さいしんコラム#1169~オギを育てたのは/負けないことと勝つこと
5月24日のルヴァンカップ川崎フロンターレ戦に向けたコメントを取材していたときだから21日か22日、荻原拓也がこんなことを言っていた。
「チームは、負けちゃいけない試合っていうのを以前から意識していて、特にACLはそういう意味合いが大きかったじゃないですか。それの続きが今この結果になっちゃっている。大胆にいくシーンとか、もっとボールを奪うシーンとかあっていいんですけど、チーム全体が固いというか慎重になりすぎている部分とかもあるかもしれない。そういうのがメンタリティーとして大きく影響していると思うんですよね」
ACLの後、サガン鳥栖に負け、ガンバ大阪に勝ち、アビスパ福岡に引き分けと、上位を目指すには少し足りない結果だったことを言っている。
そして―、
「僕は個人的にどの試合も勝ちに行っているんで、ちゃんとやることやって、それで出た結果はしゃーないって思うしかないです。負けないことを強く意識してプレーが悪かったら本末転倒で、そんなしょうもないことしたくないです」
と語るオギだが、ボールを持ったらむやみに勝負に行っているわけではない。前が詰まっていたり、パスコースがなかったりすれば、マリウスに戻すこともある。だが、プライオリティの一番が「前へ」であることが見ていてよくわかる。もちろん前へのチョイスがすべて成功するわけではないし、奪われてカウンター攻撃を受けることもあるが、そこへのケアは自分も味方もしている。オギの持ち味が攻撃だということは周りもわかっているのだから、もしかしたらオギが持ったときは岩尾やマリウス、ショルツ、そして西川の警戒感が一段上がるかもしれない(笑)。それでもオギの突破やアーリークロスが大きなチャンスになることをみんな知っているから、万一のケアは喜んでやっているだろう(たぶん)。
オギの潜在能力が顕在化し、最高到達点が平均化するのを見たい人は多いに違いない。
トップの写真は、5月27日(土)、「コ」の字型に赤かった、サンガスタジアム。