懲戒権 子どもよりの大人#1
懲戒権って、こんな法律が残っている日本はどうなの?
「懲戒権(ちょうかいけん)」って音読みで読めば、なんとなくそういう法律なのねって流しちゃいそうだけど、訓読みすると「懲らしめて、戒める権利」⁉︎
1、懲戒権とは
親の子どもに対する懲戒権は、基本的親子関係について定める民法に規定されている。その規定は、民法の一部改正(平成23年法律第61号、平成24年4月施行)により、次のようになっています。
・第820条(監護及び教育の権利義務)
親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。
・第822条(懲戒)
親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。
この改正(「子の利益のために」を追加)は、社会問題化している子ども虐待を防止することを目的として行われたもの。
しかし、平成24年の時点で、「懲戒」を残したとは...
日本の民法典(民法に関する基本的規定を定めている法典)は、フランスやドイツのものを参考に作られたと言われ、それらの国では、既に「懲戒」の定めは除かれている。
2、子どもよりの親子関係
日本は元々、しつけに暴力を使わない国だったそうだ。幕末から明治初期に来日した西洋人は「日本人は子に体罰を与えない。世界でもっとも子に優しい国」と感想を残している。
そもそも動物としての親子の関係は、命を守る存在と守られる存在。いわゆる上下の関係はない。
守られている時期に、我が子が社会性を身につけるためにと懲戒権を行使する矛盾。
どうもヒトは権力を持ちたい動物らしい。
GW。日頃の仕事の疲れでゆっくり休みたい親も、子どもを連れて外に行く。親子の関係を考えているせいか、それらの会話が自然と入ってくる。
「おーい!また、はぐれるぞ、お父さんの後ついて来ないと...」
「朝、お味噌汁こぼしたの覚えてる?今度こぼしたらジュースなしよ、指切った...」
子どもよりの大人には、
「いやいやはぐれたのはお父さんでしょ」
「まだ、上手にお椀持てないんだ...いや、実はわざとやった。どんな風になるかやってみたかったんだ。それにしてもその契約一方的じゃない?」
子どもも大人も、私もあなたも、それぞれの価値観で生きている。お互い寄り添い、意見を交換することが、負の連鎖を断ち切り、その先の平和につながるのではないか。
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