発達障害者が感覚過敏向けのグッズを使ってみた~聴覚過敏を緩和する!編~
登場人物
くらげ:ADHDと聴覚障害があるうざいおっさん。
あお:くらげの妻。発達障害全部盛りで感覚過敏あり。
やくわ:新規事業開発MGR。筋トレする社内起業コーチとして成長中!
バリアフリーとビシネスと
[く] こんばんは。くらげです。ADHDと聴覚障害があるうざいおっさんこと、くらげです。
[あ] こんばんは。あおです。くらげの妻でASD・ADHD・LDなどてんこ盛りな当事者です。
[く] さて、この記事はゼネラルパートナーズ(GP)と協同ではじまった「感覚過敏のある発達障害者」が生きやすくなるような情報提供を目指す連載の第三回目です。今回もゼネラルパートナーズよりやくわさんにご参加いただきます。
[や] お疲れさまです!GPで新規事業開発MGRを務めるやくわです!
[く] 第一回に引き続き、よろしくお願いいたします!さて、今回はまずこちらのニュースを見てほしいと思います。
[あ] 川崎市が感覚過敏があってもスタジアムで観戦できる専用室の設置を目指すのかぁ。いいなぁ。
[や] こんなのあるんですね!前回のnoteで進藤さんが「イギリスのショッピングモールで感覚過敏の方向けの静かな時間を作ったら売上が増えた」という事例を話していましたが、まさにそれですね!
[く] どちらかといえば「バリアフリー」の新しい概念という気もします。もちろん、売上向上もバリアフリーも同時に進められるものですが。
[あ] やっぱり、感覚過敏があっても、ライブでリアルタイムで音楽を聞きたい、という欲求はあるよね。矛盾してるみたいだけど。具体的には平沢進。
[く] ざわめきを最小限にしてアーティストの音楽とパフォーマンスをリアルタイムで楽しみたいよね。具体的には平沢進。
[や] 平沢進ってなんですか?(笑)しかし、新規事業開発の仕事をしている視点からすると、こういう取り組みってビジネスからの観点だと「ファン」の獲得になりますね。ファンマーケティングという観点や差別化という観点でとても効果的な取り組みだと考えます。こういうことが商業的に成り立つようになればもっと社会は生きやすくなるなぁと思います。
[く] まさにGPの理念である「社会問題をビジネスで解決する」ですよね。
[あ] ビジネスにするって当事者からすれば選択肢が多くなることだと思うんだよね。さっきの「川崎市のスタジアムにある感覚過敏方でも観戦できるセンサリールーム」の話も、普通なら「イヤーマフをつける」とかになるけど、そうでない選択肢も出来るということだよね。とてもいいと思うんだ。
イヤーマフの性能について
[く] 私は聴覚障害もあるから実感はできないんだけど、意外とイヤーマフは感覚過敏に対して万能ではないみたいんだよね。
[や] そうなんですか!?あれ結構無音じゃないんすか!?
[あ] イヤーマフは「減音」はするけど「無音」になるわけではないんですー。
[や] となると、なにかしらの音は聞こえてしまうんですね?
[く] 例えば、あおが「デザインがいい」と言っているこのイヤーマフなんですがNRR値が20dBと書いています。ざーっくりいうと騒音が-20dBになる...のであって0になるわけではないんですね。
[あ] だから、音を減らしても音の種類によっては刺さるので効果があるイヤーマフとそうでないイヤーマフもあるんですよ。いくらか使い比べて試すしかないかなぁ。
感覚過敏ってどんな感じ?
[や] そもそも感覚過敏ってどんな感じなんですか?電車の中とかどんな感じになってるんですかね?
[あ] うちの場合はですけど電車の走行音と子供の声が同じ大きさで聞こえます。
[く] しかもどっちも爆音なんだよね…。音だけで言うと洗濯機の中にいる感じです(笑)私の場合は人工内耳で無理やり音量を上げて聞いてるから音には弱いです。
[あ] どの音も全方面から刺さるから目的地につく頃には吐き気と頭痛がしますね…。仕事してるときは通勤が一番消耗しました。
[や] まず、電車の音は疲れてる時はちょっとうるさいなー、くらいですけど 元気な時は特に気にならないですね。
[あ] 電車の走行音は好きですが子供の声とかが電車の走行音と同レベルで響くし、疲れていると耳の中と頭の中でハリネズミが暴れているような感じがします。
[や] もう聞こえている音自体が違うのですかね?聴覚過敏的にショッピングモールやスーパーなんてのはどうなんですか?
[あ] 地獄
[く] シンプル(笑)
[あ] お魚天国とかポポーペポポペの呼び出しくんは流すのいいとしても基本的に音がデカすぎるので、痛いしびっくりするしで脳の処理がバグって洗濯洗剤と漂白剤を間違えて買うレベルですね。
[く] あ、だからうちに不要な漂白剤が置いてあったのね。あとはまぁ、あれよね、感覚過敏がある人にとってはどこもかしこもパチンコ屋。やくわさんはパチンコ屋行きます ?
