企業が大切にするべきものは何か

先日、あるところで、「経営者は何を大切にするべきか」という話を耳にしました。そこでは、顧客や社員、利益などの意見が出されていました。また先日開催した勉強会での、ワークショップでは、参加された経営者の方から、働く環境や良い人や社会との繋がり、家族などが挙げられていました。

前者の会話をしていた方々は、同じ会社に勤める方々で、勉強会の参加者は経営者の方なので、見方に違いがあるようです。

そうそう、勉強会では、参加者全ての方が家族を重要視しておられましたが、僕はキーワードとして挙げていません。

僕は離婚経験があるのですが、女性の友人にこの話をすると、「まあ、過去の偉人とか、大きなことを考えてる男の人は、だいたいそういうところ、ポンコツだよねー、そういう人は結婚しちゃためなんだよ」と言われ、かなり反省させられました。

そういえば、海外では、歴史的偉人について、現代の見識に従って、再評価が行われているそうで、銅像が川に投げ捨てられ、引き上げられた銅像が、不名誉な象徴にされてしまった例もあるとか、、、自分を戒めたいと思います。

さて、話が随分遠回りしてしまいましたが、、、

企業や経営者が大切にするべきものは何でしょうが。

先に挙げられたものは、どれも大切だと思います。正解はありません。しかし敢えて、‘優先順位をつける’という意味で、僕なりに考えてみたいと思います。

・ステイクホルダー理論の再確認
企業のステイクホルダー(利害関係者)は、その企業に関わる人や社会の全てを指します。以前(1990年代まで)は、主に株主を指しましたが、2000年代に入り、様々な影響から、範囲が大きく変化・拡大しました。またこれに合わせて、コーポレートガバナンスやCSRの考え方が変化したことは、ご存知の方も多いかと思います。
これに準じて考えれば、あらゆる人と社会の全てを大切にしなければなりませんから、優先順位をつけることはできません。

「人と社会」から考えると、「利益」は含まれないことになりますが、これについて、ドラッカーは、利益は目的ではなく「企業が事業を継続・拡大するための条件」としています。

・CSR CSV
CSR(企業の社会的責任)については、以前の記事、「企業の社会的責任を考える」で記しましたので、詳しいないようは割愛しますが、これは寄付やボランティアなどてはなく、製品やサービスによって、より良い社会を作ることを意味し、またそのために企業が存続し続けることを指します。この新しい考え方として示されたのがCSVです。

(ドラッカーの言う利益の定義はこれを指します。)

・SHRM
SCRMについては、あまり聞いたことがない方もおられるかもしれませんが、HRMなら、ご存知の方も多いのではないでしょうか。HRMが人的資源管理であるのに対して、SHRMは、戦略的人的資源管理と言います。
企業にとって、競争力を維持・拡大するうえで、「人」は、最も重視するべき資源です。さらに、この「人」について、将来的な戦略を実現するための考え方がSHRMです。

・マーケティング4.0
マーケティングの大家であるコトラーが、2017年、マーケティング4.0を記しました。その中で、特に、デジタルマーケティングの要点は消費者の行動と推奨を促すこととしています。
インターネットが普及して約20年、例えば今教えている学生さんのほとんどが、スマホネイティブです。21世紀以降の20年で、多くの価値観が変化し、奇しくも、新型コロナウイルスの影響によって、消費の在り方も、急速に変化しています。

コトラーのいう、「行動と推奨」について、感じたことがあります。

以前、写真好きの方が、デジタルカメラを買った後、あまり気に入らなかったようで、「佐伯さんなら○○円で売る、違ったらオークションサイトで○○円で売る」と言われました。

以前は、例えば趣味のものなど、売っている店を探すことから始めなければなりませんでしたし、簡単に売ることもてきないので、かなり慎重に吟味する必要があります。

しかし現代は何もかもがカンタン。調べるのも、買うのも売るのも。

以前であれば、市場を獲得するのに、資本力が不可欠ですが、今はそうはいきません。
顧客満足とその後の消費行動(製品を使う時間)で、提供できる価値を明確にしなければなりません。

・僕が考える優先順位
色々説明してきましたが、それでは企業は何を重視するはきなのでしようか。

ここからは、僕の意見ですが、、、

やはり最も重視するへきことは、顧客満足たと思います。ただし、目先や一時的な満足ではなく、未来の価値観の豊かさによる満足です。そのためには、一時的に批判を受けることも、甘んじて覚悟しなければなりません。そして、そのために大切にするべきものは、やはり人だと思います。

では、社員や家族はどうでしょう。

僕は、良い生産者は良い消費者であるべきたと考えます。
自社の製品やサービスを加速や社員といつた、身内か愛顧してくれないのに、他人が評価するはずかありません。そういう意味では、加速を大切にできなかった、僕の講義は、受講生に、白々しく聞こえていたのかもしれません。

結局、私達は人の営みの中で生きているわけですから、どんなことでも「人」が一番大切ということになります。

そして、今後の企業を考えたとき、「人のありかた」をどれだけ大切にできるのか。

これからの社会で、最も問われることではないでしょうか。

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