過去の私の俳句を斬る①
句会に参加して定期的に俳句を作るようになって数年が経過しました。
過去の句会の結果等はファイルに綴じて保管しています。
普段はなかなか開いて見返すことはありませんが、このたび、書類を整理する中で、過去の句に触れる機会がありましたので、眺めていると、
陳腐な表現・・・ 文法誤り・・・ 映像が見えない・・・
といったアラがたくさん見えてきました。
俳句を初めて数年たって、改めて過去の自分の俳句と向き合うことで、今度、自分が初心者にアドバイスするときに、初心者が気づかずにやりがちなことへの対処方法の、ヒントが得られるのではないか?と考えました。
出すのが恥ずかしい句も多いのですが、あえて公開いたします。
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朝寝して万華鏡見る心地かな 新治(平成27年)
初めて句会に出した、兼題「万華鏡」で作った句です。朝寝が春の季語ですね。
春の朝にうとうとと見る夢は万華鏡のようにキラキラと美しいものだ、という雰囲気は伝わるような気はしますが「見る」は言わずもがな、という感じがします。「~して」というのも動作として説明的ですね・・・万華鏡はモノとしてではなく、比喩として使われているので、句全体として映像が弱いのも問題点か。
朝寝して の「して」がとにかく説明臭いので、季語を別の言葉に取り換えて「春眠や」と置き、万華鏡と取り合わせると整いそうです。
万華鏡を修飾する言葉としては、廻すとか見るとかがありますが、それだと当たり前になってしまう。そういうときは、逆に、「廻せぬ」とか「見えない」のように否定形にして、「○○は見えない」のような形にすると詩の匂いが漂ってきます。
例えば、
春眠や過去は覗けぬ万華鏡 新治(令和3年)
こんなところでしょうか。原句の要素はほとんど残りませんでしたが・・・