たった1回でお腹が凹む奇跡の股関節ほぐし
何をやってもお腹が凹まない!
それは股関節のせいかもしれません
●股関節って、どんな関節?
「股関節」と聞いて、みなさんは、まず、どんなことを思い浮かべるでしょうか?
股関節が柔らかいと、180度の開脚ができる。一生、元気に歩きたいなら、今のうちから股関節を鍛えておくべし │こんな話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
どれも本当の話ですが、本書のテーマは「お腹」です。
股関節って、じつは、多くの女性が悩み続けている「ポッコリお腹」にも大きく関係しているんですよ。下腹が出ている、腰まわりに分厚い脂肪がついている、ウエストのくびれがない、太鼓腹のようになっている……これらはすべて、股関節のゆがみ、こわばりが原因です。
裏を返せば、股関節のゆがみを整えたり、こわばりを取りのぞいたりしてあげるだけで、お腹まわりの悩みは解消できるということ。下腹もお腹もペタンと平らで、ウエストにはくびれがあり、腰まわりはスッキリしている若々しいライン。そんな美しいスタイルは、誰でも年齢に関係なく、いつからでも手に入れることができます。
●下半身と上半身を連結する要が股関節
股関節は、両脚のつけ根にある関節。もう少し詳しくいうと、2本の脚(大腿骨)の上端の球体の骨と骨盤をつなぎ、上半身を支えている重要な関節が股関節です。
人体には、大きく3か所のつなぎ目があります。
上からいくと、まず首と胴体のつなぎ目。次に両腕と胴体のつなぎ目。そして両脚と胴体のつなぎ目。この3つめの連結部分こそが股関節であり、頭から首、胴体を支えるという重要な役割を担っているのです。
●股関節は人間にとってとても重要な関節
股関節は、両脚の骨と骨盤をつなぐ関節│と聞けば、脚を上げたり下げたりする「歩行」
に欠かせない関節であることは容易に想像がつくでしょう。
しかし股関節の重要性は、それだけにとどまりません。
「歩く」ほか、「立つ(立ち上がる)」「しゃがむ」「上体を反らす」「方向転換する」などなど、あらゆる日常の動作に、股関節の働きが欠かせないのです。
人間の体には200個以上の骨があります。このうち一番長い骨である大腿骨の上端(骨頭)は球形になっており、少しのすき間を残して骨盤にバコッとはまっています。このはまっている部分が股関節です。球形ですから、股関節は本来、あらゆる方向に動きます。立つ、立ち上がる、しゃがむ、前方に歩く、真横に動く、方向転換する、前屈する、体を後方に反らす……こうした日常的な動作はすべて、股関節のおかげで可能になっているのです。
●人は股関節で立てるようになった
さて、股関節は四肢を持つすべての脊椎動物の体にありますが、人間の股関節は、遠い昔に2足歩行を始めた際に独特な進化を遂げました。
4つの脚を持つ動物を思い浮かべてみてください。犬でも猫でもかまいません。後ろ脚のうち、多くの毛が生えているのは外側ですよね。ところが人間の脚は、前側により多くの毛が生えています。
じつは、四つんばいから2足歩行に移行するプロセスで、後ろ脚は股関節でクルクルと後ろから回転。より多く毛が生えている部分が、クルクルと外側↓後ろ側↓内側↓前側と回転したのです。
本当に美しい体とは、人間としてまっすぐ立ててこそ。そのためには、いたずらに骨盤を締め上げたりせず、骨盤の中央にある仙腸関節を引き締めること。すると骨盤の形・位置が本当の意味で調整され、背骨がしっかりと立った美しい姿勢になります。
では、そのように骨盤を調整するにはどうしたらいいか。股関節にアプローチするのがもっとも効果的、かつ即効性のある方法なのです。
●股関節で上半身をうまく支えられないと、お腹が出る
さて、股関節の重要性をご理解いただいたところで、なぜ股関節が「ポッコリお腹」と関係しているのかを説明していきましょう。
股関節がズレると、骨盤が広がり、背骨がしっかり立たなくなります。これは要するに、股関節で上半身をうまく支えられていないということ。すると必然的に、上半身の背骨もズドーンと下に下がってきます。
お腹の袋に赤ちゃんを抱えているカンガルーを思い浮かべてください。両脚がガバッと広がり、背骨が下がって、体が前傾していますよね。
股関節がズレると上半身が下がってしまうというのは、ちょうど、このカンガルーのような感じです。もちろん、カンガルーの体は赤ちゃんを守ることに特化した形になっているわけですが、人体の観点からすると「股関節がズレている」といえます。
●お腹を凹ますには、股関節を整えることが一番の近道
男性よりも筋肉量が少なく、柔らかい女性の体は、ただでさえ胴体を支える力が弱いうえに、出産のために骨盤が広がりやすくなっています。赤ちゃんを安全に生むには必要な構造ですが、そのぶん上半身が落ちやすい。それがお腹ポッコリにつながるなんて……、あまり歓迎できませんよね。