[や] 学生の頃はパチスロ行ってましたよ。遊び半分で。壮絶なうるささなんで、ほんともう行きたくないですけど。
[く] 普段パチンコしない人がパチンコ屋の喫煙コーナーで3時間いるとだいたい感覚過敏の疲れが体感できるかと思います(笑)
[あ] そうか、住み込みのパチンコ店員だと思えば…やだ、そんなん転職する!
聴覚過敏対策は不動産から
[や] すごいシンプルな感覚過敏理解方法ですね!では、そんな感覚過敏と付き合うためにどういた工夫をされてるんですか?
[く] まず静かな家を必死に探しました(笑)
[や] なんと不動産レベルから!?
[く] はい、引っ越すときは何件も下見してグーグルマップで周りに子供が多い施設がないかとか幹線道路や音を発生するような設備がないかとか…。結構苦労しましたね。
[あ] まぁ、それでもうるさいときはうるさいんだけど。たまに防音室を作りたくなるよね。防音シートを貼ったりして。
[く] だんぼっちという簡易防音室の購入は割とマジで考えてます。高いのでそうそう買えないですが、まず賃貸なので防音工事できませんし。
[や] これは中でウクレレ弾いてても怒られないかも…。もう少し身近なところだと何かないですか?
聴覚過敏の対策に使えるもの
[あ] ウチは仕事をしているとき、飲み会に呼ばれるときにうるさすぎて耳栓を使ってみたんだよね。そしたらだいぶ楽になったのが自分が感覚過敏だと気づいたキッカケですね。
[や] 耳栓を使ってみたら良かったので気づいた、ということですか?
[あ] 最初はみんなそんな世界で生きてると思ってて自分だけ「我慢足らず」なのかと思ってたので変とも思わなかったんだよね。
[く] 感覚は本当に主観的なものだからなぁ。
[あ] 自分が感覚過敏だとわかってから、色々調べてイヤーマフやキングジムのデジタル耳栓とかも使ってみて、その時その時で良さそうな装備を持っていきますね。
ストレスが消えれば何でもOK!?
[く] イヤーマフといえば、この前、グリーの特例子会社のグリービジネスオペレーションズでは耳栓やイヤーマフオーケーと聞きましたね。GPではイヤーマフとか使っている人はいますか?
[や] 特例子会社だとそういう取り組みちらほら聞きます。GPの中では音楽を聞いている人はいるけどイヤーマフとかはいないかな。
[あ] 音楽を聴きながら仕事って悪くないかも。違う音で上塗りしてる感じだし。
[や] クラブとかそういう人いますよ。 爆音で聞くことで、思考ののノイズが取れてマインドフルな状態になれるから好き的な。 私もそうですし。
[く] 聴覚障害があるからわかんない世界だ(笑)まぁ、爆発で火事を消すみたいなもんかな?でも、結局はストレスさえとれれば逆にうるさくてもいいのか。そこは新しい発見ですね。最近、街中でヘッドホン着けてる人が増えましたしけど、あれは何かしらの音を遮断するために常に音楽聞いてる人もいる可能性もありますね。
感覚過敏を感じたら病院へ
[あ] あと、これは対策とは違うんですけど、耳鼻科に行ったほうがいいケースもあります。最近の事なんですが、いつも以上に高い音が聴こえすぎて痛い→放置→突然のめまいで耳鼻科に駆け込んだらメニエール症候群という病気で低音ガッツリ落ちた、という事がありました。
[く] 感覚過敏が悪化したらなんかの病気のサインかもしれない、ということですね。
[や] 聴覚過敏って耳骨とかそういった器官の感度がいいってことなんでしたっけ?それとも脳機能の感覚の受け取る部分が強いんでしたっけ?
[く] 専門家の方にお話を伺ったときにはまだ正確に分からないそうです。
[あ] それを見つけるためにも耳鼻科は大事かもです。受け取りが強くても耳の器質的な部分やられたら多分受け取り減衰されますし。
[や] なるほど、とても参考になりました!
[く] というところで、お時間です。我ながら今回も濃い話が…。
[や] 学校で生徒さんが聴覚過敏で苦手な音を防ぐために耳栓やイヤーマフをしていたら先生から取り上げられたという話を聞いたことがあります。「聴覚過敏の本人」にとっては常にパチンコ屋にいるほどの感覚であることなど、こんな簡単なことでもいいので、理解が広まってくれると非常に嬉しいです!各社さん!聴覚過敏に優しくすると売上上がりますよ!(たぶん)
[あ] 本当に感覚過敏にも優しい世の中になってほしいですね。では、お疲れさまでした!
[く] お疲れさまでした!また次回!