デザインを定義に至る

僕のnoteの記事で、圧倒的に数が少ないのがデザインについてです。
これはそもそも、僕自信がデザイナーではありませんし、他の分野に比べて、デザインについて考えた時間が短いということもありますが、1番の理由は、「デザインとは何か」ということが、自分の中で確立できていなかったことにあります。
だから、これまでの記事は、疑問や問題提起になってあました。

ところで、私事ですが、僕がデザインと関わって、今年で10年になります。
僕が会員になっているCDA(中部デザイン協会)や、委員を務めるCCDO(中部デザイン団体協議会)などでは、「デザインの世界ではまだまだ新参者」と言っていますが、ちょうど先日開催された、CCDOの新年交流会では、親しくさせて頂いている大先輩から、「そろそろCDAの理事に」と言われて、恐縮してしまいました。

とは言え見方を変えれば、そう言って頂けるほどの関わりができ、それなりに活動をしてきました。我ながら随分時間が経ったものだと、あらためて驚いています。

・「定義」すること
デザインの話から外れますが。

僕はそもそも、経営経済学の研究者です。研究者である以上、使う言葉、特に大きな意味を持つ言葉は定義をします。
残念ながら、まだ経営経済学の言葉については、なかなか定義には至っていません。それは長年(と、つい書いてしまいました)勉強してきましたが、既に多くの偉大な定義がなされているもの以上に考えることが困難だからです。

ちなみに、僕がマーケティングを説明するときのもの、「誰のどんな笑顔が見たいのか、そのために何ができるのかを考えて、実行すること」というのは、定義ではなく、若い学生さんのための易しい説明です。

実は最近感じていることがあります。
それは、僕がやっと「考える力」という点で、やっと合格ラインにたどり着けたということです。
20代の終わり、大学勤務が始まってすぐの頃、兄弟子から「お前はまだまだ勉強が足りないから、40歳までは論理的整合性なんて考えずに、とにかく論文を書け。」と言われました。そこから考えると、5、6年遅いように思いますが、やっとここまで来られたという思いです。

その理由が、僕の「デザインの定義」が、納得できる内容にたどり着いたことです。

・デザインの勉強
「デザインとは何か」ということを真剣に考えるようになったのは、2018年頃、デザインと関わって3年目頃からだったと思います。
僕がデザインと関わるようになったのは全くの偶然でした。最初の勤務先である大学を辞した後、たまたま出会ったデザイン会社の方と仕事をすることになりました。ここからCDAの会員になり、多くのデザイナーの方と関わることで、デザインについて考えるようになりました。
余談ですが、僕が「デザインとは何か」と考えるようになり、このきっかけを作った人物とは合わなくなりました。

様々なデザイナーの方々と関わる中で、特にプロダクトデザイン分野の、大ベテランの方々から、多くのことを教えて頂きました。
この頃、実は通信制か社会人枠で、大学でデザインを学びたいとかんがえましたが、先の出会いでその必要がなくなりました。何故なら、デザイン実務を行いながら、実際に大学で教鞭をとっている方が何人もおられたからです。

デザインというのが、色や形を作ることではないというところから始まり、問題解決としての考え方など、これまで学んだことがないことばかりですから、夢中になって勉強しました。そして気がつくと、デザインについて、それなりに高度な話をするようになっていました。

・たどり着いた定義
話の内容が高度になるということは、僕自身も意見を述べることになります。その中で、いくつか腑に落ちないというか、矛盾があるように感じ始めました。
そうした中で、ある方か「研究者は問題解決しない」と仰いましたが、今思えば、この言葉が、自分でデザインを考えること、つまりデザインを‘学ぶ’段階から、デザインを‘研究’する段階に入ったのでしょう。

さて、上述の言葉から、デザインが「問題解決」であるのならば、学問研究は「問題解消」だと考えました。
正直に言えば、僕も研究者としての自負がありますから、心穏やかではありませんでしたし、他にも感じていた矛盾は、どれも、言葉に反して、デザインの捉え方が小さく思えたのです。
そうすると、デザインは「問題解決」はできても「問題解消」ができないということになってしまいます。しかし一方で、学べば学ぶほど、デザインの役割の重要性を感じます。そのため、あらためて「デザインの定義」を考えることに至りました。

ここから約5年、様々な文献などを読み、社会の変化とデザインの役割を考えました。僕の学びは決して早くはありませんが、2022年には、CCDOのデザイン思考セミナーの全体プログラムを担当させて頂きました。このセミナー(ワークショップ)は、何人ものベテランデザイナーがファシリテーターを務めながら、参加者と共に考えるものです。そして翌年のセミナーでは、デザイン思考の全体説明なども担当させて頂きました。

このような経験を重ねながら、とうとう僕の「デザインの定義」に至りました。

『最適解の実現』

これが、僕のデザインの定義です。

次回は、この定義について記したいと思います。

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