でも、安心してください。
先ほど、股関節が整えば、自然と仙腸関節が引き締まり、骨盤が正しい形・位置に調整され、背骨がしっかりと立った美しい姿勢になる、といいました。言い換えれば、これは、ズドーンと落ちていた上半身がスッと引き上がっている状態です。
だから、ポッコリしていたお腹も嘘のように凹んでしまう。股関節を整えることが、ペタンコお腹を叶える一番の近道なのです。
はじめに
美容家として50年、今までに約12万人の方に美容=健康のアドバイスやエクササイズ、
リバウンドしないための体づくりを指導してきました。
みなさん、それぞれの体のお悩みを「なんとかしたい!」と、いろんな方法を試してきたけれども、「ぜんぜん効果が出ない……」「こういう体質なんだ」「年齢のせい」と半分あきらめ、でもやっぱりあきらめきれずに私のところにいらっしゃいます。
それがほんの数回、多くはたった1回の施術で体が変化し、「え、ウソみたい!」「今までの努力はなんだったの?」と驚かれるのです。
申し遅れました。美容家の南雅子と申します。
幼いころより美容界のパイオニア・山野愛子さんに憧れていた私は、27歳で美容室を開業。その後、髪も肌も表面的にアプローチするだけでは根本的に美しくならないということに気づき、整体・カイロプラクティックの資格を取得。真の美は健康からくるというモットーで、「整体エステ」を立ち上げました。
以来、幸いなことに、さまざまな体形の悩みや、体のゆがみからくる不調から解放された方々のうれしい報告をたくさんいただいています。
さて本書では、女性の体形の悩みナンバー1といわれる「ポッコリお腹」を、たった1回のエクササイズで凹ませる方法を紹介していきます。
おそらくあなたも、私のお客さまの多くと同じように、「何をやっても、お腹が凹まない」と悩んでいるひとりなのでしょう。だから本書を手に取ってくださったのですよね。
ではお聞きしますが、お腹を凹ませるために、今までどんなことを試されましたか?
筋トレのベーシックである腹筋運動やスクワットを習慣にしてきたという方。
美しく引き締まった体をつくるには、適度な筋肉をつけること。筋肉をつけるには筋トレ。それはそうなのですが、問題は「そもそも筋トレが効果を発揮するような体になっているか?」という点です。
私たちの体には約200もの骨があり、骨と骨の間には関節があります。
骨格は筋肉で覆われていますが、筋肉と骨をつなぐ役割を果たしているのは「腱」という結合組織です。
骨は分かれているのに体がバラバラにならないのは、腱が体中にはりめぐらされているからです。また、腱はバネのような働きをすることで、筋肉の動きを助けています。
筋肉をしっかり動かすには、骨と骨をつなぐ関節の位置と可動域(動かせる範囲)が正常であること、骨と筋肉をつなぐ腱がしなやかであることが欠かせません。
この条件がそろって初めて、筋トレが効果を発揮する体といえます。
といってもアスリートでもない限り、この条件がそろうだけで十分です。関節と腱が正常に働く体は、普段の何気ない動きでもきちんと筋肉を動かすことができるため、自然と引き締まるのです。もちろんポッコリお腹だって凹んでしまいます。
一方、ダイエットの王道である食事制限をしてきたという方も多いことでしょう。たしかに食べ過ぎは肥満のもとですが、やみくもな食事制限はするべきではありません。
第一、ポッコリお腹は、ダイエットなんてしなくても解消できるのです。骨も筋肉も内臓も正常に働く「機能性の高い体」をつくれば、よほどの過食習慣がない限りは摂取した栄養素をしっかり活用できるからです。太らないし、やせるということです。
そんな「機能性の高い体」をつくる最大の鍵は、やはり関節です。
関節の位置と可動域が正常な体は、骨と筋肉をきちんと動かすことができます。
そして関節の位置と可動域が正常で、骨と筋肉がきちんと動いている体は、体内のさまざまな働きも滞りなく、よくめぐっています。内臓機能が正常で、余計な脂肪を溜め込むということがありません。
すでにプロローグでお話ししてきたように、本書で紹介するエクササイズでは、関節のなかでも「股関節」にアプローチし、ポッコリお腹を解消していきます。
股関節は、約200の骨のなかで一番長くて太い大腿骨を動かして、あらゆる動作を支え、上半身と下半身をつなぐ要の関節。股関節の動きを正常化することで、骨盤まわりの腱もしなやかになり、日ごろの動作で筋肉をしっかり使えるようになります。
もう、あきらめることはありません。股関節を整え、我慢ばかりの食事制限も激しい筋トレも必要ない、もちろんリバウンドもない、ペタンコお腹をつくっていきましょう。健康は美をつくり、美は日々を輝かせてくれます。この本との出会いをきっかけとして、本来の体へとリセットし、人生を楽しんでいただきたいと願っています。
南雅子