【英語】ditto
今日ご紹介するのは、英単語 "ditto"(発音は、「ディトゥ」)。
意味は、「同上」「同前」など、直前に言及されたものと同じであるということを示すものだ。
別の英語フレーズで "same as above" (同上)とか "same as before" (同前)などと言うこともできるが、この単語は1語で簡潔に表現できて、便利だ。
会話でも、たまに使われることはあるが、少しかしこまった響きがあるので、どちらかというと、書き言葉で使われることが多い。
例えば、何かのリストを作るとき。上の行と同じことを、下の行にも書くときに、"ditto" と書けば、上に書いたことと同じことを再度書く手間を省くことができる。"ditto above" などとも書く。
また、例えば、取引先を複数名で訪問するときに、受付で全員が氏名と会社名を書かなければならないとしよう。まず最初のひとりが、1行目に自分の氏名と会社名を書く。ふたりめ以降が2行目以降に氏名と会社名を書くとき、会社名はひとりめと同じであるから、長い会社名を繰り返し書く手間を省くため、会社名の欄に "ditto" と書く。このような場面で、地味だが便利なのである。
例によって、オンライン辞書「英辞郎」の解説を見てみよう。名詞、副詞、形容詞、他動詞の用法があるが、すべて「前と同様」という意味だ。
ところで、この単語 "ditto" については、有名な映画『ゴースト ニューヨークの幻』(1990年)で、とても印象的に使われている。
※この映画のアマゾンのページはこちら。
恋人同士のモリー(デミ・ムーア)とサム(パトリック・スウェイジ)。モリーは、サムに対し、"I love you."(「愛してる」)と、ストレートに愛情表現をするのだが、それに対するサムの返事はというと、"I love you, too" ではなく、いつも、この "ditto" だったのだ。
つまり、ストレートに「愛してる。」と言わずに、 「同じく。」という、ちょっと事務的に聞こえる、ぶっきらぼうな返事しかしなかったのだ。照れ臭かったのか、格好つけていたのか…。
とにかく、これが2人の間での、いわば合言葉のようになっていた。
そして、サムが死んでしまい、透明な幽霊(「ゴースト」)になってしまう。なんとかモリーに自分の存在を気づかせたいサムは、唯一自分の声を聞くことができる、オダ・メイ(Oda Mae)という名前の霊媒師を通じて、モリーに語り掛ける。幽霊のサムの姿も見えず、彼の声も聞こえないモリーは、初めはオダ・メイの言うことを全く信じなかった。
そんなモリーに、サムの幽霊が本当に存在することを気づかせるきっかけとなったのが、このキーワード、"ditto" だったのだ。
以下が、その名シーンの会話。
私がこの映画を初めて観たのは、大学生のときだった。涙を流しながらこのシーンを観たが、そのときは、"ditto" という単語のことなど全く知らなかった。
それが、社会人になって、仕事で "ditto" という言葉を聞くや、「ああ、この単語だったのか!」と、この映画のことを急に思い出したのだ。
この単語 "ditto" は、便利なので、是非使ってみてほしい。
ところで。このサムように、はっきりと愛情表現をしない男性は、私と同世代の日本人男性や、それより年齢が上の、昔からの伝統的な日本人男性像と似ているような気がしてならないが、気のせいだろうか…。
ご参考になれば幸いです!
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