コメント_2019-07-26_134603

発達障害者が感覚過敏向けのグッズを使ってみた~視覚過敏を緩和する!編~

登場人物

くらげ:ADHDと聴覚障害があるうざいおっさん。

あお:くらげの妻。発達障害全部盛りで感覚過敏あり。

進藤均:ゼネラルパートナーズ社長・社会起業家。

自己紹介と静かな時間

[く] こんばんは。くらげです。ADHDと聴覚障害があるうざいおっさんこと、くらげです。

[あ] こんばんは。あおです。くらげの妻でASD・ADHD・LDなどてんこ盛りな当事者です。

[く] さて、この記事はゼネラルパートナーズと協同ではじまった「感覚過敏のある発達障害者」が生きやすくなるような情報提供を目指す連載の第二回目となります。

[あ] で、第一回目はどんな評判だったのさ?

[く] 感覚過敏のある当事者の方から「あおさんの感覚がすごくわかる」「あおさんの言葉を通じて自分の感覚過敏の原因がわかった」とか好評な言葉が多かったよ。

[あ] まぁ、大したこと話してないんだけどね…。

[く] あおの場合はあまり言葉を飾らず素直な感覚を出してくれると一番共感を得るんじゃないかなぁ、と。で、今回は前回に引き続き、ゼネラルパートナーズからゲストがいらっしゃいました!

[あ] おー、今回はどなた?

[く] ゼネラルパートナーズ社長の進藤均さんです!

[進] あおさんはじめまして!よろしくお願いいたします!

[あ] あ、うちの旦那がお世話になっております、よろしくお願いいたします!

[く] まずは進藤さんの簡単な自己紹介をいただけますでしょうか?

[進] 株式会社ゼネラルパートナーズの社長をしている進藤均です。趣味は「新規事業創出」です。よろしくお願いいたします!

[あ] ゼネラルパートナーズってよく聞くけどどういう会社なの?

[く] 私の中では障害者の人材紹介サービスをそれこそ私が新卒だった時代からやってる企業なんですけど、最近はだいぶ変わった感じでしょうか?

[進] いま、ちょうどGPを起業したときの話を連載しているのですが、2003年に社会問題解決を目的とした創業した会社です。民間初となる障害者雇用サービスを立ち上げて、そこから教育事業・調査研究なども手掛けるようになりました。

[あ] そんなにすごい企業だったんだ…。

[進] 最近はうつ病やシングルマザー・引きこもり等の支援という新領域に挑戦しているところですね。詳しくはnoteの記事をご覧ください!

買い物と感覚過敏

[く] さて、さっそくですが、進藤さんは感覚過敏の知識というか今回のプロジェクトに興味を持ったきっかけというなんですか?

[進] 以前、NHKでイギリスのショッピングモールで朝の1時間を感覚過敏者向けに店内を暗くしたり、音を流さなかったする時間帯にしたら、売り上げが伸びたという話を見ました。これが感覚過敏の興味をもつようになったきっかけです。その後、くらげさんがGPで行っている「アントレプレナー採用」という社会起業家向けのプログラムにて感覚過敏の話を持ってきたのでこれは面白いな、と。

[く] そういうタイミングがあったんですね!

[進] 私は社内外問わずソーシャルビジネスを増やしたいと考えています。社外の人でも熱い想いと面白いアイデアのある人は多いのですが、社会起業のハードルが高いのであきらめてしまう事が多い。それで、一緒にカタチにしようと思って立ち上げた企画が「アントレプレナー採用」です。

[あ] なるほど、旦那もそういう枠組みでの関わり方なんだ。でも、イギリスの取り組み、ほんといいなぁ。ウチ、お店で買い物するの苦手なのはうるさいとか眩しいのがあるし。

[く] 普通のお店でもいろんなBGMやサイネージなどの情報が飛び交ってるから、それだけで「普通の人がパチンコ屋にいるような苦痛」を感じるみたいね。

[進] 私達にとってはなんともない刺激でもそこまで苦しいものなのですね。普段の買い物はどうされているのですか?

[く] 基本的に日用品の買い物は私が担当して、あおは私物以外はあまり買い物に行かないです。

[あ] その私物も、ネット通販が今は中心。リラックスできた環境でモノを選べるので、適切なモノと余計なモノが買えます。

[く] 余計なモノは買ってはいけないのではないでしょうか…。

感覚過敏の種類とは?

[進] 面白いですね(笑)今思いましたが、上から下まで、感覚過敏ってどのぐらいの種類があるんでしょうか。

[く] うーん、感覚というもの全てに過敏が生じる可能性はあると思います。

[進] 上からいくと、肌、食べるもの(辛味)、音、光(色あい)、体がふわふわ…などでしょうか?

[あ] 自分の場合、 「砂遊び、泥遊びできない 」「耳そうじ嫌い」 「マスク大嫌い」「爪は深爪派(つめが伸びていると稀にひっかき音があるから) 」「大きい高い音が苦手」というところを自覚してきています。

[く] とはいえ、発達障害だから必ずこの過敏が出る、ということがあるわけでもないんですよね。

[進] なるほど、体調によっては、出たりでなかったり。雨降っていたら出たりでなかったり。難しいものですね。味覚はどうです?

