。
以上、終わりです。
(9/27 加筆)