公務員、辞めました。
私は市役所に入庁してから3年半(4年目の途中)で退職しました。
3年半なんて、役所の中からみればまだピヨピヨのピヨです。何もわかってない間に辞めるなんて…。そう思った方もいたでしょう。
入庁当初は一生市役所に身を捧げようと思っていたにも関わらず速攻で辞めてしまったわけですが、私自身市役所の仕事は嫌いじゃなかったです。組織風土的な面で合わない部分は多々ありましたが、辞めた理由は他にあります。
大きな理由としては
『今の仕事以上にやりたい仕事を見つけたから』です。
意外にもポジティブな理由なんです。
しかし、普通に市役所で働いている人がこの考えに至るのは少ないと思っています。
というのも、市役所の行政職は基本的に3〜5年のサイクルで部署を異動します。私も3年間子ども関連の部署を経験した後に高齢者関係の部署といった、全く関係のない部署に異動しました。
このような部署異動は当たり前で、ようやく覚えた法律や制度などをまたイチから覚え直し、そして慣れた頃にまた異動するを繰り返します。
つまり、異動する度に仕事内容が激変するので、転職を考える方が少ないのではないかと思います。人によってはその大きな環境の変化がストレスとなる方もいると思いますが、色んな部署に行くことは入る前から分かっていたことですし、私は飽き性な性格でしたので、新しく何かを覚えたり知識を得るのは楽しかったです。
それなのになぜ『今の仕事以上にやりたい仕事を見つけた』のかというと、その考えに至るまでに以下の3つの経緯があります。
1.予定外の病気休暇の取得
転職を考える大きなきっかけとなった出来事ですが、これについては別の記事でまた詳しく書きます。3年目の終わり際にメンタルを崩してしまい、2ヶ月弱の病気休暇を取りました。公務員はこういう時でもしっかりサポートしていただけるのは本当に手厚いなと思いました。当時、私は休みたくて休んだというより怒涛の出来事が沢山起き、気づいたら休んでたって感じでした。
休暇中には本を読んだり、語学の勉強をしてゆったり過ごしていく中で「自分がこの先も続けるべき仕事はココじゃない」と思い始めるようになり、本当に自分が興味のあったものや、やってみたいなと思っていたけれど諦めていた夢をリストアップし、自己分析して転職活動に踏み切りました。その結果、やりたいなと思っていたけれども諦めていた夢に"限りなく近い"仕事にご縁をいただくことができました。
2.やりがいを感じられなくなった
そもそも市役所仕事にやりがいを求めること自体間違えていると思われるかもしれませんが、私は窓口対応や電話対応と言ったお客様対応は唯一やりがいを感じていた瞬間でもあったので好きでした。ある時には、今にも泣きそうな顔で窓口に訪れた市民の相談にのり、解決策をご提案したところ、安堵の表情を浮かべ「不安でいっぱいでしたが本当に安心しました…」と安心してお帰りいただいたことや、帰り際に「分かりやすい説明をありがとうございました」と笑顔で言ってもらえることがとても嬉しかったです。
このように、市民と直接関わってサービスを提供することは好きでしたし、やりがいを感じられる瞬間でした。
しかし、それ以上に市役所にいると内部的な仕事の比率の方が圧倒的に大きく、議会や委員会での資料作りなどで定期的に慌ただしくなります。そこでは上司から細かすぎる資料作成を求められたり、言い訳のための資料作りが始まります。これを遅くまで残業しながら作ってると、ふと「これは誰のための何の仕事なのか?」と常に思うようになり、それから仕事自体にやりがいを感じられなくなり、やりがいを感じたいと思えるような仕事を探すきっかけとなりました。
3.大変なことを乗り越えても達成感がない
これは結構思っていた以上にメンタルきたきっかけ。2年目の途中に割と大きめの事業を1人で任されたのですが、それがまあ大変でした。内容は施設を新たに建設するもの。最初は「こんな大きい事業ができるなんて嬉しい!」と意気揚々と臨みましたが、建築関係の知識が一切ないのでちんぷんかんぷん状態。しかも係内にも建築関係の有識者がいないので、必要な手続きや細かな事務などを知らず、色々と手遅れな状態になってから
建築部門の部署「○日までに県に提出しなければいけないあの手続きやった?」
私「ナンノハナシデスカ?」
みたいなことが日常茶飯事でしたし、何が分からないのかが分からない状態。とにかく迷惑かけまくり。
業者との打ち合わせも中々地獄で、専門用語連発で一体何を話しているのか、ずっと宇宙にいるような感覚。何も議事録を残せずに業者さんに電話でどんな内容を話していたのか確認した思い出も(笑)あれは今思い出しても心臓がバクバクします。
なんとか周りに大迷惑をかけながらも無事に完成したのですが、それまでの過程があまりにも辛すぎて感動や達成感みたいな感情も皆無でしたし、それが終わったら「はい、次はまた別の建設事業よろしくね」みたいな感じで淡々と仕事が進んでいくところに違和感を覚え、この先色んな事業を進めていっても結局こんな感じなのかな…とネガティブな気持ちになり、もっと達成感のある仕事を考えるきっかけになりました。
4.まとめ
以上が私が公務員を辞める経緯です。今回、ネガティブな面を多く伝えてしまいましたが、私自身アンチ公務員なんかでは一切ありませんですし、市役所の仕事は本当に大切です。ただ、公務員を辞めたいと思っている方の中にはこのようにモヤモヤしてる方もいると思います。私はこんな理由で公務員を退職したよ!と共感していただければ嬉しいです。