単身者として生きる
わたしはいま非常に悩んでいる。
自身の独身賃貸一人暮らしという住居問題について。
実家はない。
賃貸・住宅ローン・定年後に一括。
総コストに関してはどれも大差がないということは学んだ。
それでも一体自分にとっては何が正解なのか判らない。
新卒以来正社員として働いてきたが、
収入も貯蓄も多くはない。
年齢もいっている。
このコロナ禍において、冬のボーナスカットはあったけれどいまのところ職は失っていない。
会社の業績は良くないが今すぐ倒産する状況でもない。
先のことは判らないが、日々の暮らしに困ってはいないし、貯蓄を取り崩すような事態に陥っていないことは、本当に有難いことだと思う。
結婚もせず子も生さず家も買わない単身者は、制度の枠から外れているようで肩身の狭い世の中だが、日常生活で常にそれを感じるようなこともない。いまのところは。
家庭環境に恵まれなかった所為か、子供の頃から家庭を持つことに夢はなかった。
じゃらじゃらの鎖にまとわりつかれているような感覚。
それでも運命共同体という頭数が揃わないことは、人生を過酷にするのかもしれないと思う。
人はひとりで行き先を決めることには向いていないのではないかと。
だが、ひとまず自分で決めないと行き当たってばったりするだけなので、
定年までは会社がある前提で、いま利用している沿線で都内近辺の中古マンションを調べ始めた。
わたしの中の常識は「新築を頭金2割以上貯めてから」というところで止まっていたので、
現状の金利も物件価格の高騰にも目を向けていなかったから、なんだか時機が悪いということにようやく気付く。いま30代であればとりあえず購入に向かって行ったであろうがもう遅い。
早くもくじけそうだ。
いまの賃貸マンションは今年更新したところなので、来年一年掛けてよいと、少し自分を甘やかす。
ここは駅徒歩7分と便利な上に、大通りから少し入った住宅街で交通量も少なく静か、オーナーはベテランの地主で管理も居心地も良かったが、設備がもう古い。
そこで、築年と形状と価格と立地が折り合う中古マンションを探しつつ、
購入時期を延ばす、あるいはそもそも融資可能なスペックなのか怪しい住宅ローンをセレクトしない、などと選択の幅を考えて、同様の賃貸住宅も視野に入れることにした。
家賃を下げられるに越したことはないが、同等までは許容範囲とする。
引っ越しを考えると部屋には思いの外荷物が多い。
特にずっと捨てられず共に引っ越してきた本の量が多すぎる。
本棚には人格が詰まっているようでどうしても手放せなかったが、
そろそろ身辺整理も必要なのかもしれない。
再利用でもして貰えれば良しとして、1箱500円と有料だが、バリューブックスを利用してみることにした。
愛着がある本のシリーズ第6位くらいを手放すと決めると、かなりの本を手放せる。
試しに一箱分送り出したので、
今後DVDやCDなども含めて、ある程度の量を処分していこうと思う。
これを機に、とりあえず手元に置いていた古いPCのリサイクル処分、
ほぼ使っていないスタンドランプやなんやかやの粗大ゴミ処分、
不用品の処分に着手しなくてはならなくなった。
やはりくじけそうだ。
散々シミュレーションした資金計画も、所詮は皮算用。
この年末年始は身辺整理と物件探しと方向性の逡巡にとらわれそうで若干気が重いが、
身近な人との楽しい予定も少しは挟みながら、
自分の人生の舵取りをしていこうと思っている。