[あ] 辛いのが極端に駄目なのと塩辛い味のものは頭痛がします。

[く] え、塩辛いと頭痛するのは初めて聞いたよ!?

[あ] それ、普通じゃないの?

[進] 普通でははないですね…(笑)やさしいお味がいいんですね。外食は塩がきついとかありますが、マックのポテトはむずかしいですね。

[あ] そこまでジャンクなものだと逆に好きなんですよ。

[く] ご飯の準備は全部私なんですけど、本当にアウトとセーフの境界がわからないので未だに手探りです(笑)

[進] 味覚の過敏は、料理する人にとっても大変ですね…。

[く] 味覚過敏があるお子さんを持つお母さんたちはとても苦労していまして、そのあたりも今後どう解決していくか考えどころのある分野かなと…。 

スマホと視覚過敏

[く] そういえば、あおはスマホの液晶保護シートには結構こだわる方だよね。あれも反射光で目が痛いからだっけ。

[あ] そうなんだよね、ノングレアじゃないと見にくい。

[進] こういところにもお困りなんですね。

[く] ノングレアだと画質が悪いとか感じる人もいるみたいね。

[あ] うちの手持ちだとあんまり変化はないかな。それよりも見やすいのが大事。反射光が入ると痛くて…。

[進] 僕の液晶保護シートもノングレアでした。たまたまですが、他の人のスマホは明るすぎるなぁと思ってました。反射するグレア液晶を駆使して、お化粧に活用されている方もいますよね。

[く] 確かにグレア液晶だと鏡の代わりになりますね!(笑)しかし、ちょっと前に高校生が「グリーンノートを廃盤にしないで!」と嘆願しているツイートがバズってロフトやキングジムがグリーンノートを充実させたということがありました。これは普段から「ノートが眩しい」と感じている人が少なからずいたのかな、と。

[進] ノートが眩しいと感じたことはありませんでしたので新しい発見でしたね。

[く] あおは光の問題でメガネをかなり工夫してるんだったね。

[あ] 光に関していえば元々の要因(過敏さ)とあいまって乱視だ斜視だでそこを埋めていったらいまは割とマシかなと。

[く] かなり色が濃く入っているとか。

[あ] 夜間路上使用不適合と書かれてますが、かまうことなく夜の道も歩けます。

[く] サングラスじゃ駄目なのかな?

[あ] 度が入ってないのと、偏光サングラスだと使うと液晶酔いするから嫌でね…。

仕事における視覚過敏への工夫

[く] なるほど。ところで、GPではこのようなブルーライトカットシートなどを使っている人はいませんか?

[進] 弊社ではこういったシートを目の問題で使っている人はあまりいないかな。覗き見防止という観点で使っている人はいましたが。

[く] なるほど、たしかにプライバシーの問題は企業では重要ですね。

[あ] 最近はブルーライトカット用のメガネも増えたけど、ブルーライトが目に悪いかどうかはともかく、画面の光に対する負担感が減る人は多いと思うの。

[く] 最近はいろんな種類のメガネが出ているしね。

[あ] なんと子供向けのもあるんだよね(笑)

[進] エレコムはメガネまで出しているんですね!

[あ] ここ何年かで出してるみたいです。

[進] ニーズの高まりを感じますね!

日常生活での視覚過敏への工夫

[く] 日常生活でも結構眩しく感じる時は多いから、厚手の遮光カーテンを愛用してるよね。

[あ] それでも夏とか廊下に出るだけで目が痛い時があるよ。一番歩きやすいのは曇り空の日で「曇りの日は天気がいいなぁ」と思う。

[く] そろそろ夏本番だから目には優しくないよね…。で、ウチも以前は蛍光灯だったけど、照明器具を思い切ってLEDに切り替えたらだいぶ過ごしやすくなったと。

[進] それはなぜですか?

[く] 光の強さを細かく調整できるからですね。ちょっとした違いでかなり刺激の強さが変わるようです。

[あ] そうなんですよ。自分でも面倒くさいけどね。

[く] まぁ、細かく調整できればだいぶ負担が減る、というだけでだいぶ生活の質が変わると思います。

[あ] ウチが何に困っているかは最初から自分でもわかってなかったんだよね。いろいろ試しているうちになんとか「こんなことすればいいのかな」とわかってきた感じ。

[く] まずは「自分に感覚過敏がある」と気づくのが大事で、そこに気づけば工夫はしていける、ということでもあるね。

[進] 今回の対談を通じて、感覚過敏があることでこんなに生きづらい人がいるんだと改めてわかりました。この先、事業を通して感覚過敏がある人でも生きやすい社会を作っていきたいと強く思いました。

[く] というところで、今回はこれくらいで!ありがとうございました!

[あ] ありがとうございました!

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