過去の未来を考えてみる 本の話
僕は子供の頃、よく本を読みました。無限に、とはいきませんが、母が本は与えてくれましたので。
ただし、漫画は全く許してくれなかったので、僕は子供の頃、漫画を読んでいません。僕が始めて漫画を読んだのは、中学生のとき、従兄弟からもらったパイナップルアーミーが最初でした。
ちなみに母は今でも、例えばドラマや映画の原作が漫画だと知ると観ません。漫画は子供向けの幼稚なものだとおもっているようで、これについてはアニメも同様です。
さて、子供の頃、やはりお気に入りの本があって、これらは何度も読み返しました。
何といっても一番は、かこさとしさんの『科学者の目』(童心者,1974)です。
この本を読んだ頃、小学校の2年生頃と記憶していますが、我が家は2DKの他賃貸住宅に住んでいました。
この頃、カール・セーガンが流行っていて、僕は子供ながらに、天文学、地球物理学を志したいと思いました。
NHKのカール・セーガンの番組は午後10時から。当時の僕は既に寝ていなければならない時間で、両親が観ているのを、テレビのある隣の部屋を、襖を少し開けて覗いていたら、「観たいならちゃんと観なさい」と言われて、ワクワクしながら番組を観ました。
もしかしたらこの経験が、僕が学者になった最初の好奇心だったのかもしれません。
次にお気に入りだったのは、『北極のムーシカミーシカ』(いぬいとみこ,理論社,1961)です。
双子の北極グマの目線を通じた、生きることの厳しさや、おもいやりの優しさ、冒険奇譚など、本当にワクワクしました。
3つ目のお気に入りは『熊撃ちの日までに』(岸武雄,創作子どもの本,1979)です。これはたしか、小学校4年生のときの、読書感想文推薦本だったと記憶しています。
日本のアルプスと呼ばれる地、おじいさんの家に行った小学生が、色々な体験をする物語でした。
さて、最初に挙げた『科学者の目』は別として。
先日、夢をみました。それは、映画を観に行く夢でした。このときの映画のタイトルは、『熊撃ちの日までに〜それから』というもの。
小学生の夏休み体験の話を経て、今の僕の歳と同じ年齢になった人公が、もう一度祖父の家を訪れるという内容でした。
当然ですが、児童文学に出てきた祖父などの登場人物はもういません。その家を継いだものの、過疎地域の苦しさを抱え、熊撃ちも収入にはならなくなった叔父が、あまり歓迎の姿勢を見せてくれず、どうせ都会で出世して、気休め程度に来たのだろうという露骨な態度。
一方主人公(僕自身に重なる)は、あのときの新鮮な思い出に、現実の苦しさのの救いを求めて来た。
せっかく来たのに、雨が続き、山には行けない状況の人間ドラマ、、、
という映画を観た夢でした。
まあ、あまり楽しい夢ではありませんでしたが、目が覚めた後、ふと思いました。
子供の頃、ワクワクした話の続き、今の話を読みたいと。
僕は一応、文章を書くことはプロですが、残念ながら小説は書けません。
しかし『北極のムーシカミーシカ』なり、『熊撃ちの日までに』なり、大人の後日談を読んでみたいと思うのです。
きっと、かなり面白いお話しなのではないてしょうか。