ネコ派? イヌ派? ペットではなくサメの話です
ネコザメ
卵の形は強そうな「ドリル状」
ネコザメは、目の上が盛り上がっており、正面から頭を見たとき、その形が「ネコ」のように見えることから、この名前をつけられた。臼状の頑丈な歯で硬い貝類を噛み砕くことができることから、「サザエワリ」という別称も持つ。英名の「bullhead」は「雄牛の頭」を意味する。
ネコザメの体の形状は、原始的なサメと現生のサメの進化の中間に当たる特徴を残している。
めかぶのヒトコト
かわいい顔をしているのに、硬い貝殻をアゴの力で粉砕してしまう怪力。「ネコ」という名前と「ウシ」(英名)という名前の両方を持つこのサメは、よく水族館の底などに沈んでいる。
こぼれ話
特徴的な歯の形状は、硬いものを噛み砕くのに特化している。
イヌザメ
実はペットとしても大人気!
イヌザメという名前の由来は、泳がずに地面をはいながら移動したり、海底で獲物を探すときに吻先を当てたりする様子が「イヌに似ている」から、とされている。
幼魚は黒と白のシマ模様でウミヘビのようだが、成魚になると徐々にシマはなくなり、暗褐色になる。
昼間はサンゴ礁のすき間などや海底でじっとしているが、夜になると獲物を探すため活発になる。
めかぶのヒトコト
大きな水族館では、よくネムリブカやネコザメと重なり合っていて、その姿がかわいい。
こぼれ話
幼魚のシマ模様には「猛毒をもつウミヘビに擬態して身を守っている」という仮説がある。
【サメ雑学】サメという名のサメ「ではない」魚
サメやエイなどは、骨がやわらかい骨でできた「軟骨魚類」というグループに属している。それに対し、一般の魚類は、骨が硬い骨でできた「硬骨魚類」というグループだ。
サメは、約4億年以上も前から存在しており、現在までに600種前後が確認されていて、その特徴ごとに「9目37科106 属」に分けられている。
現在でも1 年に5~10 種ほどの新種のサメが確認されており、その種類は、どんどん増えている。
まれに「サメ」という名前がついているのに「サメではない」魚がいる。例えば、以下のような魚だ。
●サカタザメ
●ギンザメ
●コバンザメ
●チョウザメ
サカタザメは、エイの仲間に分類される。エイとサメは、エラ孔の位置で見分けることができる。サメは体の側面にエラ孔があり、エイは腹面にエラ孔がある。
ギンザメは、サメやエイと同じく軟骨魚類に分類されるが、サメとエイは「板鰓(ばんさい)類」に分類されている。一方、ギンザメは「全頭類」に分類されている。
コバンザメはスズキの仲間であり、軟骨魚類ではなく、硬骨魚類に分類される。
チョウザメは、その卵がキャビアとして有名だ。キャビアは「サメの卵」ともいわれるが、チョウザメもコバンザメと同様に硬骨魚類に分類されるので、サメの仲間ではない。チョウザメは、体の形状がサメに似ているのでサメと名づけられたが、古代魚の一種である。
これらの魚は、サメという言葉が名前に入っているが、サメではない。